2019.04.03

vol.93「ハンガリーワインダイニングアズフィノム」

国宝の豚が食べられる!? 本格ハンガリー料理店が、デートに使えるワケ

馴染みの少ない国の料理には、つい女性は関心を引かれてしまうもの。ハンガリー料理店「アズフィノム」なら、日本人の口に合う本格キュイジーヌとワインで、最高のデートを楽しめますよ!

CREDIT :: 写真／牧田健太郎

本誌LEONでYULI*YULIとして16年間にわたり、あらゆるジャンルのレストラン＆バーを取材してまいりました“デート・コンシェルジュ”(略してデーコン)こと、渡辺ゆり子が、本当にデートで使えるお店の選び方をわかりやすく御指南します！

ハンガリー政府も太鼓判を押す！
日本初の本格ハンガリー料理店

世界中の料理の専門店が集結するグルメ都市、東京。フレンチ、イタリアン、中国料理といった普段からなじみのあるレストランはもちろん、珍しいインターナショナル・キュイジーヌは、それ以上に女性の関心を引き寄せられます。今回はそんな、みなさんが訪れる機会が少ない国のひとつ、ハンガリーの料理店をご紹介しましょう。

実はハンガリーは、東ヨーロッパのなかでも随一、食文化が豊かな国。コチラの「アズフィノム」は、ハンガリー政府の依頼により、美味しいハンガリー料理を日本へ広めるべくオープンした日本初の本格派ハンガリーレストランなのです。

場所は地下鉄銀座線・外苑前駅より、およそ徒歩10分。閑静な住宅街に立つビルの地下1階にあります。店内はハンガリーから取り寄せた調度品がそこここにあり、シックで落ち着いた雰囲気。

PAGE 2

見事な手刺繍、プチポワンのタペストリーが飾られていたり、メインダイニングには、ハンガリーの民族打弦楽器・ツィンバロンが置かれていたり。個室に飾られているのは、ハンガリーの高級陶磁器ブランドの「ジョルナイ」の食器類。お料理はすべてこのお皿に盛り付けられてサーブされます。

また、入り口付近の棚にはハンガリーのハチミツやワインなどが並べられており、購入も可能。本国のVIPも訪れる「アズフィノム」は、レストランの枠を越えた文化交流の場としての役割も担っているんです。

/ 4

PAGE 3

「アズフィノム」のお料理をご紹介する前に、豆知識をひとつ。ハンガリー料理にはパプリカが欠かせませんが、実は世界で初めて発見されたビタミンCは、このパプリカに含まれるもの。ハンガリー出身の生理学者、アルベルト・セント・ジョルジュ博士は、この功績により、1937年にノーベル生理学医学賞を受賞したんです!

まずは国民食、具だくさんの「グヤーシュスープ」をどうぞ！パプリカの深い赤い色に食欲がそそられます。牛肉をパプリカパウダーで7時間かけて煮込み、注文が入ってからジャガイモとニンジンを入れてさらに煮込み、仕上げます。さまざまな具材の旨味が染み出た優しい味。

そして、ロールキャベツ。日本でおなじみのものとの違いは、中に米が入っている点と、形が俵型ではなくパプリカのような形であること。サワークリームを混ぜていただきます。ハンガリーでも家庭料理として親しまれていますが、結婚式やクリスマスには欠かせないメニューです。

PAGE 4

近頃、知名度が俄然上がってきている「マンガリッツァ」。“ハンガリーの食べられる国宝”の異名をもつ豚肉です。ヘルシーで消化にも良いお肉を、脂身も含めてオリジナルのデミグラスソースで、しっかりと味わってみてください。

こちら、ワインダイニングというだけあって、ハンガリーのワインが80種ほど取り揃えられています。なかでもトカイ貴腐ワインは世界三大貴腐ワインのひとつ。左から「キッシュ・イシュトヴァーン　トカイ・アスー５プットニョシュ 2017
」、「プクルシュ　トカイ・アスー５プットニョシュ 2013」。そして、最上級の「グンデル　トカイ・アスー・エッセンシア 1983」。どれも希少です。食後のお楽しみにどうぞ。

PAGE 5

シェフはもちろん、ハンガリー出身。現在は、4代目料理長ジュリナ・ジョルジュ氏が調理場に立ちます。実はナショナルチームに選出されたほどの空手の達人でもあるんです。ハンガリー刺繍が際立つ黒いコックコートがお洒落ですね!

ビタミンCたっぷりのパプリカを使ったグヤーシュスープ、日本のものとは異なるロールキャベツなどを、ハンガリーとの国交150周年という記念すべき年に、ぜひ試してみてくださいね。デートのお誘いフレーズは、「国宝の豚、食べに行かない？」でキマリ!

■ AZ Finom （アズフィノム）

住所／東京都渋谷区神宮前 2-19-5 AZUMAビル B1
営業時間／ランチ12:00〜14:00（L.O.）、ディナー18:00〜21:00（L.O.）
定休／月・日曜、祝日

予約・お問い合わせ／☎︎ 03-5913-8073

● 渡辺ゆり子

食、シャンパーニュ、花、インテリアと多岐のジャンルが活動のフィールド。2003年、国際アートフラワーコンクール優勝。2010年、シュバリエ・ド・シャンパーニュ叙勲。本誌LEONの「オヤジのトキメキダイニング」でも長期連載中。2018年7月７日に、自身のバー「Champagne Bar LILI-LA-YULI」が11周年を迎えた。