2021.11.16
達人が伝授。秋冬の大人な着こなし【スタイリスト四方章敬編】
この秋冬シーズンにお洒落と言われるのは一体どんなスタイル? そこで、コーディネート作りのプロフェッショナルに、今、本当に気になるスタイルを聞いてみました。リアルで小粋な装いテクニックは、参考になること確実です。
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写真/多田 悟(Rooster) 構成・文/長谷川 剛(TRS)
ヴィンテージ・ミックスでドレススタイルを軽妙に


「このニットジャケットは、リング東京が高円寺の古着ショップ、サファリとタッグを組んで開いたポップアップショップにて手に入れたもの。正直、僕はあまり古着シーンのことは詳しくないのですが、店頭で見ていて、普段自分が着ているドレスアイテムと合わせたら面白くなりそうと考え、直感で買ってしまいました(笑)。当初のアイデアとしてはスーツなどに合わせたかったのですが、実は少々着丈が短く、そのままジャケット替わりに着て楽しんでいます」
ポイントはやはり、ドレス感のあるアイテムとのコーディネート。古着のニットジャケットにデイリーなスウェットやチノパンツなどの合わせでは、平凡なアメカジ・スタイルになってしまうので注意が必要だと四方さんは指摘します。

このジャケットは非常にカラフルですが、伝統的なエスニック柄なので、こういったドレススタイルにも違和感なくマッチします。メリハリを付ける脇役として時計の存在も見逃せません。
70年代のヴィンテージロレックスは、ドレスの要素とこなれ感も併せ持つ、適度な一本だと言えるでしょう」

スーツスタイルが高感度にこなれて見える!

そんなお気に入りの一着をカジュアルに着こなす方法のひとつが、ヴィンテージ・ミックスの装い方だと四方さん。こちらも古着にて手に入れたカレッジ調のトレーナーがポイントとなっています。

肩肘張らずざっくばらんに着こなしていますが、グレーのフラノスーツとのマッチングも非常に考えられたルックスとなっています。
「着こなしのポイントは白Tを内側にカマすことでしょうか。往々にしてヴィンテージのトレーナーなどはネックがユルくなっています。リブのしっかりしたTシャツを着込むことで、崩れすぎなルックスになることが防げます。また、トレーナーの裾からTシャツを僅かにのぞかせることで、腰元にもカジュアルなアクセントを添えることが可能です」

「ヴィンテージのトレーナーを取り入れるような着こなしは、ある意味ハズしたスタイルです。そんな装いにはマフラーもヌケた感じで巻くのがベスト。カレッジトレーナーよろしく学生風にサッと巻くくらいがハマるように思います」

● 四方章敬 (スタイリスト)
1982年、京都府生まれ。スタイリスト武内雅英氏に師事し、2010年に独立。ドレスファッションに精通し、LEONをはじめ多くのメンズファッション誌からオファーを受けるトップクリエイター。最近はショップやブランドのアイテムプロデュースを手掛けるなど、活躍の幅を広げている。