• TOP
  • GOURMET
  • 蕎麦粉十割のガレットをつまみにシードルをぐびり。浅草で話題のニューオープン。

2019.06.18

蕎麦粉十割のガレットをつまみにシードルをぐびり。浅草で話題のニューオープン。

浅草にオープンした1軒のワインバー。でも飲めるのはワインじゃなくてシードル。つまみはガレット。え、シードルって? ガレットってなに??

CREDIT :

文/秋山 都  写真/吉澤健太

毎回、旬のレストランや話題の新店をご紹介していく連載「美食のネタ帖」。「なんか面白い店ないかなぁ」「最近どこか行った?」と聞かれることが多いLEON.JP食いしん坊担当がガチでおすすめなお店やネタを紹介いたします。
null
その、第22回のお題は浅草のワインバー「フルール・ド・サラザン」。いま、便宜的にワインバーという言葉を使いましたが、実はここにワインはありません。あるのは主にシードル。そしてつまみはガレットです。え、シードルってなに? ガレットってなに? と慌てるアナタ。大丈夫です。まだ間に合います。

まず、シードルとはなにか? フランス語でCidre、英語でCiderと書くことからサイダーとよく勘違いされがちですが、キリ●レモ●やラムネとは無関係です。シードルとはリンゴを発酵させてつくられる、いわばリンゴのワイン。その多くがシュワシュワと発泡性で、アルコール度は10%以下と軽いので、昼間でもサクッと飲めるおいしさです。
null
シードルは国産を中心に30種ほど。グラスでも週替わりで5種が楽しめる「フルール・ド・サラザン」。
主な産地はフランスでリンゴの産地であるブルターニュ地方とノルマンディー地方。近年は日本のリンゴ農園がこのシードルを醸すことも多く、日本でも国産のシードルが多く手に入るようになりました。
PAGE 2

● フルール・ド・サラザン / 東京・浅草

さきほど、仏産シードルの主な産地はブルターニュ地方と書きましたが、このブルターニュにあって、もうひとつの名産は「蕎麦」。少し意外な感じがしませんか? 蕎麦といえば、蕎麦猪口に辛いおつゆを少しだけ入れてスルスルとたぐる粋な日本の食べ物と思ってましたが、意外にもフランスでも愛されているのですね。

この蕎麦を「フルール・ド・サラザン」ではどう食べるのか。答えがこちら。
このように蕎麦粉を水と塩でのばした生地を薄く焼いていくのがガレット。「クレープに似てる。ってか、これクレープじゃないの?」と思ったアナタ、正解です。実はガレットとクレープ、呼び名の違いだけで大差はありません。とはいうものの、日本では、蕎麦粉で焼くものをガレット、小麦粉で焼くものをクレープと呼び分けていることが多いよう。
null
「千葉三元豚バラ肉 タマゴ チーズ オニオンシードルコンフィ」のガレット1450円。そばつゆ風味の出汁をつけて召し上がれ。
このガレットはハムやチーズを入れるおかずバージョンと、砂糖やハチミツで甘くするスイーツバージョンの2種があり、「フルール・ド・サラザン」では前者を“黒ガレット”、後者を“白ガレット”と呼び分け、それぞれ10種以上オンメニューしています。
null
蕎麦は毎日使う分だけ石臼で皮ごと挽きます。
そしてここで使われる蕎麦粉はすべて国産。生産者から直接仕入れたものを店内で毎日、使う分だけを自家製粉しています。皮ごと挽く“挽きぐるみ”はつまり全粒粉で、より香り高く、かつ栄養素もあますところなく摂れるのが長所。日本のガレットを供するお店で、自家製粉しているお店なんて他にはないでしょう。これはシェフがかなりのヘンタ……いえ、変り者に違いありません。
PAGE 3
null
オーナーシェフの玉越幸雄さん、サービスを担当する奥さまの友香さん。
シェフの玉越幸雄さんはガレットの有名店に10年(内5年は本場フランス)勤め、「蕎麦をもっと極めたい」と神田の有名蕎麦店でも修業を重ねた蕎麦のヘンタ……いえ、エキスパート。実家が寿司店だったこともあり、フランスの食文化であるガレットを、日本の食材とアレンジで構築したのが今のスタイルなのだそうです。
null
蕎麦粉のうまさをシンプルに味わえる黒ガレット「海藻バター」600円。海藻バターも自家製。
null
控えめな甘さがクセになる白ガレットから「クリームチーズ 三ヶ日みかん ハチミツ」にミルクアイスをそえて950円。
ガレットに使われているのは蕎麦粉のみ。つまりグルテンフリーなのは、ダイエットを気にする女子にもウケが良さそうです。デートにも、家族との軽い食事にも、いろいろ使えそうですが、私としてはひとり飲みをおすすめしたい。と、いうのも、蕎麦を使ったさまざまなおつまみも充実しているから。
PAGE 4
null
蕎麦のさまざまな食感を楽しめるポテサラザン650円。
null
蕎麦チップス(480円)はそば味噌をつけて。
ほかにも愛知県産あいち鴨のリエット、タタキなどガッツリ系つまみもそろっており、これで数杯飲んでからガレットで〆る、なんてまるで蕎麦屋のような使い方ができるのが楽しい。「浅草に来たけど、すき焼きや居酒屋の気分じゃないんだよね」なんてときに、ぜひ思い出していただきたい1軒です。
null

◆ フルール・ド・サラザン

住所/東京都台東区 西浅草2-14-2 インパレス1-1F
予約・問い合わせ/03-6876-1851
営業時間/11:45~14:00(L.O.)、17:45~22:00(L.O.)
定休日/不定休
*東京メトロ銀座線「田原町」より徒歩5分。「浅草」駅から歩いても10分ほど。
*平日ランチ1,350円~、土・日・祝日ランチ2.480円~

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        蕎麦粉十割のガレットをつまみにシードルをぐびり。浅草で話題のニューオープン。 | グルメ | LEON レオン オフィシャルWebサイト