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2020.11.05

「SAKE HUNDRED」ペアリングディナーで日本酒の明るい未来を見た!

日本酒とワイン……共通項は多いのに、なぜ日本酒はワインほど世界的なメジャーにならないのか? 未来志向の日本酒を創るSAKE HUNDREDのディナーへ出かけ、日本酒の果てない可能性に気づきました。

CREDIT :

文/秋山 都 

「適正価格ってなんだろう?」
百貨店のお酒売り場で、考えていました。その日は友人へのギフトとしてお酒を選ぼうと思っていましたが、自分でも飲んでみたいなと思うワインはだいたい1万円超え。その日の予算だった5000円前後で探そうと思うと……なかなかないなぁ。

では、日本酒ならどうだろう。おお、ワインと同じくらいの容量(ワインは1本750ml、日本酒は四合瓶720ml)で、メジャーなアイテムがずらりと5000円以下。私が飲んでみたいと思ってた人気銘柄も、意外に求めやすい価格で並んでいます。これなら2本買えちゃうかも。

と、この日以来、ワインと日本酒の価格差が気になっていました。ご存知のとおり、ワインはブドウと酵母から生まれる農作物。日本酒は米と麹と水からつくられる、同じく農作物です。工程は一部機械化されているところもありますが、基本的には人が手をかけて丁寧につくるのも同じ。また、日本とフランスなら人件費も同じくらいでしょう。でも、たとえばロマネ・コンティのような高級ワインが1本数十万円という価格がつくのに対し、日本酒は?? そうか、日本酒には熟成という概念が浸透していないから、価格が上がらないのかな? 

もちろん安価であるのは消費者としてありがたいことですが、価格が低いままでは、日本酒がSAKEとして世界で勝負していくにあたり、ワインのような市場の拡大は望めないことでしょう。日本酒、こんなにおいしいのにもったいないなぁ……とぼんやり考えていたところ、すべての懸念をパァっと払ってくれるような方に出会えました。

あ、申し遅れました。私はLEON.JP食いしん坊担当の秋山 都です。お酒大好き、酔っ払い担当でもあります。
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「心を満たし、人生を彩る」日本酒ブランド

◆ SAKE HUNDRED

▲「SAKE HUNDRED」の生みの親である株式会社Clear代表取締役の生駒龍史さん(撮影/吉澤健太)
それがこの方、生駒龍史さん。日本酒専門メディア「SAKETIMES」で伝え手として日本酒の魅力を発信しつつ、自らも日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」を立ち上げ、日本酒を高付加価値製品として世界的に認めてもらえるものにしよう、ひらたく言えばワインのようにしよう、という明確なビジョンを持っている起業家です。

生駒さんの考えていることはとってもクリアで、まず突出して最高品質の日本酒をつくる→最高品質に見合う経験の提供(つまりデザインやサービスも向上させる。結果、ブランディングが確立される)→世界の人々に日本酒を飲んでもらって日本酒産業を発展させるというもの。このあたりは彼のインタビュー記事などを探して読んでいただくとして、日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」のデビュー作品でもあった「百光(びゃこう)」は、世界的な酒類コンペティションで金賞に輝くなど大変話題となっていました。

私も飲んでみたいと思っていましたが、この「百光」は生産本数も限られているうえに、販売されれば即完売してしまう人気商品。「いつか飲みたい!」と事あるごとに口にしていたら、「SAKE HUNDRED」と「ザ・ペニンシュラ東京」でのお料理をペアリングさせるというディナーがあるとお知らせいただきました。言霊のパワーってあるんですね。望みはこれからも口に出していこう。
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「ザ・ペニンシュラ東京」でのペアリング・ディナー

さて、この日は「ザ・ペニンシュラ東京」スカイルームでのペアリングディナー。お料理ひと皿に対し、「SAKE HUNDRED」のお酒が1アイテムずつペアリングされ、サーブされます。
▲「信州サーモンのグラブラックス ラ・フランスのセルバチコ」×「百光(びゃこう)」
まずひと皿めはねっとりとした旨味の強いサーモンに、「百光」の甘やかな味わいが引き立つペアリング。ラ・フランスのさわやかな香りが「百光」のみずみずしい香りと同調しているようで、「もっと飲みたい、食べたい」と思わせます。

「百光」は山形県産の酒米、出羽燦々を18%まで精米し、最高峰の製造技術によって仕上げたという、一切の雑味がないお酒。「日本酒の透明感ってこういうことなのね」と、飲めば納得できるお酒です。
▲「ズワイ蟹と雲丹のファルシ 焼き茄子 ふじ林檎」×「思凛(しりん)」
お次は、やはり18%まで磨いてクリアに仕上げた原酒をジャパニーズオーク(ミズナラ)の樽で熟成させたという「思凛(しりん)」。私、このお酒がいちばん好きでした。目を閉じてひとくち含んだら、青森の奥入瀬渓流にいました(あくまで私の場合です。自分が原風景と思っている森へ飛んでいってしまう、という意味で)。幸せな空気がつまったシャボン玉の中に入ってプカプカ浮いているような感じもあったでしょうか。いや、すごいお酒でした。
▲「金目鯛と松茸フリット 和風ベアルネーズ」×「天彩(あまいろ)」
さらに旬の金目鯛と松茸のフリットには濃密な味わいのデザート日本酒である「天彩(あまいろ)」を。いままでの日本酒が5℃でサーブされていたのに対し、この「天彩」は15℃でサーブされるなど、そのお酒の特色を際立たせるサービスの仕方も印象的でした。

この「天彩」は仕込み水の一部に日本酒を使って醸造したお酒。こっくりと丸味のある味わいは少しシェリーにも似ています。デザート日本酒だから食後に、という既成概念をくつがえすこのペアリング、面白かった。
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▲「フォワグラのポワレ ポルチーニ茸のヴルーテ ヘーゼルナッツのクランブル」×「???」
さあ、晩秋らしく濃厚なフォワグラのポワレに合わせたのは……く~、書きたいけど、このお酒は来年数百本限定で販売されるものらしく、ここではまだご紹介できないのだそうです。ごめんなさい。お米を限界まで磨いたという、突き抜けるような透明感がすごい、とだけ申し上げておきましょう。
▲「国産牛フィレ肉のグリル 黒大蒜のピューレ」×「現外(げんがい)」
メインのビーフに合わされたのは、「現外(げんがい)」。これまたすごいお酒でして、1995年の阪神淡路大震災で被災した酒蔵で、奇跡的に倒壊を免れたタンクの中のお酒だそう。あれから25年……長期熟成により、複雑性と円熟を増した風味は他の追随を許さない、まさに唯一無二な味でありました。日本酒もこうしてヴィンテージで熟成できるなら、いろんな可能性がありそうですね。
▲左より「思凛」720ml38,000円、「百光」720ml25,000円、「天彩」500ml14,000円、「現外」500ml150,000円、すべて税別。
この日いただいたSAKE HUNDREDのラインナップ。どれも個性豊かで味わいのタイプはさまざまなのに、飲み疲れず、軽い酔い心地。「日本酒の未来は明るい!」とポジティブな気持ちで夜の街へ繰り出しました。

SAKE HUNDRED

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