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2017.10.10

隠れ家バーで遊ぶ、お茶とお酒の意外なマリアージュ

日本茶をウオッカ、ジン、ラムなどにインフュージョンした、誰もが驚く「お茶ケ」とは。

CREDIT :

文/真下 武久 撮影/國田 茂

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デートの誘い文句は「ちょっとお茶でも飲まない?」

王道のフレーズで彼女を連れ出す行き先は、表参道エリアのシンボルともいえる複合文化施設「スパイラル」の5階。「こんなところにお店なんてあった?」という意外なロケーションにその店は構えています。

櫻井焙茶研究所。

そう、本当にお茶を飲める場所。でもそれだけならLEON.jpでご紹介する必要はないでしょう。ここは、お茶とともにお酒を楽しめるユニークなスポット。ある意味、バー以上に深~いお酒エクスペリエンスを堪能できる場所なんです。しかも午前11時から!
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名前の通り、「櫻井焙茶研究所」は所長である櫻井真也さんが日本各地へと足を運び、自ら厳選したという約30種類のお茶を楽しめる日本茶専門店。店の奥のラボにはロースターが設置され、自家焙煎、自家ブレンドによる日本茶を堪能させてくれます。と同時に、お酒に日本茶の茶葉を漬け込んだ、オリジナルの「茶酒」も楽しめる場所なのです。
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煎茶ジン、甜茶ウォッカ、焙じ茶ラム、煎り番茶ウイスキー、サンルージュ星子
左から、煎茶ジン、碾茶ウォッカ、焙じ茶ラム、煎り番茶ウイスキー、サンルージュ星子
じゃあ、茶酒ってなにかって? 所長の櫻井さんはこんな風に説明してくれました。

「インフュージョンという技法を使って、日本茶の繊細な香りやフレーバーをリカー類に溶け込ませたものが茶酒です。現在は、煎茶ジン、碾茶ウォッカ、焙じ茶ラム、煎り番茶ウイスキー、それからサンルージュという日本茶を梅リキュールの『星子』にインフューズしたサンルージュ星子、という5種類を用意しています」
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お茶の世界、お酒の世界、ともにくわしい知識を有する所長の櫻井真也さん
実は櫻井さん、日本茶の世界に入るまでは、銀座のオーセンティックバーや紹介制サロンなどで腕を磨いたバーテンダー。和食料理店や和菓子店を経て、「日本茶の楽しみ方を広げたい」という思いから、2014年に同研究所をオープンし、2016年に現在の場所へと移ってきました。

「もちろん日本茶だけでもいいのですが、当店では日本茶と和菓子、茶酒を提供しております。この三位一体の組み合わせをご体験いただき、日本茶の新しい世界に触れていただきたいですね」
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ここはバー? それともモダンな茶室!?

というわけで、櫻井さんに案内され、秘密めいた奥の茶房へ。無駄が削ぎ落とされた空間に櫻井さんの審美眼が光る美しい茶器や茶道具が並び、さながらモダンリビングの茶室といった雰囲気。少し背筋が伸びるような、凛とした空気感が心地よく感じられます。
煎茶ジンのマティーニ。煎茶ジンと貴醸酒、リレ・ブランを使用
煎茶ジンのマティーニ。煎茶ジンと貴醸酒、リレ・ブランを使用
1杯目にオーダーしたのは、煎茶ジンのマティーニ。ベースとなる煎茶ジンには深蒸しと普通蒸しの2種類の煎茶を漬け込んでいるとのことで、コクと渋みがバランスよく溶けこんでいます。煎茶由来のメロンのようなニュアンスもこの一杯ならでは。

マティーニはちょっと強すぎるという彼女には、アルコール度数をやわらげた煎茶ジンソニックもおすすめとのこと!
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煎り番茶ウイスキーのネグローニ
煎り番茶ウイスキーのネグローニ。煎り番茶ウイスキーとカルパノ・アンティカ・フォーミュラ、グラン・クラシコ・ビターを使用
2杯目には煎り番茶ウイスキーのネグローニを。
煎り番茶ウイスキーはジャパニーズウイスキーに薫香の強い京番茶をインフュージョンしたもの。「日本版のアイラウイスキー」をイメージしたというだけに、スモーキーな香りが鼻腔をくすぐります。といってもアイラの押し出しの強いスモーキーさではなく、少し懐かしいような繊細なスモーキーさ。

これにベルモットのリッチさとビターリキュールのほろ苦さが加わって、なんとも言えない美味なる茶酒の世界が広がります。
バーテンダーの大場文武さん
横浜の名門オーセンティックバーや都内の最先端ミクソロジーバーで研鑽を積んだバーテンダーの大場文武さん
「まず本日のおすすめのお茶で喉を潤してから、和菓子や香の物をツマミに茶酒を1、2杯飲んで、最後に抹茶で〆る。そんな粋な楽しみ方をされるお客さまもいらっしゃいます」とはスタッフの大場文武さん。彼もまた茶酒の奥深い世界に魅せられ、この夏、櫻井焙茶研究所にやってきた腕利きのバーテンダーです。
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お茶にも、お酒にも合う和菓子を提案する「HIGASHIYA」の季節の生菓子や、 小布施の栗ようかんなどが揃う。
櫻井さんと大場さんは茶酒をさらに深化させようと、試行錯誤を繰り返してきました。その甲斐あって、10月中旬からは微発酵茶ピスコや玉露焼酎など、茶酒のラインナップを15種程度に増やす予定なんだとか。

「ちょっと日本茶でもどう?」

そんな誘い文句で彼女を誘えば、その後の意外な展開にきっと彼女も喜んでくれるはず!

ちなみにカクテルメイキングは茶道の所作に通じる部分が多いそう。デートの際は、ライヴを観るような感覚で、バーテンダーの目の前の特等席をリザーブしておくのがスマートです!
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◆ 櫻井焙茶研究所

住所/東京都港区南青山5丁目6-23 スパイラル 5階
営業時間/11:00~23:00(月~金)・~20:00(土・日・祝)
定休日/無休
URL/http://www.sakurai-tea.jp/
予約・問い合わせ/☎03-6451-1539
※19:00以降、1名につきチャージ 500円

● 真下武久 / エディター&ライター 

ライフスタイル誌、企業広報誌、ウェブマガジンなどで、旅、カルチャー、食、ワイン&リカーといったジャンルをメインに活動中。バー&カクテルファン向けのウェブマガジン『Drink Planet』のエディトリアルディレクターも務める。 

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