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2025.08.15

料理人と生産者の連帯が花開く——「コレージュ・キュリネール」がガラディナー開催

2025年7月、「ザ・リッツ・カールトン東京」にて、フランス料理界を牽引するシェフたちによる非営利団体「コレージュ・キュリネール(Collège Culinaire )」によるガラディナーが開催。フランスと日本、ふたつの食文化が交差し、料理人と生産者が「同じテーブルに着く」ことの価値を分かち合う——そんな晩餐から感じ取れた“言葉にならない”感動とは?

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文・編集/秋山 都(編集者・ライター)
コレージュ・キュリネール ガラディナー ダイナース WebLEON  リッツカールトン
▲ 25年7月3日「ザ・リッツ・カールトン東京」で行われた「コレージュ・キュリネール・デュ・ジャポン」主催のガラディナー。
気づけば日々使わないことのないクレジットカード。お財布を開けば誰しも1枚や2枚のカードはお持ちかと思いますが、そのクレジットカードにもさまざまな個性やユニークな出自があるとご存知でしたか? 例えば今年、創業から75周年を迎える「ダイナースクラブ」は世界で初めてつくられた多目的クレジットカード。

1950年、NYのとあるレストランで食事をしたビジネスマンが支払いの際に財布を忘れたことに気づき、恥ずかしい思いをしたことから「現金が無くても支払いができる仕組み」を思いついたのだとか。この彼、今で言う、イノベーターですよね。以来「ダイナースクラブ」はレストラン、それもガストロノミックな美食の世界と密接な関係を築いてきました。

その「ダイナースクラブ」からお誘いを受けたのは、「コレージュ・キュリネール」の理念を体現したガラディナー。世界的に著名なシェフ、アラン・デュカスが来日し、多くの料理人や生産者が一堂に会する貴重な機会です。華やかな一夜になりそうだと、ウキウキしながら参加してきました。
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料理人・生産者が手を携えてともに歩む理念を体現

「コレージュ・キュリネール」Dîner de Gala 2025 

コレージュ・キュリネール ガラディナー ダイナース WebLEON  リッツカールトン
▲ 開宴に先立ち、登壇したアラン・デュカスシェフ。「食材の裏にある人間の手、自然との共生、持続可能なガストロノミーこそ、私たちが未来へ渡すべき贈り物です」。
まずは「コレージュ・キュリネール」について説明しておきましょう。これは、2011年に世界的に著名なシェフたちによって設立された、フランス料理の価値と職人技の継承・普及を目的とする非営利団体。創設メンバーには、アラン・デュカス、ジョエル・ロブション、ミッシェル・ゲラール、ギィ・サヴォワ……そうそうたるフランス料理界の巨匠たちが名を連ねています。

その活動は、ディナー冒頭でスピーチに立ったアラン・デュカスシェフの言葉を借りるなら「フランスのガストロノミー文化を守りながら、持続可能な生産者との連携、独立レストランの支援、次世代シェフの育成に力を入れる」ことだそう。「生産者と料理人の連帯」をコンセプトにしながら、両者の直接的なつながりを重視し、真に高い品質とエシカルな食文化のあり方を追求しています。
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美食のオールスターズが大集合!

コレージュ・キュリネール ガラディナー ダイナース WebLEON  リッツカールトン
▲ ガラディナーの料理を手掛けたのは、アラン・デュカスさんと並ぶサンドロ・ガンバさん(「ザ・リッツ・カールトン東京」総料理長)。
2025年7月3日、「ザ・リッツ・カールトン東京」で行われたガラディナーには同団体に賛同する国内外の料理人・生産者・食の専門家が集合。その顔ぶれを見渡すと、三國清三さん(オテル・ドゥ・ミクニ)や、村田吉弘さん(菊乃井)、徳岡邦夫さん(京都吉兆)、辻口博啓さん(モンサンクレール)など、一流シェフが和洋のジャンルを超えて勢ぞろい。豊かな食文化の再確認と、未来への展望を共有する貴重な機会となりました。

「つくる人」を囲むことの意味

ディナーでは日本の旬の食材を用いた洗練されたコース料理が供され、それぞれの皿には食材の物語と作り手の哲学が込められていました。テーブルには料理人や食材の生産者も一緒に着席するので、単に料理を食べるだけではなく、「持続可能性」「ローカルとの共創」「文化的多様性」といったテーマに対するディスカッションが自然と交わされるのも、このガラディナーならではの魅力です。
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コレージュ・キュリネール ガラディナー ダイナース WebLEON  リッツカールトン
▲ 食材の生産者たちと乾杯するアラン・デュカスさん。
「食材に感謝を」——とは、よく聞くフレーズですが、その背景には数えきれない試行錯誤や自然とのせめぎ合いがあるのだ、と実感させられました。料理は、その苦労に光を当て、舌に乗せ、心を動かすことでリスペクトを伝える手段でもあります。「コレージュ・キュリネール」が掲げる「料理人と生産者の連帯」とは、決して理想論ではなく、こうした“具体”の積み重ねなのだと、実感させられる場でした。普段、言葉を手段として表現活動をしている筆者ですが、言葉にせずとも伝わる芸術はなんと力強く、洗練されていることか。ちょっぴり打ちのめされた気分です……。
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日本とフランス、次なる交差へ

この夜、東京で交わされたお皿と会話の数々は、文化としてのフランス料理を再確認させてくれる機会でもありました。高級食材や技巧の誇示ではなく、地域の自然と人をどう一皿に昇華するか——その点において、フランス料理と日本料理は深く共鳴しているように思います。

フランス料理の世界と密接な関係を築いている「ダイナースクラブ」は、全国のフレンチレストランが参加する国内最大級のフランス料理の祭典「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」に今年も協賛。今年で15回目というアニバーサリーイヤーには全国各地から500店以上が参加し、特別価格でオリジナルのコース料理を提供してくれます。普段は気おくれしてしまいそうな、敷居の高いあの店やこのレストランに気軽に入れるチャンス。この秋はフランスの美食を日本で体験してみませんか? 

ダイナース クラブ フランス レストランウィーク2025

開催期間/2025年9月20日(土)~10月20日(月)
開催場所/全国の参加フレンチレストラン500店以上
[コースメニュー:前菜、メイン、デザート、食後の飲み物を 、ランチ、ディナーともに 3000円 / 6000円 / 1万円の いずれかの価格で提供。
※価格と内容は各レストランによって異なります。
※すべて税・サービス料込み。
公式サイト https://francerestaurantweek.com/

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秋山 都(編集者・ライター)
東京生まれ。 富裕層向けライフスタイル誌「セブンシーズ」、「Harper’s BAZAAR日本版」、「東京カレンダー」誌で編集長を歴任。 アマゾン・ジャパンでファッション・エディトリアル・ディレクターを務めたのちに独立。「WebLEON」では食いしん坊担当として、食・酒・旅など人生の快楽的側面を追求しております。好物はハイボールとタルタルステーキ。趣味はハシゴ酒。

今週末はフランス料理の気分でしょ?

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