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2021.11.07

【独占インタビュー&助手席レポ-ト】

鈴木亜久里氏が『ランボルギーニウラカン STO』を280㎞/h走行!

元・F1ドライバー鈴木亜久里氏が「最高にバランスの良いクルマ」と大絶賛の『ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)』。これはレース用車両を公道で走れるようにしたモデル。筆者も挑戦した富士スピードウェイでの試乗&亜久里氏の助手席レポートをお届けする。

CREDIT :

写真/You Ishii 文/近藤高史(LEON) 動画編集/金田 亮

ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)
富士山くっきり!な秋晴れのなか、紅葉を思わせる色とりどりな6台の『ランボルギーニ ウラカン STO』が富士スピードウェイのパドックにズラリ。そう、今日はランボルギーニによる試乗会。選ばれしメディアのみが参加してのサーキット占有走行だ。それにしても『ランボルギーニ ウラカン STO』のベース価格は4125万円というから、2億5000万円が並べられた光景は圧巻そのもの。
こうしてインストラクターが乗るウラカンの後ろに2台のSTO×3組というフォーメーションによる、特別な試乗会が始まった。
 
と、その前に、ウラカン STOについて簡単にご説明しよう。
ウラカン STOはボディの75パーセントがカーボン製で、これによりウラカン ペルフォルマンテに比べて43㎏も軽量化に成功(総乾燥重量は1339㎏!)、さらにダウンフォースを50%以上アップさせたモデル。シートひとつ、ネジ1本に至るまでレースさながらに削ぎ落とされたボディとなっている。

強烈なダウンフォースを生むボンネットは通常のクルマとは逆に前側に向かって開き、そこにはヘルメットを収納できるスペースのみがぽっかりと空洞になっている。またボディ後方に目を移すと、サメの背びれを彷彿させるかのような通称セントラルシャークフィンが、また3ポジションに調整可能なリアウィングなど、これでもかというくらいにエアロパーツが目白押し。
 
RWDのエンジンに目を移すと、自然吸気V10エンジンは640ps/565Nm、0-100km/h加速タイムは3.0秒、最高速度は310km/hというパワーを発生させる。足まわりにはこのクルマのために開発されたというブリヂストン製『ポテンザ』にマグネシウムホイール&カーボンセラミック系のブレーキディスクという組み合わせを採用。もちろんこれはレース車両に採用されているブレーキングシステムを受け継ぐもので、従来のブレーキに比べて熱伝導率は4倍も高く、最大制動力は25%向上しているという。

またステアリングホイールに取り付けられたドライビングモード切り替えセレクターからしてやる気満々で「STO」、「トロフェオ」、「ピオッジア」となっているのもウラカン STOならでは。わかりやすく言えばこれらは「スポーツ」、「レース」、「ウエット」の3段階で、こんなところもサーキット由来な気分を味わえるのだ。
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ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)
▲ 秋晴れの富士山が見守るなか、筆者もテストドライブ。直線では270km/hを計測するなど、実に運転しやすいクルマだった。
そんなモンスターマシン、果たしてしっかり乗りこなせるのだろうか──。何と言っても全長1475メートルのストレートが醍醐味の富士スピードウェイ。最終コーナーの立ち上がりから加速をして時速何㎞/hまで出せるかドキドキしながらヘルメットを装着し、ドライバーズシートへ。ウラカンおなじみのエンジンスイッチを押してスタートさせると、5.2リッター、V10エンジンが朝のサーキットに咆哮をとどろかす。
 
まずはドライブモードをSTOにしてピットロードからコースイン。素人でもまず感じたのはボディの軽さ。ステアリングフィーリングからもアクセルフィーリングからもそれを真っ先に感じられる。そしてブレーキもタイヤも(タイヤに関しては後述)まだ温めきっていないはずなのに危なげなくコーナリングをこなしていくではないか! コレはきっとカノジョを連れてサーキットに来ても格好つけられる1台に違いないと確信。
 
周回を重ね、少し慣れてきたところで最終コーナーの立ち上がりからアクセルを踏み込んでみる。2速から3速で引っ張りあっという間に100㎞/hを越し、4速、5速……。素人ながら270㎞/hまでスピードを出すことに成功。もちろん第1コーナーは、その強烈なブレーキングシステムにより安全に曲がることができた。ココまでの限界走行は一般道ではする機会もないのだが、コレだけのスペックをもつクルマなら絶対な安心感と優越感をもってドライブできると思った次第。
ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)
ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)
▲ サーキットは数年ぶりという鈴木亜久里氏の闘争本能に火が着いた!? このあと、全開走行モードに!
そしてこの日の試乗イベントのもうひとつの(個人的な)お楽しみが元・F1ドライバーである鈴木亜久里氏の助手席インプレッション! LEONだけのスペシャル・プログラムが用意されていたのだ。
 
なぜ、亜久里氏がランボルギーニを試乗するのかというと、このたびのランボルギーニ ウラカン STOに採用されたタイヤが「ブリヂストン ポテンザ」。ブリヂストンタイヤがランボルギーニのスーパーカーに採用されるというビッグニュースに、ブリヂストンタイヤを知り尽くす亜久里氏もテストドライブを、となったのだ。
ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)
▲ ついにお待ちかね、鈴木亜久里氏との同乗走行。キレッキレなドライビングテクを堪能させてくれた。
同乗させていただく前に、すでに数周のウォーミングアップ走行をしていた亜久里氏。でも聞けば、サーキットを走るのは数年ぶりという。素人の自分が肩も腕もパドルシフトを触る指までもわりとガチガチになっているのに対し、実に柔らかく滑らか(当たり前か)。
3速、4速あたりで70㎞/hから170km/hあたりまでを引っ張ったかと思えば、今度は6速から2速まで一気に落としたり。ブランクなどまるで感じさせず意のままにマシンを操るのだ。そして印象的だったのがタイヤを“キィー、キィー”と言わせながらも横滑りするでもなく走らせ、前を行くインストラクターとはまったくちがうコース取り。そして最後は282km/hという最高速度をストレートで出してくれた。助手席の試乗インプレッション後、亜久里氏に聞いてみた。
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「一般道だけでは物足りないかも」(笑)

ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)
──ズバリ、ランボルギーニ ウラカン STOの試乗した感想は?
亜久里氏 エンジン、タイヤ、ボディ、ブレーキ、それらが非常に高いトコロの平均点でマッチングしているよね。乗り心地とかバランスもとてもいい。クルマのカタチとか見た目はめちゃくちゃ個性が強いのに(笑)、乗ってみるとめちゃくちゃバランスが良くて、速く走ることがたいへんじゃなくて面白いクルマって印象かな。
 
──“速く走ることがたいへんじゃない”って、おもしろい表現ですね。

亜久里氏 うん、サーキットを走るって、けっこうたいへんなのよ、クルマをコントロールしながら、時に修正しながら走るのって。でも、このクルマは性能が本当に良いからタイヤもエンジンもそうなんだけど、バランスが良いんだよね。
 
──亜久里さんの言う、乗り心地の良さとは?

亜久里氏 硬くてゴツゴツした足まわりでコーナリングしていくのではなく、ちゃんと足も動いていて路面状況もキレイに拾いながら、タイヤからのインフォメーションもしっかりクルマが拾ってドライバーに伝えながら走ってくれる感じって言うのかな。教科書のお手本のような乗り心地なわけ。
 
──バランスの良さはそれほど重要なんですか?

亜久里氏 実はココが本当に凄い!という部分があるのかもしれないけど、それすらもバランスの良さで消えちゃってるんだよね。クローズアップするところがないの。
ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)
▲ この日、亜久里氏が着用していたのは『ARTA CVSTOS』。サーキットが出自という唯一無二のラグジュアリー高機能ウエアだ。
──公道仕様ですが、一般道を走ったらどうでしょうね?
 
亜久里氏 きっと、物足りないんじゃない(笑)。ずっとアイドリングして走っているみたいになんじゃないかな。能力を出し切れないはずだから。だってストレートで280km/h出して、そこからブレ-キングして2速まで落としてもまったくクルマはブレないし流れなかったでしょ。
 
──LEONは“モテる”をテーマにしています。このクルマ、亜久里さんから見て、どんなところがモテると思いますか?

亜久里氏 もうね、サーキットを走るしかないかもね(笑)。カノジョとか奥さんを連れてサーキットに来て、走る姿を見せる。あ、でも、凄さがわからないかも。だって危なげなくポテンシャル高く走れちゃうから、誰が運転してもそこそこ速く走れちゃうんで(笑)。
 
──ランボルギーニと亜久里さんと言えば、F1のドライバー時代に3位表彰台を獲得したこともありますが、ブランドイメージってどうですか?

亜久里氏 はっきり言って良くなかったの(笑)。1990年だったっけかな、イタリアの本社工場に自分のクルマを受け取りに行ったことがあって。ところがギヤは入らないしテールランプは雨漏りするしで、驚いて工場に戻ったの。このクルマ、おかしいよって。そうしたら「ランボルギーニはこういうもんだ」って逆に怒られてね(笑)。だから今回の試乗のお話をいただいて実際に乗ってみて、あまりの違いに驚いたよ。
ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)
ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)
▲ ウラカン STOが履く『ブリヂストン ポテンザ』と鈴木亜久里氏。ランボルギーニにブリヂストンタイヤというニュースは、クルマ業界のみならず話題となっている。
──では、そんなイタリアのランボルギーニが今回のウラカン STOに選んだタイヤが「ブリヂストン」製の『ポテンザ』です。このクルマのために開発をしたと聞きますが、フィーリングはいかがでしたか?
 
亜久里氏 クルマとのバランスが良いからという前提でお話をすると、温まっているのかいないのかわからない段階でも、安心してドライブできるんだよね。普通は、温まってからじゃないとタイヤは機能し始めないから。それが、200km/hでコーナリングしても、低速でピットロードを走っても、乗り心地の良さを両立させるタイヤって凄いと思うんだよね。

本来はレースで勝つためにタイヤを開発するわけだから、低速域、ましてや公道での使用なんて考える必要がないわけで。それに、転がり抵抗を感じないんだよね。それでいてグリップもする。コレって大事なことで、燃費だって良くなるし、スピードも出やすいし、加速もしやすいわけだから。もちろん安全にも繋がるしね。このクルマにこのタイヤって開発をされたタイヤをはくって、すべての面でクルマのバランスが良くなることなんだよね。
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まだまだ現役で走れるのでは!?と思ってしまうほどのアグレッシブな走りとトーク。でも、何が凄いって、元・F1ドライバーをも本気にさせてしまう『ランボルギーニ ウラカン STO』というマシンのポテンシャルの凄さをまざまざと見せつけられた一日となった。
ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)

『ランボルギーニ ウラカン STO』

全長×全幅×全高:4549×1945×1220㎜ 車重:1339kg
エンジン:5.2リッター V型10気筒DOHCガソリン
最高出力:640ps/8000rpm 最大トルク:565Nm/6500rpm
トランスミッション:7DCT 駆動方式:RWD
タイヤ:(フロント)245/30R20(リア)305/30R20ともにブリヂストン ポテンザ
価格:4175万円~/ランボルギーニ(ランボルギーニ カスタマーセンター)

ランボルギーニ ウラカン STO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)

鈴木亜久里(すずき あぐり)

1960年生まれの元レーシングドライバー。日本人としてふたりめのF1フル参戦を果たし、日本人初の表彰台を獲得。現在はARTA(AUTOBACS RACING TEAM AGURI)の総監督を務める。

◾️ お問い合わせ

ランボルギーニ カスタマーセンター 0120-988-889

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