2019.09.12

「納豆そば」は邪道なの?

納豆そば。おそらく、好きな人からすれば当たり前の存在で、未経験の人からするとやや正体不明のシロモノでしょう。最近ではお品書きに入っている店も増えましたが、江戸スタイルにこだわる店にはいまだにない。さて、このそばは邪道なのでしょう?

CREDIT :

文/高橋大(LEON.JP 副編集長)

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こんにちは、LEON.JPのタカハシです。
残暑厳しいおり、みなさまいかがお過ごしでしょう?

今週は「音楽を纏え!」特集をお送りしておりますが、ご覧頂けたでしょうか?
少し趣向の変わった音楽特集ですので、ぜひご一読頂ければ幸いです。

さて、今回のお題は「納豆そば」であります。
私事で恐縮ですが、タカハシは子供のころからこれが大好物でして、
とにもかくにもそばといえばこれなんであります。

そばと納豆。この組み合わせを私は鉄板コンビと信じて疑わないのですが、
その昔は、納豆そばを好物というと、あからさまに眉をひそめられることも少なくありませんでした。

幼少から大好物だった私としては、その反応がまったく腑に落ちず、とにかく「食え!」と、そういう方には、有無を言わさず口に押し込んだものでございます。

納豆嫌いの方にはもちろんおすすめいたしませんでしたが。
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なので、納豆そばは、蕎麦文化における正統なる一員であると、疑うことなく40数年生きてきたわけですが、調べてみると、どうやら私のその考えはやや違っていたようです。

そばと納豆の奇跡のマリアージュはどうも戦後らしいんです。
というのも、江戸時代の納豆は器に付いた納豆菌による天然発酵だったとかで、出来がかなり不安定で、それほど流通量も多くなかったそう。
明治期にかなり衛生的かつ合理的に納豆を製造する方法が研究されたようなのですが、
冷蔵技術が未発達の時代ゆえに、供給量には地域差があった模様。(by wiki)

だったら、明治期には「納豆そば」が発明されていたって良さそうなものですが。

まぁ、そこはしかたありません。江戸時代にお品書きされていない時点で、正統と認めない方もいらっしゃる蕎麦界でありますから、そこは亜流、邪道に甘んじたいと思います。

言葉を変えればイノベーターなわけで、私の趣向にはこちらの方がピタりとくるってもんでい、と江戸っぽくいってみたりしましょう。

さて、こんなことをだらだら言いたくて今回のお題にしたわけじゃないんです。

ここからが本題。ですが、この先は、納豆そばがお好きな方、もしくはよく食す方のみに読んで頂きたいと思います。
みなさん、納豆そばは最初にしっかり混ぜますか? それともちょっとずつ混ぜますか?

私は後者、ちょっとずつ派。
なぜかといえば、その一皿で蕎麦と納豆を味わい尽くしたいという、極めて食い意地のはった理由ゆえ。
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どう食すかといいますと。
まずひとくちめは、そばのみをすすり、蕎麦の香りを堪能します。
ふたくちめに、卵黄を少し崩し、そばをちょいと絡めてすする。
その後、納豆のみを箸ですくい、ひょいと口に放り込む。
そのターンを2〜3繰り返し、十分味わったあと、残り1/2くらいのところでようやく納豆と卵黄、そばを混ぜ合わせながら食します。但し、一気に全部は混ぜず、和える配合を変えながら、味わいの違いを愉しむ。

というのが、タカハシの幼少からの納豆そばの頂き方であります。
どこかに同じ癖の方もいらっしゃるのでしょうが、いまだに出会えていません。

例外では、最初にすべてしっかり混ぜ合わさった状態で出てくる「虎ノ門砂場」の納豆そば。
あれは私にとってはちょっとしたカルチャーショックでした。まるでラテのように、ふわふわに攪拌された出汁と納豆と卵のコンビネーションはまた別種の美味しさでしたから。

ちなみに冒頭の写真は「神田まつや」の納豆そばです。
私が幼少から大好きだったのは、練馬にあった名店「田中屋」の納豆そば。
納豆とともに一片のクルミが入っていたのが印象に残っています。

おなかが空いてきたのでここらで終いに。
ではまた!

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