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2017.09.16

靴のプロがやっている毎日の靴のお手入れの現実とは?

ビジネススーツにドレスシューズは欠かせません。とはいえ、履きジワのついた疲れた靴では、重要な商談や初めて会うクライアントもあなたを品定めしてしまうかも。靴のプロは毎日どうやってケアしてるのか。伺ってきました。

CREDIT :

写真/小澤達也(Studio Mug) 取材・文/池田保行(04)

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ビジネススーツにドレスシューズは欠かせません。とはいえ、履きジワだらけの疲れた靴では、重要な商談や初めて会うクライアントの印象もよくないでしょう。
 
終日履いたその靴を、帰宅後玄関に放置したままにしていませんか。終日履き続けた靴は汗をたっぷり吸っています。そんな靴を乾燥させるために、どれくらいの時間がかかるのでしょうか? ホコリにまみれ汚れているのに、そのまま放っておいてもよいのでしょうか? シューキーパーは木製、プラスチック製など素材は何を選ぶのが良いのでしょう? 靴はメンテナンスや磨き方など様々なルールがあります。そういった細かいルールを靴のプロは本当に実践しているのでしょうか。ホントのところを伺ってきました。

1. まずは靴の型くずれを防ぐ

神宮前に本店を構えるワールドフットウェアギャラリーのディレクター、日高竜介さんはファッション業界では知らない人のいない靴のプロフェッショナル。そんな日高さんに、毎日の靴のお手入れは、どうしているのかを伺いました。実際のところ、終日履いた靴ってどうしていますか?
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1日履いた靴はシューキーパーを入れたまま乾燥させる

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高価な靴を購入しても、シューキーパーがないまま履いていたのでは、靴の寿命は短命に終わることも。靴の購入時にシューキーパーの付いていないものは、別途購入されることをオススメします。湿気を吸発散する木製のものがベターです。靴7万1000円/アルフレッド サージェント、シューキーパー1万1000円/コルドヌリ アングレーズ(ともにワールドフットウェアギャラリー神宮前本店)
「私の場合は家に帰って靴を脱いだら、すぐにシューキーパーを入れて靴用のクローゼットに収納します。次の日に同じ靴を履くことは絶対にありません」

終日履いて汗を吸った靴にはシューキーパーを入れるより、そのままの状態で通気のよいところで陰干ししたほうがよいのではなか? と思ってしまいますが…… 
 
「シューキーパーを入れてシューズクローゼットに置いておくほうが、シューキーパーを入れないで置いておくより乾燥するそうです。その日の汗を発散させることは大切ですが、実は乾燥させすぎることも革にとって一番よくないこと。それにいたってはシューキーパーは木製のため靴の湿度をいい塩梅に保ってくれるのです。」
 
終日履いてシワがついた状態で、シューキーパーを入れずに乾かすと、履きジワが取れにくくなるので、シューキーパーは必須です。木製のシューキーパーは、プラスチックのものより、ほどよく湿気を吸発散ということです。

2. 雨で濡れたらソールから乾燥させる

「雨の日は水を吸っていますので、ソールをはじめ靴全体を乾燥させる必要があります。玄関で横に転がしたりしても結構ですが、床面についている部分が乾きにくい場合もありますので、つま先を浮かせて踵でバランスをとった状態で乾燥させるのが良いでしょう

乾かす前に、アッパーの水滴を拭き取ることもお忘れなく。水滴による水染みは、靴の大敵ですので」

雨の日は靴底を浮かせて乾かします

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つま先を、玄関の一段高いところに乗せるだけでOK。最近はバリアフリーでフラットな玄関のお宅も増えてきましたが、そんなときはドアストッパーなどをご活用ください。
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3. 靴磨き=レザーへの油補給も適宜

余程、汚れていなければ、終日履いた靴はシューキーパーを入れてシュークロゼットにしまうだけ。意外と簡単なことですが、では靴はいつ磨けばよいのでしょうか? 1週間に1回? それとも1ヶ月に1回?

靴を磨くのは時間のあるときで結構です

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右はホコリを落とすために使う馬毛ブラシ。左は豚毛ブラシを色違いで用意して、黒靴用と茶靴用で使い分けます。サフィールの「クレム1925」はおなじみですね。馬毛ブラシ1300円、豚毛ブラシ各900円、クリーム各2000円(すべてワールドフットウェアギャラリー神宮前本店)
「その靴を履く頻度にもよりますが、1〜2ヶ月に1回ぐらい、時間のあるときでいいと思います。コバの土を払って、靴色に合わせたクリームを塗ります。最初にリムーバーを使って古いクリームを落とすといいともいいますが、最低限のシューケアには、黒、茶のクリームと、ブラシ3本あればいいと思います」
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左が豚毛、右が馬毛。豚毛は硬く、馬毛や柔らかいです。コバや飾り穴の土埃を落としたり、クリームを塗り伸ばすには豚毛が使いやすく、表面の埃を払ったり仕上げ用には馬毛が便利なのだそう。
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4. スエード靴のケアには生ゴムブラシを

スエード靴の場合は、消しゴムで汚れを落としてブラシで毛足を整えます。ホームセンターなどで買えるスエード用の汚れ落とし用消しゴムは、消しゴムカスが多く、カスが毛足に絡んだりしてあまりオススメできないそう。「スエードの汚れ落としには、天然ゴムの専用ブラシを。砂消しでも使えますが、あまり強くこすると毛が抜けますのでご注意を」。ブラシは先程ご紹介した馬毛ブラシが使えます。
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こちらがスエード用の生ゴムブラシ。汚れてきたら、ハサミなどで上部をカットすればまた使えます。クレープブラシ1400円/ペダック(ワールドフットウェアギャラリー神宮前本店)
毎日のこととはいえ、靴のプロでも面倒なケアはしないようです。手間をかけなくても靴をきれいに保つことはできますので、無理のない範囲で、しっかりケアしてビジネスシーンでも靴を長く履いて欲しいものです。
■お問い合わせ
ワールド フットウェア ギャラリー 神宮前本店 03-3423-2021

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