ジャックナイフから、「ちょい不良（ワル）オヤジ」へ【後編】

千原ジュニアさんが纏う世界最高峰のレザーブランド「シャパル」。前編（※記事はコチラ）ではセーターやウールブルゾンを含めた4つのコーディネートをご紹介しました。後編となる今回は、ココンチの真骨頂であるレザーに厳選し、4種類のアウターに袖を通していただきました！

この日のジュニアさんは、愛車「プリンス グロリア スーパー6」で登場。そのクルマが放つ昭和レトロの粋な佇まいは、カーギアグッズの分野でも評価されるシャパルのアイテムと相性抜群です。このオーバーサイズのシープレザーコートは、1916年の戦時中にフランス空軍兵士のために初めて製造され、シャパルの製造の原点、精神、そしてノウハウを象徴。幅広のフラップと取り外し可能なシープスキンの襟が特徴で、ウエストベルトを絞ることで、比類なきアビエータースタイルを演出します。ポリカーボネート製のゴーグルも、シャパルのアイデンティティを象徴する逸品。

肌触りなめらかなコットンジャージーTシャツ。クルマ好きが着れば会話のキッカケになること請け合いなハンドスクリーンプリントを大胆にあしらっています。なお、右下にはシャパルの現オーナーであるジャン・フランソワ・バルディノン氏も自ら登場するという、遊びゴコロ溢れるデザインです。

前編でご紹介したライダーズジャケットと同じ『ブルックリン・ジャケット・コレクション』から、上品なベージュカラーのラムレザーブルゾン。同色で仕立てられたキャッシュウール製のリブと相まって、抜群の高級感を放ちます。見るからに柔らかいレザーゆえ、こんな接近戦でも余裕が薫るのですね。で、同じくシャパルを纏った美女も、ジュニアさんにメロメロ⁉︎

創業当初はウサギの毛皮を用いた防寒衣料が中心であったシャパル。現在もウサギは重要なアイコンのひとつなのですが、なかでもコットンジャージー素材のこのTシャツはココンチの歴史を物語るデザイン。トリコロールの上で軽やかに飛び跳ねるウサギが愛らしい一着です。

ピエール・ジャンヌレのヴィンテージチェアでシガーを嗜む。最高のリラックスタイムですが、そこに極上のレザーがあれば言うことなし。シャパルのアイコンである『USAAF』は、第二次世界大戦時に米空軍で採用されたA-2と米海軍のG-1を融合させたデザインであり、「フライトジャケット」として広く知られます。そんなタフな出自のアイテムも、シャパルの手にかかればご覧のとおり、ボウタイ合わせもキマる上品な佇まいへと昇華されるのです。ちなみにジュニアさんはシガリロを嗜むそうで、シガーも慣れた様子で味わっていました。

シャパルのアイコンである『USAAF』。長年にわたり時代に合わせて進化を続けており、洗練されたスタイルと優れた快適性を兼ね備えます。ブラックやブラウンなどの定番色ももちろんラインナップしますが、味わい深いこのブルーはひと際目を引きます。

高品質な素材使いもシャパルの魅力のひとつですが、とりわけムートンの上質さは歴然。びっしりと詰まったコロラド産のシープスキンは、もっちりふんわりとした肌触りで、着たまま寝てしまいたくなる心地良さ。ジュニアさんはB-3を、女性はベストを纏い、同素材異型の粋なペアルックに。これほど上質なムートンなら、キザなシーンもサラリとキマります。って、ジュニアさん、ちょっと緊張してません？（笑）

トリコロールカラーのジッパーを配したビッグサイズのポケットが特徴のデニム『キロンパンツ』。ウエストサイドは楽チンなゴム仕様であり、ボタン付きで絞られた裾により、独特のシルエットを構築しています。南米産の象牙ヤシの実を加工して作られたコロゾボタンを採用するなど、細部にまでこだわった一本です。

── 今回は東京・蔵前に今年オープンしたシャパルのスペシャリティストア「チャップ」でも撮影しましたが、現在注目のエリアでもあるこの辺りは訪れたりしますか？

ジュニア　まずこのチャップ、素敵やなぁ。こんな目の前にスカイツリーあったら、遠くから来られたお客さん喜びはるでしょ？ ジャンヌレやペリアンのヴィンテージ家具もカッコええ〜。ほんで、この辺りは正直プライベートではほとんど訪れたことはないんです。でも、人生で一番読み返した本が漫画『あしたのジョー』なんですけど、あれってこの辺が舞台で、闘った蔵前国技館も近いので、思うところがありますね。ジョーもこの川（隅田川）を見てたんかなぁ、なんて考えてました（笑）。

── 家具も買えるみたいなので、ぜひ（笑）。ところで、クルマのほかにバイクも趣味とされていますが、いつから乗られてきたんですか？

ジュニア　さっき、家具の値段聞いて引きましたよ（笑）。バイクは小さい時から好きで、ずっと乗ってきましたね。仕事にバイクで行くこともあるし、天気が良ければバイクで出かけることが多いかな。なかでも、新しいものよりも古いものが好きなんですよね。所有しているのは全部自分より年上の旧車で、1960〜70年代かな。日本と英国、それとイタリアのスクーターも持ってます。バイクやクルマはなんでか古いもんに惹かれるんですよね。

── 古いバイクやクルマの魅力はなんでしょうか？

ジュニア　う〜ん、なんでしょうかね。走ってるとエンジンが止まることは結構ありますし、置いて帰ったなんてこともまぁまぁありますけど（笑）。不思議なことに、（兄の）せいじは趣味が真逆で、ああ見えて最新のものばっか欲しがるんですよね。僕は今クルマは3台持ってるんですけど、たまたますべて1964年製。だから窓は当然手動式で、ウチの子はハンドルをクルクル回して開ける窓しか知らへんのですよ。だからタクシーに乗ったりすると、パワーウインドウを教えなあかんなと思ってます（笑）。

── なるほど。服も古いものを着たりしますか？

ジュニア　いや〜、それが古着はまったく着ませんね。古い腕時計なんかカッコいいと思うんですけど、新品含めて一本も持ってません。バイクに乗ってるとスマホを見れないから時間がわからないので、腕時計は絶対あったほうが便利なんですけど（笑）。

── 確かに時計のイメージないですね。ところでジュニアさんにとって、憧れの男性像はどんな感じですか？

ジュニア　若い頃から自分のことに必死で、人に憧れる余裕はなかったですね。今もあんまりないですけど……。強いて挙げるなら、人生を楽しんでいる人ですかね。日々楽しんで笑っている大人は、カッコいいと思います。

── では最後に、『LEON』の読者へモテるためのアドバイスを。

ジュニア　そりゃあやっぱり、『LEON』を熟読することでしょ！ いつからか僕も美容室に行くと持ってこられる雑誌が『LEON』になりましたけど、男は『LEON』を持ってこられるようになってからですよ。イタリア人の服装は清潔感があっていいですよね。僕はまだまだ見上げてますけど、やっぱりああいうのは憧れますよね〜。ウワッ、憧れてもうてましたわ（笑）。

※ 前編はコチラ