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2020.10.03

作るなら今でしょ! 鮨屋が教える「いくらの仕込み」基本のキ。

“週末鮨屋”の料理研究家として知られる野本やすゆきさんが、料理初心者の男性向けに「モテる」「デキる」レシピをご指南!

CREDIT :

レシピ&調理/野本やすゆき 文/秋山 都 写真/吉澤健太

「男子厨房に入らず」と言われたのも今は昔。いまは「弁当男子」も、週末ともなれば腕を奮ってホムパやキャンプ……という料理上手な男性もたくさんいます。でもその一方で、まだ「インスタントラーメンしか作れない」という方もある一定数いるのも真実。

そこで本連載では“週末鮨屋”として注目されている料理研究家、野本やすゆきさんに、初心者でも作れ、自分で食べておいしいのはもちろん、一緒に食卓を囲むお連れさまにも「すごい!」と言ってもらえるレシピをご指南いただきます。料理はいまどき男子必携のモテツールであるものの、万遍なく何でも作れる必要はありません。数品のキラー料理を作れるよう、腕を磨いておきましょう。
第25回は「はらこ飯(めし)」。

駅弁フェアでは宮城県のご当地弁当として人気のメニュー。秋に旬を迎える鮭を炊き込みご飯にし、上からやはり旬のいくらをざんぶりとトッピングする、いわば海の親子丼です。
食の世界では「時宜(じぎ)」が非常に重要でして、いまが旬の食材をとりあわせることを「出会いもの」として尊びますが、まさにこの「はらこ飯」こそ「出会いもの」。いくらの皮が固くなる前、10月中をメドにお楽しみください。

で、まずはいくらの仕込みから。もちろん、スーパーなどでいくらの醤油漬けを買ってくるのもアリ。でも、せっかくの「出会いもの」を楽しむなら、筋子から自分で仕込んでみませんか。料理家であり、鮨屋でもある野本やすゆきさんの、いくらの仕込みを教えていただきましょう!
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「いくら」を仕込んでみよう!

いくらの醤油漬け

筋子   ひと腹(約350g)
A醤油   50ml
Aみりん   50ml
A酒    50ml
※作りやすい分量です。

筋子です。ご存知とは思いますが、筋子、たらこなど魚卵は一回の産卵で生まれる卵という意味で「腹(はら)」を単位に数えます。
まず筋子をほぐします。ボウルに張った水の中で、筋子の膜の切れ目から指を入れ、卵が表にくるようにくるっと裏返すとほぐしやすくなります。水でほぐれない場合には、ぬるま湯に浸してもOK。親指の腹で膜をしごきながら丁寧にほぐしましょう。
この薄皮や血合いをきれいに取り除くことが、のちのちの美味しさにつながります。
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ある程度ほぐせたら、ざるにあげて……
浮いてくる白い皮も水を数回換えてしっかり取り去る! これ大事。
▲このとき、いくらが白濁していても、あとで醤油漬けにすればきれいなルビー色になりますのでご安心を。
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筋子がいくらにほぐれたら、漬ける醤油ダレを作りましょう。
小鍋に材料Aの酒・みりんを入れて一煮たちさせ、アルコールを飛ばします。
醤油を入れて、冷ましてから、保存容器に入れたいくらの上にトクトクトク・・・・・・・。このとき、酒、みりん、醤油の量はすべて同量です。今回のレシピでは各50mlで作っていますが、いくらの量に応じて調整してください。
▲タレは必ず冷めてからいくらに注ぎます。
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▲いくらがひたるくらいまでタレを入れたら、冷蔵庫へ。
「いくらの醤油漬け」は冷蔵庫で5~6時間冷やして味をなじませたら完成。冷蔵で1週間ほどもつので、多めに作ってお楽しみください。
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さて、「いくらの醤油漬け」が仕込めたら、それを使っての応用レシピ。海の親子丼ともいうべき「はらこ飯」に挑戦してみましょう。

「はらこ飯」を作ってみよう!

【材料】  2人分

生鮭        2切れ
B出汁     200ml
B醤油     大さじ2
Bみりん     大さじ2
B生姜の薄切り  1かけ分

米       2合


【作り方】

まずは鮭。旬の生鮭を使います。塩鮭ではないのでご注意を。
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要は調味料を加えた出汁で鮭を煮るわけですが、この煮汁が非常に重要ですので、捨ててはいけません。

▲煮汁を計量し、ごはん2合を炊く分量(360CC)まで水を加えます。
この煮汁でごはんを炊くから、鮭のうまみがたっぷり香るごはんになるというわけ。今回は鍋で炊きましたが、もちろん炊飯器でもOKです。
▲米は炊く前に洗い、30分浸水をして、ざるにあげ、水切りをします。
鍋で炊く場合には、まず米を入れ、煮汁と水を合わせた物を加え、蓋をして中火にかけます。沸いたら弱火にして20分、火を消して10分蒸らせばできあがり。
▲炊けた! うまみをたっぷり吸ったごはん、おいしそう~。
炊き上がったら、鍋底からそっくりかえすようにかき混ぜて……
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▲おこげができても、それはそれでおいしい。
鮭を乗せ、お好みで生姜も散らしましょう。
「いくらの醤油漬け」をたっぷり乗せたら、駅弁では味わえないフレッシュで贅沢な「はらこ飯」のできあがり。
鍋ごとテーブルに出して、思う存分「おかわり!」してください。食欲の秋を実感できるメニューです。
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● 野本やすゆき (料理研究家)

東京・谷中で昭和初期から続く老舗寿司店「谷中 松寿司」に生まれ、現在、金・土・日曜のみ3代目として店を継承。“週末鮨屋”としても活動しつつ、わかりやすいレシピがTV、雑誌で人気の、いま注目の料理研究家のひとり。プロレス好き。

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