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2019.07.17

いま東京でもっとも「香港」を感じられるのは錦糸町だった⁉

「South Lab 南方」はギョーカイきっての香港通と言われる写真家、菊地和男さんがプロデュースしたお店。香港に行ったつもりで錦糸町、日本にいながらにして小さな旅をお楽しみください。

CREDIT :

文/秋山 都 写真/菊地和男

毎回、旬のレストランや話題の新店をご紹介していく連載「美食のネタ帖」。
「なんか面白い店ないかなぁ」「最近どこか行った?」と聞かれることが多いLEON.JP食いしん坊担当が、ガチでおすすめなお店やネタを紹介いたします。
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その、第23回のお題は錦糸町にこの6月4日にオープンした「SOUTH LAB南方(みなかた)」。いま、日本でもっとも「香港」を感じることのできるスポットです。

最近でこそ、ちょっと近所の国へ美味しいものを食べにいくのは「台湾」であり「韓国」ですが、ちょっと前までは「香港」だったんです。いや、今も、かな。そもそも土地が狭く、住宅事情の悪い香港では、家でもあまり料理をせず、みな外食で済ませるのだとか。また、ご存知のように英国に統治されていた時代があったことから、中国本来の広東料理がヨーロッパの影響を受け、洗練されていったのも、美食都市香港ができあがった一因だといえるでしょう。

私が香港の美食と最初に出会ったのはマンガ「美味しんぼ」の中でした。名店「福臨門酒家」の「魚の清蒸」が表紙に描かれた第11巻では、雪蛤というカエルの脇腹の脂肪(!)なんて珍しい食材も登場し、俗にいう「空を飛ぶものは飛行機以外、四本の脚を持つものは机以外なんでも食べる」食習慣はどうやら本当なのではないか、と恐れおののいたものでした。のちに、この「空を飛ぶものは~」は広州の言い伝えであり、厳密には香港でないと知り、ほっとしたことも書き添えておきます。
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本業はフォトグラファーの菊地和男さん。香港のグルメほか中国茶やワインに造詣が深い。
そんなこんなで香港にはどうやら美味しいものがあるらしいと日本で話題となった80年代、香港通として知られていた人のひとりがこの方、菊地和男さんです。学生時代に香港を訪れ、渡航回数は約200回、通算滞在日数は1200日超、香港に関する著作も多数という菊地大兄がこのほど、錦糸町にお店をプロデュースしたと聞き、さっそく行ってまいりました。そして写真も撮っていただいちゃった。なぜなら菊地大兄のご本業はフォトグラファーだから。多くの写真集も手掛けています。
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SOUTH LAB 南方

「サウスラボみなかた」と読むこのお店。そのココロは、菊地さんの得意とする香港料理と、その大元である広州料理から派生した潮州料理、さらには中国からの移民が多く住むマレーシア、タイ、カンボジアやラオスなどの“南方”料理のエッセンスを取り入れていることから。ゆえに、メニューには正統派香港の美食とともに、ガパオやパクチーサラダなど、エスニックな趣の料理も並んでいます。
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「SOUTH LAB南方」のスペシャリテともいえる「脆皮炸子鶏(クリスピーチキン)」1羽9500円、半羽4800円。3日前までに要予約。
ここで必ずオーダーいただきたいのが、「脆皮炸子鶏(クリスピーチキン)」。鶏のなかでも脚が短いロンコンカイ種を、茹で、一晩風干しにし、低温の油を何度も回しかけて揚げていくのは非常に手間がかかるため、3日前までにオーダーが必要という難物ですが、チャレンジし甲斐のあるおいしさ。
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なかでもこの肩の部分のうまさといったら!皮が美味しいフライドチキンは他にも多くありますが、肉がこれほど滋味深いのにはなかなか出会えません。
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ほかのお料理もご紹介してまいりましょう。まずは思わずごはんが欲しくなるふた皿。
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「清蒸石斑」(魚の姿蒸し)7000円。
「清蒸石斑」(魚の姿蒸し)は、あの懐かしの「美味しんぼ」表紙に載っていたお料理ではありませんか。ハタをネギ、生姜とともに蒸して、最後に熱々のネギ油をジャ~ッとかけまわすこのお料理は、魚のまわりのソースをごはんにかけたくなります。
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「咸魚肉餅(塩漬魚と蒸しハンバーグ)」1800円。
そしてこの咸魚肉餅(ハムユイヨッペンと読みます)は、おそらくいま日本で食べられるのはここだけ。香港ではたいへんメジャーな咸魚(ハムユイ=塩辛くつけた魚の干物)をハンバーグとともに蒸したお料理。これまたごはんと相性抜群です。
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香港から取り寄せている咸魚(ハムユイ)。こんな立派なものにはなかなかお目にかかれません。
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先日、本コラムを愛読しているという方から「野菜はあんまり食べないんですか?」と聞かれたので、「そんなことない、野菜も(少しだけど)食べてます」と証明するためにもこちらをご紹介しておきます。菊地さんが携わっている農園(千葉県)で栽培されているパクチーは根っこから食べられ、身体にいいもの食べてるな~と細胞が喜ぶおいしさ。
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南方香菜沙律(パクチーサラダ)800円。
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南方荷葉飯1600円。
最後は焼きそばと悩みましたが、この日は蓮の葉に包んだちまきごはんを。鶏、鴨、シイタケ、タケノコ、貝柱の旨味がたっぷりしみたごはんは冷めても美味。すでにお腹いっぱいなのに、ひと口、もうひと口と箸が止まりません
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ワインはボトル4000円~、グラス900円~。
そしてこの「SOUTH LAB南方」はワインのセレクションも素晴らしいのでした。お料理に合わせて各種ペアリングもできるので、まずはご相談ください。

香港に行ったつもりで錦糸町、「SOUTH LAB南方」は小さなグルメツアーを味わえるお店です。
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◆ SOUTH LAB 南方

住所/東京都墨田区錦糸3-7-3 オフィスナカジマビル 1F
予約・問い合わせ/03-6658-5299
営業時間/火~金18:00~22:00、土12:00~22:00、日12:00~21:00
定休/月曜
夏季休業/8月19日~22日
*JR「錦糸町」駅から徒歩3分
*コース料理は6500円、8000円、1万円の3種。

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