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2017.09.26

デニムはなぜ世界一愛される存在になったのか? その歴史を紐解く【後編】

ワークウェアからファッションに進化したデニムの前半史を紐解いた前編。後編では今日まで続く、ファッションアイテムとしてのデニムの足跡を辿ります。

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文/竹石安宏(シティライツ)

さて、前編ではワークウェアだったデニムが不良の装束へ、そしてフラワームーブメントによって一躍若者たちのファッションアイテムとなったところまでをお話ししました。1960年代後半から爆発的に世界へ広がったデニムですが、セレブの着こなしが話題になったり、企業のCEOが新製品発表会にデニム姿で登壇したりするのは、まだまだず〜っと先のお話。今日のように、デニムがファッションの中核をなす存在となるまでには、さらに長い道のりがあったのです。

ヒッピーの象徴からお洒落なカジュアルへ

1960年代後半に巻き起こったフラワームーブメントは、カウンターカルチャーと呼ばれていました。それは大人たちが作り出した伝統や既存のメインカルチャーを押し付けられていた若者たちの、いわば反旗。つまり大人ではなく自分たち自身で作り、楽しむためのカルチャーだったのです。
 
そんなカウンターカルチャーはアートや映画、音楽、ファッションなどに多大な影響を及ぼすのですが、デニムはそのシンボルのひとつでした。つまり当時のデニムはサブカルチャーであり、まだメインカルチャーではなかったのです。
 
とはいえ、デニムは当時の若者たちに絶大な人気を博すようになったのはたしかなこと。1970年代に入るとリーバイスやリー、ラングラーといった、元々はワークウェアとしてデニムを生産していたオリジンメーカーだけではなく、純粋なファッションとしてデニムを打ち出すブランドも出現してきます。
ディーゼルやリプレイなど、現在も世界のデニムトレンドを牽引するイタリアンブランドも、そうした当時の流れを鋭敏に捉えて産声を上げました。こうして、デニムはヒッピーの装束ではない、最先端のお洒落なカジュアルウェアとして若者たちの間で広がっていったのです。
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ランウェイを闊歩したデザイナージーンズ登場

ブルック・シールズをモデルに起用した「カルバン・クライン」1980年の広告スチール。リチャード・アヴェドン撮影。The Advertising Archives / Alamy Stock Photo
このようにユースファッションの一部となったデニムをさらに発展させたといえるのが、アメリカ人デザイナーのカルバン・クラインです。1976年にいち早くデニムをコレクションに採り入れ、1978年にはデニムライン「カルバン・クライン
ジーンズ」を発表。当時13歳だった女優ブルック・シールズをモデルに起用し、写真家リチャード・アヴェドンが撮影した広告が大きな話題となりました。
 
こうしてカルバン・クラインはストリートからランウェイへと押し上げることで、デニムをメインカルチャー、果てはセレブの必須アイテムへと昇華することに成功。その快挙に他のデザイナーたちも触発され、1970年代後半から1980年代前半にかけ、“デザイナージーンズ”というムーブメントが世界中で巻き起こるのです。
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不滅の定番デニムの進化は止まらない!

EVISUジーンズ初期の広告スチール。
メインカルチャーへのカウンターだったデニムが主流となっていくのは皮肉ともいえますが、デザイナージーンズの爆発的流行により、名実ともにデニムはファッションになったといえます。1980年代中頃には世界中の老若男女にまで浸透しますが、隆盛を極めんとするメインカルチャーには、新たなサブカルチャーが台頭するのが世の常。
 
そんな次なる反逆の狼煙は、ここ日本で上がります。需要の拡大に応えるために、大量生産されたデニムのクオリティに満足できない日本人。彼らが1980年代後半から1990年代前半にかけ、道具としてのクオリティを競い合っていた時代のヴィンテージデニムを、現代に甦らせようとするブランドを次々と創業。それらのブランドが作るデニムは“レプリカジーンズ”と呼ばれて一大ブームとなり、1990年代中頃には日本中の若者たちを熱狂させました。
 
メインファッションのカウンターとして、ワークウェアだった頃のデニムを甦らせるのもこれまた皮肉なお話ですが、レプリカジーンズのブームは日本に止まらず欧米へと波及します。“ハイクオリティ=ヴィンテージ”という基準が世界で認識されたのは、そんな日本発のレプリカジーンズの影響です。
 
現在でもメゾンブランドなどのラグジュアリーデニムには、少なからずヴィンテージテイストが見て取れるゆえ、レプリカジーンズはファッションとしてのデニムの進化に多大な影響を及ぼしたといえるでしょう。
 
その後も美脚ジーンズやセレブジーンズなど、世界のファッションシーンで大きなブームを巻き起こしてきたデニム。今日では流行やスタイルをも超越した絶対的存在として、現代ファッションに欠かせないアイテムとなっています。そして人類史上もっとも多くの人が纏った服であり、男の必携ワードローブの大代表であるデニムは、これからも不滅のファッションであり続けるに違いないでしょう。

●竹石安宏(たけいしやすひろ)

1971年東京生まれ。1990年代のヴィンテージレプリカブームを支えたブランドにて当時プレスを務め、のちに独立してファッションライターに転身。『LEON』本誌をはじめとするファッション誌を中心に、webや広告などでも執筆。ヴィンテージウェアをこよなく愛し、デニムからロックTシャツまで幅広く所有する。

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