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2021.07.25

【好評連載】
モータージャーナリスト・大谷達也の「自動車メーカーのブランディング」【Vol.2】

ランボルギーニとアルマーニのイタリア~ンな関係

高級自動車におけるブランディングとは何か? それは世界の名だたるラグジュアリーブランドの戦略とどう違うのか? モータージャーナリストの大谷達也さんと、LEON編集部員が両者の意外な関係に迫る連載です。第2回はイタリアンブランド同士『ランボルギーニ×ジョルジオ アルマーニ』。

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文/大谷達也 構成/近藤高史(LEON)

高級自動車と呼ばれるクルマほど、顧客のマーケティングを行い、自社ブランドを見つめ直し、デザインからスペックまで作り込む傾向にあります。それをモータージャーナリストの大谷達也さんと、LEON編集部の堀川副編集長とクルマ担当デスク近藤が一緒に考えてみたら、世界の名だたるラグジュアリーブランドと自動車ブランドの共通点には新しい発見の連続!
【対談参加者】
大谷達也 自動車ライター。自動車専門誌を経てフリーランスに。語学力を生かした取材力で自動車ブランド本国エンジニアの信頼も厚い。LEON本誌の連載等でもおなじみの評論家。

堀川正毅 LEON副編集長。主にファッションを担当。例年、イタリアのファッションウィークを現地取材するなど、国内外のブランドに精通。食と酒にも詳しく、趣味は週末のオートキャンプ。

近藤高史 LEON編集デスク。主にクルマ、宿、ゴルフなどライフスタイルを担当。LEON、LEON.jpのクルマに関するすべての記事を統括。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員としても活動。
大谷 堀川さん、ランボルギーニっていうと、何を思い浮かべますか?

堀川 やっぱり、あのクサビ形っていうんですか、先が鋭く尖って背の低いスポーツカーを思い起こします。

大谷 そうですよね。それって原型は、カウンタックというクルマなんですが、現在ラインナップされているアヴェンタドールもウラカンも、基本的なデザインはカウンタックに通じるウェッジシェイプに仕上げられています。

近藤 子供の頃からスーパーカー消しゴムとかで見てきたでしょう(笑)。

堀川 たしかに(笑)。そもそも、ランボルギーニってどんなふうにして誕生したブランドなんですか?
▲ フェルッチオ・ランボルギーニと農業用トラクター。
▲ 現在のランボルギーニ社の本社ビル。イタリアのボローニャ・サンタアガタにある。
大谷 農業用トラクターの生産などで財を成したフェルッチオ・ランボルギーニが1963年に興したスポーツカーメーカーがランボルギーニ・アウトモビリです。フェルッチオはもともとクルマ好きで、フェラーリとかマセラティみたいな伝統あるスポーツカーを愛用していたそうなんですが、「自分だったら、もっといいクルマが作れる」という信念から、世界最高のスポーツカーを作ることを目標にして設立されたのが、このランボルギーニでした。
近藤 イタリアのモデナとかボローニャとか、ランボルギーニやフェラーリ、マセラティの本社がある辺りには、いくつもの博物館やミュージアムがあって、そこに行くとランボルギーニのトラクターとかがズラリと並んでいてめちゃくちゃ面白い。で、最初は趣味で購入したフェラーリを自分で修理しようとしたところ、トラクターで培った技術や知識が意外と使えることがわかり、フェラーリへの対抗心というか、そんな気持ちからスーパーカーづくりを始めたんだとか。だから最初は、350GTやミウラみたいに、どちらかといえばエレガントなスタイリングのモデルをリリースしていたんですよね?

大谷 近藤さん、よくご存じですね。そうなんです。ところが、1973年に誕生したカウンタックがランボルギーニのイメージを決定づけて、それが現在まで引き継がれていると考えていただければいいと思います。

堀川 なるほど。とすると、ランボルギーニのエスタブリッシュメントには、アンチテーゼ的な意味合いがあったわけですね?

大谷 既存勢力に対する挑戦という気持ちは、間違いなくあったと思います。それを、独創性や革新性をもって成し遂げたのがランボルギーニの歩みだったと私は捉えています。しかも、フェルッチオが一代で興した会社が、60年近く経たいまも、スーパースポーツカー界の最前線を突っ走っているところが興味深いですよね。

近藤 愛用していたけど、どこか物足りない。自分だったらこうしたい。そんな思いでブランドを立ち上げる。なんか、ファッション界にも聞く話だと思いませんか?

堀川 まさに! そういう話を聞いていると、ランボルギーニとジョルジオ アルマーニさんの間には、共通点があるような気がしてきました。

近藤 お! 来た来た(笑)。
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堀川 アルマーニさんは、ミラノの『リナシェンテ』という百貨店のバイヤーから身を起こしています。当時、アルマーニさんは「服に大金を払うことを惜しまない富裕層を、満足させるのにとても苦労した」ということを語っています。つまり、彼らを満足させる服がなかったんですね。その理由は「あまりに堅苦しくて、誰が着ても同じに見える」という点にあったそうです。もともとスーツって、七難隠すじゃないですけれど、ギチギチに身体を補正する役割があって、だからお腹を凹ませて肩をいからせることで、男の人を強そうに見せる意図がありました。

大谷 アルマーニさんが、そこに風穴を開けたんですね。
▲ いかにもアルマーニらしいスーツスタイル。© Giorgio Armani
堀川 そうなんです。スーツで言えば芯を抜いたり、柔らかい素材を導入して身体に沿うようなものを仕立てていったんです。それも最高級の素材でね。つまり、コンストラクションを壊していった。だから“アンコン”と呼ばれているわけですが、そうやってラグジュアリーなのにリラックスして着られるお洋服を作った最初の人と言っていいと思います。

近藤 つまり、それまでの常識をひっくり返しちゃったわけですね。

大谷 そのあたりは既存勢力に対して「オレだったら、もっといいクルマが作れる」と考えたフェルッチョさんに通じるところがありますね。

堀川 しかもアルマーニさんはたった一代で、もはや王国といってもいいくらいの巨大ブランドを作り上げた。そしていまもフルスロットルで走り続けているクリエーターなんです。

近藤 もうひとつ、アルマーニさんで興味深いのは、次々と新しい分野に挑戦していること。ブランドにしても『ジョルジオ アルマーニ』から始まって『エンポリオ アルマーニ』、そのスポーツラインの『エンポリオ アルマーニ EA7』、さらには『A|X アルマーニ エクスチェンジ』と次々と新機軸を打ち出してきて、レストランやインテリアまで手がけるほど。そういうところって、スーパースポーツカーメーカーでいち早くSUVのウルスを発売したランボルギーニと似ているような気がします。

堀川 ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)さんはジャンフランコ・フェレ(Gianfranco Ferre)さん、ジャンニ・ヴェルサーチ(Gianni Versace)さんと並んで1980年代には「ミラノの3G」なんて呼ばれていました。そんな過去があるのだから、売れた服を金太郎飴的に出し続けても十分ビジネスとしては成立するはずなんですが、攻めの姿勢を忘れないなんてところもランボルギーニに近いのかもしれませんね。

大谷 近藤さんが名前を挙げたウルスですが、実はランボルギーニは1980年代にもLM002というSUVを発売しているので、歴史的に一貫しているという見方も成り立ちます。

近藤 それは知りませんでした! でもイタリアで見たトラクターにもアイコンの猛牛がすでに付いていたし、一貫しているのはわかります。
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堀川 それでいえばアルマーニさんも一貫していて、いまもアンコンの柔らかいジャケットを作り続けている。それがトレンドがひとまわり、ふたまわりして80年代とか90年代のリバイバルが起きているから、いまアンコンを着ていると「あ、この人、わかっているな」と見られるようなところがある。

近藤 アルマーニさんは、ひと時代を築いたというだけじゃなくて「築き続けている人」って言えるよね。そういう意味では、ジョルジオ アルマーニとランボルギーニは同じイタリア同士かつ、一貫してものづくりをしてきたブランド同士、相性が良いと言えそう。

大谷 じゃあ、ジョルジオ アルマーニのどんなスタイルでランボルギーニに乗るとお洒落でしょうか?
▲ 7月11日で87歳になったばかりのアルマーニ氏と、向かって左側は現在のメンズすべてのブランドラインのチーフデザイナー、Pantaleo氏。© SGP
堀川 アルマーニさんのトレードマークってシンプルなネイビーのTシャツなんですね。それも極上のカシミア製で10万円以上する。それをずっと作り続けているんですが、さらっと着こなしてランボルギーニに乗るというのは格好いいかもしれません。

近藤 Tシャツの足元はスニーカーでもいいけれど、それでいてちゃんとジャケットとかスーツを着ているというのが格好いいと思いますよ。

堀川 そうですね。ジョルジオ アルマーニのスーツは柔らかくてストレッチが利いているから動きやすい。そうやって、窮屈じゃなくてリラックスもできるけれど、ピシッとして見えるのがアルマーニのスーツ。ランボルギーニ自体がすでに強印象なデザインなので、そんなシンプルなスタイルでまとめたほうが、オシャレさが際立つかもしれません。

大谷 なるほど。ジョルジオ アルマーニのシンプルなスーツに、Tシャツとスニーカーを組み合わせてランボルギーニに乗る。洗練されたお洒落な感じがしますね。今回もありがとうございました!

■ お問い合わせ

ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070
ランボルギーニ カスタマーセンター 0120-988-889

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