2021.09.02

乾いた心に栄養補給できる残暑の課題映画4選

美しすぎる友情、ためになるきのこの話、伝説の音楽祭、サスペンス並みのルーマニアの国家陰謀といった残暑にオススメの実話&ドキュメンタリー映画をご紹介。まだまだ暑い日が続くので、映画館で涼んで、心にも栄養補給をしましょう。

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文/遠藤加奈(LEON)

こんにちは、LEON編集部の遠藤です。

お出かけもなかなか積極的に行けず、海外旅行なんて遠い夢。完全に旅ロスですよね。でも遠い場所の空気を感じたい、そんな時、“映画を観て行ったつもり”ってのはいかがでしょう。映画館って換気もちゃんとしていて、今はまた席ひとつ空けの施設が多かったりして、逆にとっても快適。涼しいですしね。

ということで、海外の日常や風景を感じられるドキュメンタリー作品&実話を元にした感動作品をご紹介したいと思います。

『Our Friend/アワー・フレンド』

仕事に打ち込むジャーナリストのマット(ケイシー・アフレック)と妻で舞台女優のニコル(ダコタ・ジョンソン)は、2人の幼い娘を育てながら懸命に毎日を送っていた。しかし、ニコルが末期ガンの宣告を受けた日から、一家の生活は一変してしまう。

妻の介護と子育てによる負担が日に日に重くのしかかるマット。そんな彼に救いの手を差し伸べたのは、辛く苦しい時も長年支え合ってきた2人の親友・デイン(ジェイソン・シーゲル)だった。

デインもまた、かつて人生に絶望した時にマットとニコルから心を救われた過去を持っていた。デインは、彼らを手伝うため、はるばるニューオーリンズからアラバマ州の田舎町フェアホープまで車を走らせ、ティーグ家に住み込んでサポートすることに。

2年にも及ぶ闘病生活。3人の想いと苦悩が交錯していくなかで、愛と友情の先に彼らが見つけた希望とは……。
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こちらは実話に元にした作品。2015年にジャーナリストのマシュー・ティーグが「Esquire」に寄稿した記事が元になっています。私は、それを知らずに見たので、エンドロールで知り愕然としました。こんな哀しく美しい話が、現実にあるのか、と。

最初は、脇役なのかなと思っていた人物が、物語の中心になり、ぐいぐい心を引っ張られ、次のシーンでは別の登場人物の心情にも共感。人生は楽しくも辛い。でも美しいんですね。世の中がこういう状況になって、もう生きているだけで奇跡だなと思います。

号泣必至です。見終わった後に再度ポスターを見るとまた泣けますよ。

■ Our Friend/アワー・フレンド

10月15日(金)新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国公開予定
配給:STAR CHANNEL MOVIES
https://our-friend-movie.com/

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『素晴らしき、きのこの世界』

ナショナルジオグラフィックやディズニーネイチャーのドキュメンタリー等を手掛け、タイムラプス映像のパイオニアと言われる映像作家ルイ・シュワルツバーグが、きのこ・菌類の素晴らしさ、驚異のパワーを捉えたドキュメンタリー。

少年時代、マジックマッシュルームを食して、悩みの種だった吃音が突然治ったことをきっかけに菌類の世界にのめり込んだという菌類学者(mycologist)のポール・スタメッツを中心に話が進んでいく。
きのこ・菌類は、食用としてだけでなく、森にも不可欠で、多くの生命の再生や維持に役立っていたり、アルツハイマーやがんなどの治療、石油タンカーの座礁により汚染された海の浄化にまで役立つことから、地球上のさまざまな問題へのきのこの応用が今、期待されているんだそう。
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目からウロコのためになる話だけでなく、タイムラプスで捉えられた映像がとっても美しく、目でも楽しめます。まるで小さな宇宙のようなきのこに興味が湧くこと必至です。あと、絶対きのこ食べたくなります。

■ 素晴らしき、きのこの世界

9月24日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
© 2018, Fantastic Fungi, LLC
https://kinoko-movie.com/

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『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』

1969年の6月29日から8月24日までの6回の日曜日にニューヨークのハーレムで開催され30万人を動員した「ハーレム・カルチュラル フェスティバル」。

同年に同じくニューヨーク州郊外で開催されたロックフェス、ウッドストックとは違い、「ハーレム・カルチュラル フェスティバル」の映像は、誰の目にも触れることなく、地下室に眠り幻のフェスだった。
アーティストと観客のほとんどが黒人で、ブルース、ゴスペル、ジャズ、ソウル、ファンクなど黒人音楽の祭典に。若干19歳のスティーヴィー・ワンダーの若さ溢れ、才能が爆発するパフォーマンスや、B.B.キングの躍動感溢れるパフォーマンス、ニーナ・シモンの圧巻の歌声など、素晴らしいライブ映像。

盛り上がりは最高潮に達し、その熱気は映像からもヒシヒシと伝わってきます。さらに観客のファッションもとても華やかで楽しいんです。
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そもそもこのフェスティバルはマーチン・ルーサーキング牧師暗殺の一周忌のために立案されたものだったこと、当時メディアは黒人のライブには興味がなく、相手にされなかったこと、などといった、お蔵入りになってしまった経緯も、興味深い。

2021年の今だからこそ見逃せない、考えさせられる作品でもあります。監督がクエストラブってところもポイントです。

■ サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)

TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2021 20th Century Studios. All rights reserved.
https://searchlightpictures.jp/movie/summerofsoul.html

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『コレクティブ 国家の嘘』

2015年に、ルーマニアにあるライブハウス「コレクティブ」で起こった火災で、27名が死亡。その後一命を取り留めたはずの入院患者が、次々と亡くなり、最終的に死者数は64名に膨れ上がる。

この事件を不審に思ったスポーツ新聞「ガゼタ・スポルトゥリロル」の編集長が、調査を開始し、驚くべき問題に直面する。
ライブハウスで起きた火事の映像や、情報提供者による衝撃的な事実や、リーク画像は、ドキュメンタリーならではの生々しさ。現場の緊迫した空気がヒシヒシと伝わってきます。

国家的な陰謀と戦う記者と新しい保健省の大臣。一旦は救いの光が見えたのですが、最後はまた絶望的な事実を突きつけられ、やるせない気持ちになります。

あまりにもひどい腐敗が横行している事実に、自分は日本に生まれて恵まれていると感じましたが、これは他人事ではないんですよね。

ルーマニアに限ったことではないし、日本だって程度の差はあれ、理不尽なことはある。ジャーナリズムの力を正しく使い、それを映像にしたHBOヨーロッパの力量に感服します。

自分にも何かできることはあるかも、しなくてはな、と思わせてくれるパワーがある作品です。

■ コレクティブ 国家の嘘

2021年10月2日(土)シアター・イメージフォーラム、ヒューマントラストシネマ有楽町で公開予定
©Alexander Nanau Production, HBO Europe, Samsa Film 2019
https://transformer.co.jp/m/colectiv/

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