大人の着こなしを格上げする、小物「３種の神器」って？

キメすぎでもルーズでもない、ほどよいユルさと艶（＝上品さ）を併せ持った“ほどユル艶あり”なスタイル。それこそが、イマドキで好感度の高い「シン大人カジュアル」です。

では、それをどう体現するか？　あらゆる視点から考えてみました。

昨今はゆったりめのサイジングが主流ということもあり、“ほどユル”な装いは、たやすく演出できます。とはいえ、シン大人カジュアルは、そこに艶（＝品格やドレッシーさ）を足さなければなりません。

実は、それが一番難しいという人が多いのも事実。では、どうするかといいますと、効果テキメンの小物を有効に使うのが手っ取り早くてオススメです。

今回は、靴、バッグ、サングラスという王道の３小物を“三種の神器”としてクローズアップしてみました。イマドキのちょいユルっとした大人カジュアルにそれらを盛ったときの効果を、実例を交えて解説します。

“三種の神器”がもたらす絶大なる威力を確認したら、まずは１アイテムからでも実践あれ！

ゆとりのあるボックスシルエットにたっぷりとした袖、肩は当然ドロップショルダー……。イマドキのお手本となるブルゾンを着た装いです。これはこれでイイのですが、好感度を上げる工夫がまだ不十分です。時計を盛ったくらいではやっぱり、艶が足りないのです。これでは味気ないばかりか、イマイチ大人の品格や洒落感を担保することができません……。

今回は、三種の神器のお手本としてこれらをチョイスしました。確固たる主張＆艶がありながら大人カジュアルにさらりと馴染むあたりが、神器の神器たる由縁。以下、各々の効能とポイントを解説していきましょう。

サングラスの定番の１つであるティアドロップ型のサングラスは、個性の強さから躊躇しがちですが、掛けるだけで大人っぽさを醸せるとともに、どのサングラスよりも効果的に艶を足すことができます。

その理由は、レンズの面積の大きさと曲線を描く特徴的なフォルムにあります。フレームにゴールドやコパー系カラーをチョイスすれば、シルエットが際立つサングラスだけに、フレームの艶やかな印象がしっかりアピールできます。それでいて、頬骨を隠すレンズは、ワイルドなだけではなく顔をスッキリと見せる効果もあるのです。

こちらのアイヴァン 7285の一本は、自然に顔のラインへ沿う浅めの２カーブと、トップリムにさりげなく入った溝が特徴。それゆえ、無骨さ控えめの品のいいルックスが際立って、使い勝手も申し分ありません。

ラグジュアリーな趣満点のクロコ鞄は、持つだけで艶足しの効果も絶大。トートならカジュアルにも合わせやすいですし、ユルい装いに艶を盛るキーアイテムとして持ってこいです。写真のトートは、希少性の高いナイルクロコダイルを主素材に用いたもの。

その竹斑の美しさは、見る人のハートを一瞬で奪うポテンシャルを秘めています。半ツヤ仕上げでギラギラ感が抑えられているのも、品よく見えるポイントといえましょう。

数ある革靴の中でも、カジュアルスタイルの艶足しにもってこいなのがビット付きのローファー。ほどユルな革靴の代表格たるローファーがベースとあって、カジュアルにも違和感なく馴染み、無理なく艶を盛ることができます。

写真はイタリアの本格派、エンツォ・ボナフェの一足。キメ細かなカーフレザーに浮かぶ透明感のある艶は、まさしく神器と呼ぶに相応しい美しさ。マットな輝きのホースビットが、合わせやすさを後押しします。

三種盛りすればご覧の通り。“ほどユル”のイマドキなテイストに、無駄なく無理なく艶が足されております。さらに艶と艶の相乗効果で、装いに統一感が生まれているのも洒落感のポイント。靴と鞄はともに黒を選ぶと、さらにスマートに装えるうえ、着回しも可能ですから便利です。

というわけで、三種の神器さえあれば、“ほどユル艶あり”のシン大人カジュアルを装うのは容易になることが、お分かりいただけましたでしょうか？　まずは、神器を買い足すところからトライを！