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2018.02.27

デジタル&テクノロジーの最前線はやっぱり発見の連続でした!

今年第6回目を迎えた「MAT(Media Ambition Tokyo)」。デジタル、テクノロジー、アートというと、なんだか敷居が高そうに聞こえますが、そこは家族連れからカップルまで楽しめる、驚きと発見に溢れたイベントでした!

CREDIT :

文/前田陽一郎(LEON.JP)

アートというとつい、「自分には関係のないもの」で「理解できるだけの感性と知識がない」と思ってしまうのが日本人だそう。

さて、その原因がどこにあるのかは知りませんが、かく言う自分も美術館や博物館には行くものの、例えばモダンアートなどはまったくの門外漢のうえに「そもそも何が良いのかわからん!」という作品も山ほどあって、自身の感受性の低さが嫌になったりもする有様です。

ところがそんな"アートの壁"を破ってくれそうなのが、近頃よく耳にするデジタルアートやテクニカルアート。

LEON.JPの前田です。
去る2月9日から25日まで、六本木ヒルズにある森ミュージアムを中心に、都内各所で開催されていた「MAT(Media AmbitionTokyo)」は行かれましたか?

今年第6回目を迎えた同イベントですが、実は伺ったのは初めて。まあ、それほどに現代のアート事情に疎いんです、ハイ。でもですね、結論から言えば、今は過去5回に行けなかったことを猛省!次回がすでに待ち遠し!ってな状態です。

というわけで、いくつかの作品を例に、何を自分が感じたかを少々。
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Visualization of Air Conditioner  脇田玲(脇田玲+ダイキン工業テクノロジーイノベーションセンター)
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Visualization of Air Conditioner 写真:Koji Ngahama
こちらは慶應義塾大学SFC脇田玲研究室とダイキンデザインの共同研究作品で、室内の風の流れを美しく可視化しようという試み。普段の生活のなかで我々はふと顔を撫でる空気を感じたり、肌を吹ける風を心地よく思ったりしますが、その存在を確認することって難しいですよね。つまり、視覚化されてはじめてその存在を実感できるということは、それだけ視覚に頼って生きているとも言えるわけで…。解釈は色々あるのでしょうが、僕はこの作品から空気という存在を再認識させられた気分になりました。
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Perfumery Organ  設計製作:TASKO inc. デバイス製作:山本俊一(山本製作所) 音響設計/監修:松尾謙二郎(Invisible Designs Lab.)、小田部剛(Invisible Designs Lab.) 香響設計/監修:吉武利文(香りのデザイン研究所) 、写真:KIOKU Keizo
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Perfumery Organ
同じく"感じる"を可視化した作品として興味深かったのがこの「パフューマリー・オルガン」。これは、19世紀の化学者であり調香師でもあったセプティマス・ピエスが1857年にその著書『The Art of Perfumery』で提唱した「香階(音に高い低いという表現があるように、香りにも軽い重いがあるという考えに基づいた階層)」に基づき、それを実際の楽器としたもの。鍵盤を押すと、それに連動した香水が噴出されるようになっています。ちなみに重い香りの代表はバニラで、低い音が鳴ると甘い香りに包まれます。

香りのない生活はありませんが、目に見えない香りを音と同調させ、かつ可視化することで、あらためて日々の香りを意識させてくれるようになった作品でした。
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CONNECTED FLOWER  浅井宣通(浅井宣通×Honda)/ NOBUMICHI ASAI(NOBUMICHI ASAI×Honda)  ARTIST NOBUMICHI ASAI ROBO DESIGNER TAMAE HIROKAWA ROBO 3D MODELING & ENGINEERING MUDSNAIL ROBO INTERACTION & ENGINEERING PROTOTYPE / ITK DATA VISUALIZATION DIRECTOR HIROSHI OKAMURA / RYO AKIYAMA CINEMATOGRAPHER HIROAKI MURANAKA FILM DIRECTOR ERIKO NODA ART DIRECTOR CHIE KAKINUMA MUSIC/ TEASER FILM LEO SATO MUSIC/ INSTALLATION hatis-noit PROJECTION TECH PRISM WEB PRODUCTION katakuriko PROJECT MANAGER TAKATO HENMI CREATIVE PRODUCER KAZUHIKO KAMEDA
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CONNECTED FLOWER
「コネクテッドフラワー」と題されたこの作品。世界で今起こっていることを可視化しているんですが、さて、この無数の粒上のもの、なんだと思われますか? 実は世界中でまさに今、この瞬間にツイートされている「LOVE」「PEACE」という言葉が含まれているやりとり。その点が無数に集合して線になり、中央の花を咲かせている、という作品なんですね!

実際に見ていると次から次に世界中のあちらこちらから湧き出てくる点がすべて「LOVE」「PEACE」なんて、ちょっとびっくりじゃありませんか!

確かに現在、ネットに点在する言語は誰もが拾い集めることが可能で、それはマーケティングであったり、トレンドワードとして研究の対象になったりもします。でも、それらをこのような形で表現するなんて、いやいやず〜っと見ていたかったですね〜。
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Street Debater  木原共/Tomo Kihara 写真/川崎美波/Minami Kawasaki
さて、この上の写真。デジタルでもテクノロジーでもありませんが、もしかしたらとってもアートなのかも、と思わされた作品です。可視化、と言ってもこれは"意思"を可視化したもので、しかも手法はいたってアナログ。けれども今回のMATで一番考えさせられたのがこちらでした。

「Street Debater(ストリート・ディベーター)」と題されたこの試みは、路上で問題提議をすることで、生活困窮者がただ物乞いをするのではなく、人間の尊厳を損なわずにお金を稼ぐことができるということを証明しているんですね。

実際、ただ「お金をください」というだけでは集められなかった金額を例えばイギリスのEU離脱問題を提議して「残るべきか離脱すべきか」と問いかけるだけで、かつての何倍ものお金を得ることができたそう。人は目的や意思をもてば、自発的にお金を出す、ということを可視化しているんですね。
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Street Debater
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他にもまだまだ自分を発見させてくれる作品や試みがたくさんあったのですが、こちらではここまで。

デジタル、テクノロジー、アートというとなんだか馴染めない世界のもののように捉えがちな方にこそ、ぜひ体感いただきたいこちらのイベント。

実はそれらはあくまで自分を再発見するための媒介なのだということを感じさせてくれますから。

ちなみに、そんな小難しいことを考えなくても、遊園地のアトラクションのような楽しみ方も十分にできちゃいます(実際、カップルや子供達の来場者多数!)から、次回開催の折にはデートでも来場も大いにオススメします!

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