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2018.11.26

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なぜ「ベルルッティ」は富裕層に支持され続けるのか(前編)

お洒落に一家言ある富裕層に圧倒的な支持を受けるブランド「ベルルッティ」。ブランドロゴを主張するわけでも、派手なプロモーションを打つわけでもないのに、長く愛される理由はどこにあるのか。前編・後編の2部にわたって検証します。

一般人は知らない?超高級ブランドの代名詞

知らない人はその存在すら知らないのに、知っている人が見ればひと目でわかる。
一般に認知されるよりも、一流と呼ばれる人やそのコミュニティに属している人たちに強く支持されることをよしとするブランドがあります。

これらのブランドは当然のようにあるセグメントされたターゲットを対象としていて、そのコミュニケーション方法は一般的なブランドが行うマーケティング手法とは違った独自のものである場合が多いものです。

その代表例が「ベルルッティ」。
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これは近頃発表されたフェラーリのアイコンシリーズ、SP1/2のオーナーのためだけに制作されたドライビングシューズシリーズ。
ファッションに関心のある富裕層をはじめ、LEONのような雑誌を購読されている方にとって「ベルルッティ」は超高級ブランドの代名詞としてよく知られた存在です。

ロゴではなく、伝統の技法と意匠でブランドを主張

ブランドロゴは、そのブランドを支持し、それを手に入れられる環境にいることを意味する重要なサイン。しかも現在のファッショントレンドはご存知のようにブランドロゴを全面に押し出した、ポップでストリートなデザインです。
しかし「ベルルッティ」の人気アイテムにつくブランドロゴは実に控えめ、“知らない人”にはそれを視認するのは困難に思われます。つまり、「ベルルッティ」は“みんながわかる”よりも“自分と同じようにわかる”方が時に高いバリューを感じる、そんな心理を見事に実践してくれているブランドとも言えるのです。
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控えめなロゴながら、ヴェネチアレザーとパティーヌによる陰影がひと目で”わかる人にはわかる”意匠
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では、「ベルルッティ」はどこでブランドを主張しているか。まずは「ベルルッティ」の見分け方から追っていきましょう。
以下で紹介する意匠をもった代表的シューズやバッグ、それに沿った小物を持っている人を見かけたら、まず間違いなくその人は何かしらの成功者かつ洒落者です。

「ベルルッティ」を知る2つの意匠

「ベルルッティ」を見分けるためには独自の製法で鞣された「ヴェネチアレザー」に施されるパティーヌとスクリットという技法を知ることが基本です。これらは“知る人ぞ知る”技法ながら、知ってしまえば誰が見ても一目瞭然でしょう。この意匠こそが“選ばれし者”の証なのです。
写真を見ていただいてわかる通り、このレザーに施された陰影がパティーヌ。これは60年代に、4代目当主のオルガ・ベルルッティ(通称:マダム・オルガ)によって考案された染色技法。まだメンズシューズの90%が黒で、残り10%が茶だった時代、グリーン、グレー、イエローなどカラフルなシューズがいかにアバンギャルドな存在だったかは想像いただけるはず。(※既成靴へのサービス開始は1993年)
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グリーンのパティーヌとスクリットの組み合わせ。ロゴがなくとも、これほどブランドを主張する意匠はないでしょう
さらに、スクリットと呼ばれるカリグラフィーも人気。18世紀の手書きの原稿からインスパイアされたというこの意匠はパティーヌと合わせて「ベルルッティ」とひと目でわかる仕様でしょう。
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柔らかく、軽い、ヴェレチアレザーに施されたクラシカルな文字(カリグラフィー)がスクリットの証。さらに味わいのある陰影はパティーヌによるもの

世界のセレブリティが愛したブランド

パティーヌのような技法に代表されるように「ベルルッティ」はアバンギャルドな表現方法でそのアイデンティティを確立してきたブランドです。それゆえに時のアーティストやクリエイターからの支持が熱く、その顔ぶれも実に多彩。
ジャン・コクトー、エディット・ピアフ、フランソワ・トリュフォー、イヴ・サンローラン、ロマン・ポランスキー、ケネディ一族……、「ベルルッティ」の顧客には世界史に登場するセレブリティが名を連ねます。
そんな中から生まれたのが、パティーヌやスクリットを施した人気モデルの存在です。
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究極のシンプルデザインと、天才のためのデザインの2足

「アレッサンドロ」と名付けられたこのモデルは、その名の通り「ベルルッティ」の創立者であるアレッサンドロ・ベルルッティによって作られ、現在もほぼ同様の形でリリースされています。その特徴は一枚革で作られ、表面にはステッチがなく、デザインの要素となるのはたった3つのアイレット(靴紐を通す穴)のみ、という究極にシンプルなルックス。結果「アレッサンドロ」は世紀を越え、スーツからデニムまで、あらゆるトレンドやファッションともシンクロし、タイムレスな存在として今なお人気のモデルとなっています。
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サイドからのシルエットを見てもどこにもステッチがないことがわかる。この究極にシンプルなルックスは、だから時代を超えてモードであり続けている
4代目当主として「ベルルッティ」を世界的メゾンブランドへと飛躍させたのが前述のマダム・オルガ。足の生理学や構造学を学びつつ、当時のパリを舞台に活躍したアーティストたちからの信奉も熱かったオルガが、アンディー・ウォーホルのために作ったのが「アンディ」です。「アンディ」はその時代毎にその時々のトレンドを吸収しながらも、「アレッサンドロ」同様に同ブランドを代表する一足となっています。
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アンディ・ウォーホルのために作られた『アンディ』。実は使用したレザーに血管跡が残っていたことをオルガがウォーホルに詫びると、「これからは傷のある革しか履かない」と言ったのは有名なエピソード

選ばれた者だけが持っているブリーフケース

ブリーフケースというと、お堅いビジネスマンの書類入れというイメージをもっている方も多いでしょうし、実際それは概ね正しい。が、「ベルルッティ」の手によるブリーフケースとなると話は別。隣に座ったビジネスマンがもし、このバッグを持っていたら、只者ではありませんね、きっと。
ここで紹介するブリーフケース「アンジュール」と「ドゥジュール」はオフセットされたフロントのジップ付きチケットポケットがデザインのポイント。さらに、見た目に反して非常に軽量で、このあたりもエグゼクティブに人気の理由だそう。この最小限に抑えられたデザインをもつバッグは2005年に登場(アンジュールは2007年)以来「ベルルッティ」の定番的人気モデルとなっています。
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シンプルなデザインにもかかわらず、高級感が漂うのは上質なレザーと奥行き感あるパティーヌのおかげ。このバッグを見かけたら、その方はきっと一角の人のはず
もちろん素材は独自のレシピで鞣された「ベルルッティ」の専用皮革である「ヴェネチアレザー」を使用。そこにパティーヌを施したモデル、さらにスクリットが加えられたモデルとバリエーションが広がります。
このように「ベルルッティ」は“わかる人にはわかる”意匠とモデルで構成されるメゾン・ブランド。ですが、富裕層に支持される理由はそれだけに留まりません。
そこにはさらに「サロン」と呼ばれるショップを軸にした独自のコミュニティと、限定性を高めるためのサービスがあるのです。
そのあたりは「なぜベルルッティは富裕層に支持され続けるのか〜後編」に続きます。

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