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2022.07.23

技アリ! プロの着こなしテク拝見【並木孝之・前編】

時計も抜かりなし! 大人コーデの極意とは?

高感度な大人のアクセサリーとして人気を博す本格時計。しかしどのように装いに取り入れるべきか悩む人も多いハズ。そこで着こなし自慢が、時計のキャラクターを踏まえたトータルコーデ・テクを特別に披露。長年服を着倒してきた経験から導き出されるリアルな技は、参考になること確実です。

CREDIT :

写真/多田 悟(Rooster) 構成・文/長谷川 剛(TRS)

時計まで抜かりないトータルなコーディネート

職人仕立ての本格ネクタイをはじめ、クラシックスタイルを軸とする数々のメンズウエアを扱う会社、アイネックス。大手セレクトショップからも信頼厚い企業において、並木孝之さんは主に商品開発などを担当しています。

自ら正統派のクラシックスタイルを世に広めるべく、既成のスーツでもスタイルが美しく見えるよう、日々肉体調整に余年のない実践派ドレッサーでもあるのです。

そんな装いの伝道師が日頃から強く意識しているのがトータルコーディネート。アタマから足先まですべてテイストを揃えてこそ、完成度の高い装いになると並木さんは考えます。それはもちろん装身具に関しても例外ではありません。

ということで、今回は男子の装身具として筆頭アイテムである、時計までしっかりテイストを留意した並木流コーデをご披露いただきます。しかもなんとうれしいことにカジュアル編とクラシック編の二本立て。これはファッション好きも時計マニアも見逃せません!
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グレーを多用した軽快かつ統一感あるTシャツスタイル

並木孝之
▲ アイテムそれぞれはどれも定番的ですが、素材使いやカラーに配慮を尽くした夏のカジュアルコーディネート。もちろんサイズ感もばっちりです。
まずは現在、夏真っ盛りということで、半袖アイテムが軸となるカジュアル編から見せていただきました。その第一のコーディネートとなるのが、ジムやプールなどに行く際などの気軽でカジュアルなTシャツスタイル。もちろんそういったざっくばらんなシーンでも、並木さんはできるだけテイストを揃えたいと語ります。

「このTシャツはバトナーのウール素材。ライトグレーというカラーが軽さと大人の渋味を感じさせます。素材がウールだけに、コットンのそれとは異なるしっとり感が特徴です。本来大人であれば、外出の際はジャケットを羽織るものですが、さすがに真夏は暑すぎます。だからカーディガンを肩掛けにて代用。
ケー・イトウ カーディガン
▲ ジャケット代わりにピックアップしたケー・イトウのカーディガン。味わい深いメランジ調のカットソー素材は確かに存在感も兼備しておりアウター使いしやすいもの。インナーの色みを考慮したやや濃いめのグレーもポイントです。
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このカーデはカットソーの名手として、昨今注目を集めるケー・イトウのもの。味わいあるメランジ調のグレー素材は、プレーンな無地とは違ってアウター的な存在感を備えています。カラー的にも着込んだTシャツと穏やかなグラデーションとなるチョイスです」

都会的で落ち着きのあるグレイッシュなトップスに、並木さんはトム ウッドのホワイトジーンズを合わせます。

「夏らしく開放的かつアクティブな雰囲気を演出するため、ホワイトジーンズを選びました。ブルージーンズでも良いのですが、やっぱりホワイトだと快活さのなかにも大人のエレガンスがあるように思います。一定の年齢に達した男性なら、ラフな格好の時ほど清潔感を気にする必要があるでしょう。
米国発ウーフォス サンダル
▲ 米国発ウーフォスのサンダルはシックなブラック。膝や腰への衝撃を軽減する素材使いにより、スポーツ後の肉体を癒すリカバリー効果が期待できると評判のもの。並木さんは機能性に加え、そのスマートなデザインも評価しています。
そして足元はウーフォスのリカバリーサンダル。これは水泳など負荷を掛けた脚の疲れを効果的に癒してくれる機能もさることながら、フォルムが非常にスマートでオシャレ。個人的にはセットアップ・スーツなどにも合わせられる、高いデザイン性を持つ一足だと感じます」

そんな着こなしを引き締める大事な装身具であるのが腕時計。しっかり吟味しコーディネートする重要性を並木さんは強調します。

「多くの人は、まだまだ時計を服装から切り離した個別のプロダクトとして見ているように感じます。もちろん、高価な機械式は値が張るアイテムですから、装いごとにすべて揃えるというのはムリでしょう。しかし、ここぞという着こなしを念頭にコーディネートする意識をもって、時計に至るまでしっかり選び抜くべきと自分は考えます。そうでないと理想のスタイルは完成しないと感じますから」
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グレーチタンの小径時計でアクティブに引き締める

ポルシェデザインby IWC オーシャン500
▲ 陽に灼けた腕に似合うポルシェデザインby IWCのオーシャン500。抑制の効いた流線型デザインが非常にモダンな印象。グレイッシュなカラーリングがこの日の装いとマッチしています。
この取材時のアクティブなカジュアルスタイルに合わせる時計として並木さんが選んだ一本は、ポルシェデザインのIWC。ミニマルでアクティブな雰囲気が、確かにこのコーディネートにマッチしています。

「スポーティな気分の時の時計は、やはりドレスウォッチではチグハグな印象になってしまいがち。もちろん、サブマリーナ的な時計でも良いのでしょうが、ちょっと個性を加味したかったのでこの一本を選びました。チタンケース&ブレスレットのこのモデルは、グレイッシュな装いにベストマッチ。
ポルシェデザインby IWC オーシャン500
▲ ポルシェデザインby IWC オーシャン500はチタン製のケース&ブレスレットがひとつの特徴。「非常に軽量であるところも気に入っています」と並木さん。ケース径は小振りの34㎜。軽装におけるバランスを崩さない控えめなフォルムも並木さん好み。
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夏の薄着スタイルということもあって、大きめゴツめのダイバーズよりも、この小振りな34㎜ケースが引き締まった精悍さをアピールしてくれるように思います。ケースとブレスが一体になった流線型の滑らかさも、この装いにフィットしている気がします」

綿密なコーディネートを志向する我らがスタイリングマスター。もうひとつ半袖シャツを軸とした着こなしを披露してくれました。それが襟付きシャツを主役に据えた、ちょっと艶っぽいナイトシーン対応のスタイリングです。

大人の色気をしのばせた艶っぽい半袖シャツの装い

並木孝之
▲ 砕けた半袖シャツの装いも、崩れすぎずどこか大人のカッチリ感を残しています。色使いやアクセントになる小物使い、細かい部分まで計算された夏の装いです。
「この装いは夜のデートといった感じでしょうか。ですので半袖シャツも襟付きをチョイス。昨今はオープンカラーの半袖シャツが非常に流行っていますが、個人的にはトップボタンまで留めてカッチリ感を演出したいので、台襟付きのドレスタイプを選びます」

ドレッシーなシャツスタイルということであれば白シャツがひとつの定番。しかし、今回の並木さんチョイスはちょっと濃いめのベージュです。

「確かに白シャツはドレススタイルにおける王道。ただしブラックパンツに合わせるような場合、少々コントラストが強くなることも。しかも個人的には白シャツはビジネスのイメージが強いので、こういったオケージョンでは選びません。寛ぎ感もあってシックな要素も備えたベージュが、今季僕のなかでは気分なのです。
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半袖シャツ トゥモローランド ピルグリム
▲ 半袖シャツはトゥモローランド ピルグリムのもの。小振りの襟はキリッとシワもありません。やや濃いめのベージュを選んだのは、お気に入りの時計に合わせてのこと。
また、最終的に金時計を合わせようと考えているので、そう言う意味でも、ゴールドに通じる濃いめのベージュがベストと考えました」

ナイトシーンを艶っぽく装うということで、選んだパンツはクールなブラック。クラシック・マスターとしてはショーツではなくフルレングスを選ぶところがポイントと語ります。

「やはり暑いからといって何でも涼しく快適性ばかり追求してしまうと、ドレッシーさがスポイルされてしまいます。スリッポンなどを素足ではくようなラフなスタイルの時は、せめてフルレングスのパンツといきたいところです」
エスパドリーユ
▲ フィレンツェ在住の靴職人、深谷秀隆さんが手掛けるブランド、イル ミーチョ。このエスパドリーユは長めのストラップが特に個性的。大人の洒落感が足元に漂います。
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靴のセレクトにおいても抜かりないのが並木流。単なるリゾーティなスリッポンではなく、ひとクセあるエスパドリーユを起用しています。

「これはイル ミーチョが手掛けたエスパドリーユ。スエードアッパーのスリッポンベースに、デコラティブなレースを加えているところが洒落ています。夏の着こなしはどうしてもスッキリしすぎになりますから、こういったギミックあるアイテムで、個性を演出するのもひとつの手だと思います。個人的にはこの一足で、かなり“夜”な感じになったかなと(笑)」

大人の余裕を放つ薄型ゴールド時計の存在感

▲ 薄型のドレス時計がカジュアルスタイルに気品を添えています。金無垢ケースに合わせてシグネットリングもゴールド。さり気ないリッチ感が好印象です。
そしてキメのアイテムとして選出されたのがヴァシュロン・コンスタンタンのヴィンテージドレスウォッチ。スーツスタイルなどの正統派ドレスな装いでなく、こういったカジュアルスタイルに、古典的な薄型時計をコーディネートするココロとは?
ヴァアシュロン・コンスタンタン ドレスウォッチ 60年代 ヴィンテージ
▲ ヴァアシュロン・コンスタンタンのドレスウォッチは60年代のヴィンテージ。非常にミニマルなデザインですが、ベゼルに細かい筋模様が施されており、品格のなかにも繊細なエッジを感じさせる逸品です。
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「この着こなしについて色々と申し上げましたが、結局半袖シャツにカジュアルパンツを素足ではく単純なスタイルです。どこかに重みを設けないと貫録ある大人の装いには仕上がりません。スポーツウォッチではややテイストが異なりますし、デカ厚時計ではスッキリ感が損なわれてしまいます。

夜のしっとりしたシーンという要素まで考慮するなら、薄手のドレスウォッチがしっくりハマるのです。濃いベージュシャツに黒パンツのコーディネートに対し、黒ベルト×金無垢ドレスウォッチの取り合わせは非常に好相性。バランス感あるスタイリングになっているように感じますが、さていかがでしょう?」
次回【後編】では、趣味の良い時計を軸にスーツをシックに着こなす、並木流至極のテーラードスタイルをお届けします。乞うご期待!!


並木孝之  株式会社アイネックス 商品戦略部部長

● 並木孝之 (アイネックス 商品戦略部部長)

1970年生まれ。ネクタイを始めメンズウエアの卸業を展開するアイネックスにおいて、シーズンごとの戦略をまとめ実行に移す重要な部署を統括。取り扱いブランドのPRや、セレクトショップ等への営業活動も同時に行う。趣味は装うこととセルフブランディング。その一環としてスイミングやジョギングを継続的に行っている。

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