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2022.08.14

技アリ! プロの着こなしテク拝見【稲葉智大編】

大人はヴィンテージをどうこなすのが正解!?

“ヴィンテージ”がキーワードとして浮上する昨今のオシャレ界隈。しかし、どのように装いに取り入れるべきか分からない人も多いハズ。そこで着こなし自慢が、ヴィンテージテイストや実際の古着をミックスしたワンランク上のコーデ・テクを特別に披露。長年服を着倒してきた経験から導き出されるリアルな技は、参考になること確実です。

CREDIT :

写真/李 春湖(OWL COMPANY) 文/T.Kawata 構成/長谷川 剛(TRS)

今、クラシック&ビンテージに注目する人が増加中です

伊勢丹 バイヤー 稲葉智大
クラシックやヴィンテージは、装いコンテンツにおける貴重なアーカイブです。ただ、肝心なのは、それをどう今っぽく、大人っぽく活かすかです。そこで今回は、昨今インスタグラムで、その着こなしに注目が集まっているイセタンメンズのバイヤー、稲葉智大さんにご登場いただきました。

まずはクラシック&ビンテージファッションの今について、お伺いしました。

「コロナ禍の影響もあって、ビジネススタイルが大きく変わりました。ビジネスシーンでスーツを着る方が減った一方、嗜好性の高いドレススタイルに注目が集まっています。サルトリアやサビルロウのスーツなど本当に上質なウエアや、高級なクロージングアイテムに関心が寄せられているんです。この傾向は、本物、本質への回帰と言っていいように思います」

また、稲葉さんによれば、若い世代で古着が人気となっていたり、アイビーやトラッドのファンが増えていたりするのだとか。
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ポロ ラルフ ローレン BDシャツ USアーミー ストレートパンツ
▲ 稲葉さんが愛してやまない、ポロ ラルフ ローレンのBDシャツと、USアーミーのストレートパンツ。ともに古着であるこれらを、いかに今っぽく見せるかが今回の見どころです。
やはり気になるのは、大人がクラシックという要素をいかに今っぽく取り入れるかのコツ。お話を聞くと、大事なのはサジ加減のようです。お洒落な大人に多い手法が、ドレッシーなスタイルに古着を混ぜる装い。

他にはパンツやシャツ、それにバッグだけ、という風に、一点のみ取り入れるスタイルも「いい合わせ方だと思います」と、稲葉さんは語ります。
伊勢丹 バイヤー 稲葉智大
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男くさいアイテムには、繊細さを添えてほしい

この日の最初のスタイリングは、古着のポロ ラルフ ローレンのBDシャツと、1940年代のUSアーミーのチノパンの組み合わせ。これは稲葉さんがヘビーローテーションしている、お気に入りのコーディネートだとか。
ジャケット ラファーボラ シャツ ポロ ラルフ ローレン(古着) パンツ USアーミー(古着) シューズ オポジット オブ ブルガリティ
▲ セットアップのジャケットのみを活用したコーディネートです。ジャケットはラファーボラ、シャツはポロ ラルフ ローレン(古着)、パンツはUSアーミー(古着)、シューズはオポジットオブブルガリティ。すべて本人私物。
「シャツとパンツは、男らしさ、ラギッドな雰囲気を感じさせるアイテムです」。洗い込まれたシャツに、股上が深く、ゆとりあるパンツの風情はまさにクラシカルなメンズスタイルの王道。しかし、そこに今っぽさを添えるジャケットとシューズにご注目あれ。
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1940年代 軍モノ ヴィンテージ チノパン
▲ 「チノパンの原型ともいえるパンツです」と語るこちらは、1940年代の軍モノのヴィンテージです。
まず、ラファーボラの一着は、ワークジャケットをベースにしつつ、丸みと柔らかさ、ゆとりを持たせた軽い仕立てがポイント。「今日のパンツと好相性です」と稲葉さんも太鼓判を押す秀作です。次に白いレザースリッポンは、レディスシューズのような華奢で繊細なルックスが魅力です。
オポジット オブ ブルガリティ
▲ バレエシューズを思わせる、シンプルかつ繊細なテイストが魅力のオポジットオブブルガリティ。黒や茶ではなく、ホワイトのチョイスがアクセントとして絶妙です。
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「このシャツとパンツは、アメリカを代表するアイテムですよね。そこに定番のキャンバススニーカーや、キャンバスのトートバッグを添えてしまうと、アメリカンになりすぎてしまいます」

なるほど、アメカジ世代は特に、甘酸っぱい郷愁を追求しがちかも。ソフトなジャケット、中性的な色気のある一足をミックスすることで、今の気分を表すというテクニックは、ぜひ参考にしたいところです。

クラシックなスーツのコーデは、ヒネリに注目

次に「これぞクラシックの王道です」と、登場した着こなしがこちら。

ナポリのサルトリア、アルフォンソ シリカで仕立てたオーダーメイドのスーツが主役です。スーツをビジネス用ではなく、嗜好品として楽しむ方が増えている時代を反映し、イエローのシャツ、ビンテージ風の幾何学柄のタイ、花柄のチーフに注目です。
アルフォンソ シリカ シャツ イセタンメンズ(オーダーメイド) ネクタイ アントニオ ムーロ シューズ ジョーワークス
▲ スーツはアルフォンソ シリカ。マニカカミーチェをはじめ、イタリアのサルトらしい軽いソフトな仕立てが特徴です。そんなスーツに、英国、カイノックのフレスコ調生地にてオーダーしているのもユニークです。シャツはイセタンメンズ(オーダーメイド)、ネクタイはアントニオ ムーロ、シューズはジョーワークス、チーフはノーブランド。すべて本人私物。
こちらの装いについて「色々な国の要素を統一感を持たせながらMIXしています」と稲葉さんは説明します。英国ファブリックを使ったイタリアのサルトによるビスポークスーツや、アメリカンテイストを感じさせる襟型のシャツといった具合です。シューズもノーズのバランスが中庸的なところなど、いくつかのポイントがあるのです。
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▲ 洒脱に見せるカギはVゾーンにありました。アメリカ的な感覚とイタリアの王道がミックスされた縦横無尽の合わせ方がお見事です。
ジョーワークス シューズ
▲ ジョーワークスのシューズは、バランスの取れたノーズの長さに注目。「この日のスーツスタイルには、ドレッシーすぎる靴は似合いません(稲葉さん)」。
「すべてをクラシックやヴィンテージでそのまま着こなすと、コスプレのように見えてしまいがちです。そうならずに、どうすれば今っぽく装えるかを常に考えています。その答えのひとつは、テイストを統一しすぎないこと。アイテムごとに微妙に雰囲気をずらしていくんです」
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バングル フェデ
▲ テイストのミックスで言うならば、ワイルドな手元の演出も見逃せません。バングルは、ともにイタリアのブランド、プロゲットフェデ。
ふむふむ。アメカジ、クラシコイタリアなど、これまでに経験したファッションにとらわれず、自由自在に組み合わせる感性が、今、クラシック&ヴィンテージをお洒落に着こなすコツというわけですな。この柔軟なコーディネート術、我々もぜひ拝借したいところです。
稲葉智大 伊勢丹メンズバイヤー

● 稲葉智大 (イセタンメンズ バイヤー)

1987年生まれ。2010年に三越伊勢丹に入社し、2017年からバイヤーとなり、現在はイタリアを中心としたメンズクロージングのバイイングを行う。リーバイスのジーンズや、ポロ ラルフ ローレンのシャツ、ミリタリーパンツなど、ヴィンテージや古着をオンオフ問わず、着用する。

Instagram / YouTube

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