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2026.02.08

【第93回】 真冬の牡蠣のラーメン

年を越した今こそ美味しい「牡蠣」を堪能できるラーメンはどこに?

日本初の料理評論家、山本益博さんはいま、ラーメンが「美味しい革命」の渦中にあると言います。長らくB級グルメとして愛されてきたラーメンは、ミシュランも認める一流の料理へと変貌を遂げつつあります。新時代に向けて群雄割拠する街のラーメン店を巨匠自らが実食リポートする連載です。

BY :

文/山本益博
CREDIT :

写真/山本益博 編集/森本 泉(Web LEON)

日本初の料理評論家、山本益博さんが、B級グルメから一流の料理へと変貌を遂げつつある街のラーメンに注目し、自ら実食リポートする連載です。今回のテーマは真冬に美味しい牡蠣のラーメンについて!

牡蠣ラーメン ラーメン革命! 山本益博 LEON

実は、牡蠣は初冬より年を越したほうが美味しい

毎年、木枯らしが吹き始めると、恋しくなるのがおでんと牡蠣と言われてきた。季節が同じだから、牡蠣にはボージョレヌーヴォが合うと言った方もいらっしゃったが、実は、牡蠣は初冬より年を越したほうが美味しいことを教えてくださったのは、気仙沼の先、唐桑で牡蠣の養殖をしてきた畠山重篤さんだった。


2月頃、海面の水温より気温が低くなった日があると、海水が海中で逆転現象を起こし、プランクトンが掻き混ぜられて、牡蠣が一層美味しくなるのだという。


唐桑へ生牡蠣を注文し、殻付きの牡蠣が我が家へ届くと、半分は生牡蠣のまま白ワインといただき、残りの半分はフライにして食べた。


唐桑以前は、三重県的矢の牡蠣を愛でていた。的矢の佐藤養殖場の佐藤忠勇翁は東京下町出身で、真珠の養殖で一旗揚げようと移住したのだが、御木本翁に先を越され、牡蠣の養殖に転向した方で、無菌牡蠣を生み出した牡蠣博士として名を馳せた方だった。

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牡蠣ラーメン ラーメン革命! 山本益博 LEON

フランスではこの季節、ビストロ、ブラッスリーでは生牡蠣がメニューに載る。どの牡蠣もヨード香がたっぷりで、とりわけ小ぶりで丸みがあって平べったいブロンは、何個でも食べられ、うまいのなんの! 日本ではレストランが食中毒を恐れて、専門店以外では生牡蠣はほとんど姿を見せない。その代わり、洋食屋では、カキフライが大人気。

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日本の牡蠣はヨード香が足りない

ラーメン専門店ではいっときほどの勢いはなくなったが、いまでもときどき季節のラーメンとして「牡蠣ラーメン」のメニューを見ることがある。


懐かしいのは、常盤台にあった「Soupmen」の「牡蠣塩ラーメン」。ラーメンのスープに牡蠣のピューレがたっぷりと流され、牡蠣の香りがスープに溶けてゆくたび、これぞ真冬のご馳走と思ったものだった。

牡蠣ラーメン ラーメン革命! 山本益博 LEON

▲ 常盤台にあった「Soupmen」の「牡蠣塩ラーメン」。

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最近、探して出かけ行ったのが、新宿三丁目の「御山拉麺」の「超濃厚牡蠣白湯ラーメン」、鶏から取った濃厚なスープに牡蠣のピューレを流し、火を入れた牡蠣を添えてある。付け合わせは、青海苔と生の玉ねぎを刻んだもの。牡蠣と海苔の相性は悪くないが、玉ねぎは今一つ。玉ねぎより蕪のほうが相性はいいのではないかしらん、と思った。

牡蠣ラーメン ラーメン革命! 山本益博 LEON

▲ 新宿三丁目「御山拉麺」の「超濃厚牡蠣白湯ラーメン」 。

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最近、JR西荻窪駅構内にできた「よしかわ」でも、季節のラーメンとして「牡蠣のまぜそば」と「濃厚牡蠣そば」がメニューにある。「まぜそば」には小振りの牡蠣が添えてあるが、残念ながら牡蠣のうまみが乏しい。日本の牡蠣はヨード香が足りない。ヨードとはあのヨードチンキのヨードである。スコットランドのシングルモルトのウイスキーはヨード香がある。とりわけ「ラフロイグ」はヨード香たっぷりである。

牡蠣ラーメン ラーメン革命! 山本益博 LEON

▲ 西荻窪駅構内「よしかわ」の「牡蠣のまぜそば」 。

牡蠣ラーメン ラーメン革命! 山本益博 LEON

▲ 西荻窪駅構内「よしかわ」の「濃厚牡蠣そば」 。

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そこで、以前、生牡蠣にラフロイグを1、2滴落としていただいたところ、素晴らしく美味しかった。どこかの店でやってくれないもんかなぁ。


話は戻るが、カキフライ、あちこちの店で揚げているが、納得のいくカキフライはとても少ない。今まで食べた中で出色は小石川の洋食「フリッツ」のカキフライが、粒よりで香ばしく、いちばん印象に残っている。

牡蠣ラーメン ラーメン革命! 山本益博 LEON

▲ 小石川の洋食「フリッツ」のカキフライ。

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山本益博 Web LEON ラーメン革命!

● 山本益博(やまもと・ますひろ)

1948年、東京都生まれ。1972年早稲田大学卒業。卒論として書いた「桂文楽の世界」が『さよなら名人芸 桂文楽の世界』として出版され、評論家としての仕事をスタート。1982年『東京・味のグランプリ200』を出版し、以降、日本で初めての「料理評論家」として精力的に活動。著書に『グルマン』『山本益博のダイブル 東京横浜&近郊96-2001』『至福のすし 「すきやばし次郎」の職人芸術』『エル・ブリ 想像もつかない味』他多数。料理人とのコラボによるイヴェントも数多く企画。レストランの催事、食品の商品開発の仕事にも携わる。2001年には、フランス政府より、農事功労勲章(メリット・アグリコル)シュヴァリエを受勲。2014年には、農事功労章オフィシエを受勲。
HP/山本益博 料理評論家 Masuhiro Yamamoto Food Critique

山本益博 YouTube  MASUHIROのうまいのなんの!

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日本初の料理評論家、山本益博さんが、美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい! をテーマに、「食べる名人」を目指します。どうぞご覧ください!
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「山本益博のラーメン革命!」、他の記事はこちらから!
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