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2020.12.08

どこまで知ってる? ルイ・ヴィトンの素材の秘密

現在、世界中で知られているルイ・ヴィトンのバッグや革小物。ほんのひと目でソレとわかるのは、”モノグラム”や”ダミエ”などのモチーフや、”エピ”、”タイガ”などのレザーを含むさまざまな素材がメゾンをしっかり表現しているためでしょう。これは実に画期的な発明です。そんなルイ・ヴィトンのアイコニックな素材について解説します。

CREDIT :

文/椎名 寛

1854年、パリに旅行鞄専門店として創業したルイ・ヴィトン。“旅”というコンセプトを軸にしながら、今やバッグだけに留まらず、洋服や靴、時計、インテリアまで、ライフスタイルそのものを提案するハイエンドなメゾンとして世界を席巻しています。そんなグランメゾンのルーツともいえる、バッグや財布には一体どんな素材が使われているのでしょう。代表的な素材と、その素材を使用した名品とともに詳しくみていきましょう。

どこまでご存知ですか? ルイ・ヴィトンの素材の秘密

1854年の創業以来、世界中で知らない人はいないほど、多くの人々から愛されてきたルイ・ヴィトンの革小物。”ダミエ”、”モノグラム”など、ライン名やアイコンは知っていても、各ラインの素材については、知らない人が多いのではないでしょうか。長い歴史の中で、時代や流行に合わせてさまざまなラインが生み出され、素材の種類も多岐に渡ります。女性とのお買い物デートの際に、軽くウンチクを語れたら場も盛り上がるでしょう。素材が変われば見映えも変わる、そんなルイ・ヴィトンの素材の魅力を再発見ください。
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由緒ある市松模様といえば?

ルイ・ヴィトンのなかでも、”モノグラム”と双璧をなす人気の”ダミエ”。実は、”モノグラム”よりも歴史が古く、1888年に誕生しました。一度目にしたら忘れられないグラフィカルな模様は、誰もが知っている定番パターンで、その落ち着いた印象は男女問わず圧倒的な人気。お馴染みのダミエ・キャンバスをはじめ、明るく華やかなダミエ・アズール キャンバス、シックなカラーリングで人気のダミエ・グラファイト キャンバスなど、素材の魅力を解説します。

1) ダミエ・キャンバス
ベージュと茶褐色が市松模様に並ぶ、グラフィカルなデザイン

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)ダミエ・キャンバス
落ち着きがありながらリッチな雰囲気が漂うデザイン。
1888年に誕生したダミエ・キャンバスは、実はモノグラム・キャンバスよりもその歴史は古く、創業初期に展開されていたデザインなのです。次々に現れる偽物に対抗するため、2代目のジョルジュ・ヴィトンが商標登録したと言われています。
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2) ダミエ・アズール キャンバス
新たなダミエ像を確立させた、軽快なカラーリングが魅力

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)ダミエ・アズール
イタリアのリゾート地、リビエラの海と砂を感じさせるデザイン。王道のオーセンティックなイメージから、クリーンでフレッシュな印象に。
それまでのクラッシックで落ち着いたカラーリングから一変。紺碧のブルー×アイボリーの軽やかで、若々しい”ダミエ”像を確立したのが”ダミエ・アズール”です。オリジナルの”ダミエ”の製品と同じ素材を使用し、ルイ・ヴィトンのトレードマークである天然牛革のトリミングが、そのまま受け継がれています。バッグや財布をはじめ、ポーチやベルト、カードケースや手帳といったアイテム数も豊富。
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3) ダミエ・グラフィット キャンバス
ブラック×グレーの陰影で表現された、ストイックさが魅力

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)ダミエ・グラフィット キャンバス
軽量で耐久性に優れた鉱物の石墨からインスピレーションを得たと言われる2008年に登場したメンズライン。独特の樹脂コーティングが施されたキャンバス生地にシックなカラーリングが人気。
”ダミエ・アズール”とは打って変わって、よりシックな佇まいなのが、”ダミエ・グラフィット”。ブラック×グレーというモノトーンから、ビジネスマンをはじめ多くの男性から支持されている柄。より都会的な雰囲気のアイテムが揃います。
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世界一有名な柄といえば?

幾何学模様とメゾンの頭文字である「L」と「V」を掛け合わせたモノグラム・モチーフ。誰が見てもルイ・ヴィトンとわかるほどの定番ラインとして1896年の誕生以来、メゾンのシンボルとなってきました。キャンバス表面にコーティングが施されたモノグラム・キャンバスを始め、カラフルなエナメル加工されたカーフを使ったモノグラム・ヴェルニ レザーなど、数多くのシリーズが展開され、人気の高さが伺えます。

4) モノグラム・キャンバス
アイコニックなモチーフをグラフィカルな柄で表現した革新的なデザイン

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)モノグラム・キャンバス
世界で最も有名ともいえる「モノグラム・キャンバス」。時代を越えて、いまなお新鮮に映るグラフィックさが秀逸です。
1896年、2代目ジョルジュ・ヴィトンにより商標登録された「モノグラム・キャンバス」。色はベージュと淡いマロンカラーの濃淡色。柄は幾何学模様や植物モチーフに、創業者ルイ・ヴィトンのイニシャルである「L」と「V」を加え、厳密な規則性をもって構成されたパターンが当時としても革新的でした。登場から120年以上、今も変わらぬルイ・ヴィトンの象徴となっています。
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5) モノグラム・ヴェルニ レザー
マーク・ジェイコブスが鮮やかな色彩の”モノグラム”でイメージを一新

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)モノグラム・ヴェルニ
パテントコーティングと呼ばれる、牛革にエナメルコーティングが施されたビビッドなカラーと光沢感が魅力。
1998年に登場した”モノグラム・ヴェルニ”。ルイ・ヴィトン初のファッションショーに合わせて作られました。当時、アーティスティック・ディレクターを務めていたニューヨーク出身のデザイナー、マーク・ジェイコブスの考案によるもの。カラフルなエナメルコーティングのカーフレザーに、モノグラム・モチーフを型押しした斬新なデザイン。”モノグラム・ヴェルニ”は、その色彩美によってルイ・ヴィトンのクラシカルなイメージを一新させたのです。
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6) マヒナ・レザー 
”モノグラム”のパーフォレーションに宿る繊細なクラフツマンシップ

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)マヒナ
思わずため息がでるほどの柔らかさと、しなやかさをもった最高級のカーフレザー。アイテム全体に施されたモノグラム・モチーフのパーフォレーションが、優しくフェミニンな雰囲気を放ちます。
ルイ・ヴィトンの”モノグラム”といえば、プリント加工されたものが一般的ですが、マヒナの”モノグラム”には、パンチングと呼ばれる穴を開ける加工が用いられています。これは、生地そのものに模様を打ち込んでいく技術で、モチーフを精密に表現するために用いられた繊細なクラフトワークです。皮革本来の繊細な表情に独特のニュアンスを加える色彩に染められ、その美しさを保つために特殊なコーティング仕上げが施されています。非常に柔らかくきめ細やかな質感で2007年の発売当時、大きな話題を呼んだことでも知られています。
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7) モノグラム・マカサー キャンバス
伝統素材をダンディでマスキュリンな雰囲気で楽しめる

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)モノグラム・マカサー
2009年の登場したこの素材は、ブラックのヌメ革でトリミングを施すことで、伝統的なモノグラム・キャンバスがモダンで新鮮に映ります。
伝統的なモノグラム・キャンバスにマットな黒レザーでメリハリを効かせた”モノグラム・マカサー”。マカサーとは、インドネシア産のマカッサル・エボニーという木に由来。最高級材として知られる黒檀の一種で、黒に薄茶の縞模様が浮き出ており、その色の組み合わせがまさに黒レザーのトリミングとモノグラム・キャンバスとのコンビネーションに似ていたことから名づけられたと言われています。
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8) モノグラム・アンプラント レザー
使い続けてこそ味わいが増すしなやかなソフトカーフ

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)モノグラム・アンプラント
ルイ・ヴィトンの代表的なシグネチャーであるモノグラム・モチーフと高品質ソフトカーフにエンボス加工が施された落ち着きのある表情が魅力。
あまりモチーフを主張しすぎない控えめな質感が、2010年の登場以来ファンの間で人気を集める”モノグラム・アンプラント”。トレンドに関係なく持てるモノグラム・モチーフを、型押しという上品なデザインで仕上げていることから、とりわけ大人の女性から支持されています。使い込むほどにしなやかさを増すレザーは、味わい深さがあります。
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9) モノグラム・エクリプス キャンバス
アーカイヴを受け継ぐことで生まれた新生”モノグラム”

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)モノグラム・エクリプス キャンバス
グレー×黒のシャドウトーンで“モノグラム・モチーフ”を描いた表情がクールな印象。
2016年、ルイ・ヴィトンのメンズ・コレクション アーティスティック・ディレクター、キム・ジョーンズによって考案されたキャンバス。ルイ・ヴィトンの貴重なアーカイヴとして所蔵されていたブラック・キャンバスで覆われたトランクからインスパイアされたようです。そのモダンでクールな佇まいは、モノグラム・キャンバスの新境地を開くことになりました。
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 ”モノグラム・キャンバス”と並ぶ人気素材とは?

10) エピ・レザー
型押しパターンの風合いと、美しい光沢が控えめでリッチな印象

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)エピ・レザー
エピ・レザーは1920年代、インドのバローダ藩王がスペシャルオーダーしたティーケースの外観に使われていた素材をヒントに、1985年に登場。光の当り方で変化する艶やかな光沢と型押しレザーが上品。エンボスで施されたルイ・ヴィトンのイニシャルも控えめ。
ルイ・ヴィトンをさりげなく使いたいという方に好まれているのがエピ・レザー。エピとはフランス語で「麦」を意味し、そのネーミングの通り、素材のすべてに施された線状の型押しがまるで風に揺れる麦の穂のように見えることからこの名がつけられたそうです。魅力はなんと言っても、マットな質感ながら大人のエレガントさが際立つ型押しレザーにあります。シンプルで大人っぽいので、ビジネスシーンでも重宝されている人気のライン。
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11) タイガ・レザー
シベリアの針葉樹を思わせる繊細な型押しがシック

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)タイガ・レザー
1993年に登場したデザインですが、今やビジネスエグゼクティブたちから不動の人気を得ているラインに成長。ビジネススーツにもマッチする端正な見た目に加え、耐久性の良さが人気の理由。
先に紹介したエピ・レザー同様、控えめな上品さが特徴のタイガ・レザー。ロシア語で、「針葉樹の森林地帯」を意味する”タイガ”は、シャープかつシックでスタイリッシュな表情が目を引きます。1993年、ルイ・ヴィトン初の本格的なメンズラインとして登場し、ビジネスユースを意識してデザインされたアイテムが多く、世界中のビジネスエグゼクティブから愛され続けています。
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12) ユタ・レザー
ビジネスからカジュアルまで、押さえておきたいタフな名素材

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)ユタ・レザー
深みのある色調のカーフレザーはビンテージのような雰囲気も。力強いステッチ使いもこの素材を使った商品の特徴です。
ルイ・ヴィトンのなかでも、知る人ぞ知るラインと言えばユタ・レザー。2003年に登場したメンズラインで、ユタという名前の通り、西部開拓時代のアメリカ南西部ユタ州の大草原をイメージして作られたライン。上質なレザーを使用し、クラシカルな雰囲気の型押しを施し、落ち着いた大人の印象。シンプルでかつ控えめなデザインで、通なイメージも。財布や名刺入れなど、ビジネスシーンで使える革小物はもちろん、ショルダーバッグやトラベルバッグまでバリエーションも豊富。
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