2026.02.26
オトコ鍋の決定版「ピエンロー」で今冬の鍋納めしませんか?
“週末鮨屋”の料理研究家として知られる野本やすゆきさんが、料理初心者の男性向けに「モテる」「デキる」レシピをご指南! 今回は、今季の鍋シーズンを締めくくる「ピエンロー」。材料はシンプル、鍋に入れて待つだけ、コツは胡麻油を惜しみなく使うことだけ、という究極のオトコ鍋です。
- CREDIT :
レシピ&調理/野本やすゆき 写真/吉澤健太
その土鍋、しまう前にちょっと待った!

▲ シンプルな材料と調理法なのに、深みのある味わいに箸が止まらない「ピエンロー」。
ミラノ・コルティナ2026 冬季オリンピックが閉幕し、梅の花も満開だし、まだ2月なのにずいぶん暖かい東京です。「もう冬も終わりなんですかね……」と、いつものように野本やすゆきさんのキッチンスタジオでおしゃべりしていました。春が来るのはうれしいんですが、なんか冬の間に食べておきたいものがあったような、なかったような。
「冬の間に食べておきたいものといえば鍋でしょ」と野本さん。確かに、そろそろ大きな土鍋はしまってもいいかなと考えていました。でも最後に何か食べたい。簡単で、面倒くさい下準備とか要らない鍋、なんかないですか?
「それならピエンローでしょ」
ピエンロー! 妹尾河童さん*が著書で紹介したことから一時期の食いしん坊界隈で爆発的な人気を誇ったアレですか。でも実は、自分で作ったことはないという方も多いのでは? それなら……ということで早速教えていただきましょう!
*妹尾河童(せのお・かっぱ)さんは1930年生まれの舞台美術家、イラストレーター、エッセイスト、作家。自著『河童が覗いた』シリーズでの緻密な手書きイラストでも著名。
「ピエンロー」を作ってみよう!

材料(作りやすい2~3人分)
干し椎茸 30g
白菜 1/6個
豚バラ(薄切り) 200g
鶏もも肉 1枚
春雨 50g
水 5カップ
胡麻油 適量
一味唐辛子 適量
塩 適量
ピエンローとは、本来“扁炉 ”と書き、中国の鍋料理のこと。鍋ですし、原則何を入れてもおいしいのでは? と思いましたが、野本さんいわく「これだけは材料をアレコレ入れないほうがうまい」とのこと。ですので、ぜひこの材料をそろえてください。この鍋ではどの食材も欠かせない役割を果たしているんですよね。
冒頭に面倒な下準備がない、と書きましたが、ひとつだけありました。と言っても、干し椎茸をたっぷりの水に浸して戻すだけ。最低6~7時間必要ですので、夜に作るなら朝から戻しておきましょう。長時間水につけてダメという訳ではないので、前日から戻しておいても大丈夫です。
▲ 白菜の葉のやわらかい部分は大きめなざく切りに。
▲ 白菜の根本部分は繊維に沿うように短冊切りに。
▲ 豚バラは薄切りのものを求め、食べやすいサイズにカット。
▲ 生の鶏肉にはカンピロバクター(食中毒を起こす菌)がついている場合があるので、切るのは最後に。使ったまな板や包丁はきれいに洗いましょう。

▲ 白菜の葉のやわらかい部分は大きめなざく切りに。

▲ 白菜の根本部分は繊維に沿うように短冊切りに。

▲ 豚バラは薄切りのものを求め、食べやすいサイズにカット。

▲ 生の鶏肉にはカンピロバクター(食中毒を起こす菌)がついている場合があるので、切るのは最後に。使ったまな板や包丁はきれいに洗いましょう。
次に、他の材料をすべて食べやすいサイズに切っておきます。白菜は葉と芯に切り分け、葉はざく切り、芯は繊維に沿って短冊に切りましょう。こうするとトロトロに煮上がるんだそうです。

▲ 鍋の出汁を吸った春雨が「ピエンロー」には欠かせません。
そうそう、春雨も準備しておかなくては。2〜3分、鍋で茹でて冷水に落とし、ザルにあげて水気を切ります。使う際には鍋で食べやすいサイズにカットしておきましょう。
材料がすべて用意できたら、あとは鍋に放り込んでいくだけ。まずは椎茸の戻し汁を鍋に注ぎ(椎茸を鍋で戻した場合にはそのまま使用)、カットした椎茸を入れます。沸騰したら白菜の芯を加え、一煮立ちしたらさらに鶏もも肉、豚バラ。肉の色が変わったら最後に春雨と白菜の葉を加えます。つまりは火が通りにくい食材から入れていくというわけです。白菜がやわらかくなったらOK。

▲ 塩と一味唐辛子という、これ以上ないくらいシンプルな調味でいただきます。
鍋が煮えている間に、お椀のなかに一味唐辛子と塩を適宜入れておきましょう。「ピエンロー」はこのお椀のなかに鍋のスープを入れて、自分の好きな具合に味を加減して食べる料理なのです。最初は塩を少なめにあっさりと、後半は唐辛子を多めに刺激的に……など味変を自由に楽しめるのもポイント高し。

▲ 胡麻油はためらうくらいたっぷりと入れる! これがコツです。
おっと、最後に大切なポイントがありました。「ピエンロー」は出来上がりに胡麻油をタラ~リと垂らして仕上げる鍋。鍋を大きく一周するくらい、思い切って入れましょう。

▲ 胡麻油の香りが立ち、たまらなく食欲が湧いてきます。お酒を合わせるなら紹興酒が良いかと。
〆にはごはんを入れて雑炊にするという人も多いんですが、スープをたっぷりと吸った春雨の食べ応えがあり、これだけでお腹いっぱいに。冬の甘みのある白菜をたっぷりいただき、もうこれで思い残すことはありません。土鍋よ、しばしさようなら。まもなく、春の到来です。

▲ 酢やラー油など入れたくなるけど、結局シンプルに塩と一味がいちばんおいしい。

● 野本やすゆき (料理研究家)
東京・谷中で昭和初期から続く老舗寿司店「谷中 松寿司」に生まれ、現在、金・土・日曜のみ3代目として店を継承。“週末鮨屋”としても活動しつつ、わかりやすいレシピがTV、雑誌で人気の、いま注目の料理研究家のひとり。プロレス好き。
最近、YouTubeにて野本やすゆきチャンネルを開設。
食卓から春を先取り!
































