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2018.03.09

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【Vol.1】相澤陽介氏がデザイナーに就任。現場を視察!

「トヨペット店」メカニックスーツのリニューアルをLEONと相澤陽介氏が手がけるというビッグプロジェクトを追ったドキュメントシリーズ、第一弾! 相澤氏がメカニックの声を聞くため、現場へと赴く。

CREDIT :

写真/福本 和洋(MAETTICO) 取材・文/竹内 虎之介(シティライツ)

ホワイトマウンテニアリングの相澤陽介氏がデザイナーに!

2017年1月、トヨペット×LEONによるニュープロジェクトがスタートしました。それは、2018年春、全国トヨペット店のメカニックスーツを10年ぶりにリニューアルするというもの。
トヨペット店は全部で4つあるトヨタ系列販売チャネルのひとつで、ハリアーやアルファード、マークXなどを取り扱う販売店。そこでクルマの点検・整備にあたるメカニックたちのウェアを、LEONプロデュースのもと、新世代デザインへと一新することに。
 
そのデザインをお願いしたのは、『ホワイトマウンテニアリング』のデザイナー、相澤陽介氏。類い稀なる感度の高さに加え、ワークウェアやスポーツウェアへの造詣も深く、なおかつモンクレールやバートン、アディダスといった世界的なブランドとのコラボレーションワークを数多く手掛ける、相澤氏なら適任と、編集長前田が推薦したのでした。
というわけで、この一大プロジェクトの模様を、全4回に渡りシリーズでお届けします!

デザイナー相澤陽介氏がメカニックスーツの現場を視察

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メカニックたちの話を聞く相澤氏。現状のメカニックスーツに対する共通する意見、異なる意見を丁寧にヒアリングしていくなかで、新たなデザインの核となるコンセプトを探る。
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プロジェクトのオファーを快諾してくれた相澤氏が、最初にリクエストしてきたのは実際に販売店に足を運び、現場のメカニックたちの声を聞きたいというもの。その理由は、デザインは実際に着て使われることで完成する、という彼の哲学ゆえ。
メカニックスーツは機能性を重視する服である以上、それを着る人の意見を聞かなければ始まらない、というわけです。
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メカニックを目指す整備学生にとってメカニックスーツのデザインは就職先を決めるときのポイントにもなるそう。
雪の舞い散る2017年2月、トヨペット店の何店舗かで、トップクルーと呼ばれる上級メカニックを含む数十名の方にヒアリングを実施。すると、いくつかの共通する意見が浮き彫りとなりました。
ちなみに、現在のメカニックスーツは白地にトヨペット店のチャネルカラーであるグリーンをアクセントにしたデザイン。ゆえに「汚れが気になる」という意見も多数。もちろん白には“汚れが分かる”という機能的メリットがあることはみな分かった上での訴え。
さらに、「メカニックスーツを着たままで接客をする」ことがあることも判明。
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高度な技術を持ったメカニックにのみ与えられる「トップクルー」の称号。現在のスーツではワッペンのみで識別されている。
そして、チャネルカラーのグリーンには、誰もが“愛着”を持っていることも分かりました。
印象的だったのは、高い技能を備えたメカニックにだけ与えられるトップクルーの称号は、みなの憧れであり、トップクルー自身もその称号に誇りと責任を感じていたこと。
そこで、例えばトップクルー専用のメカニックスーツが用意されていたらどうか? と提案すると、一様に好感触でした。
 
興味深かったのは、機能性が変わらなければメカニックスーツが格好いいことはモチベーションの向上に繋がる、と多くの人が考えていること。とりわけ若いメカニックたちは就職先を決める際のポイントにさえなるそう。

核となる方向性を探る。キーワードは“見られる作業着”

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動きやすさ、耐久性、クルマに傷を付けない配慮など、メカニックスーツに求められる要素は多い。
トヨペット店でのヒアリングを終えた相澤氏は、すでにいくつかのデザインの方向性が浮かんだそう。
そうして出てきたキーワードは“見られる作業着”。その後、トヨタ自動車サイドとも打ち合わせをおこなった後、向かうべき方向性はさらに絞り込まれ、レースに携わるピットクルーをイメージした“格好いいメカニックたち”をひとつの理想形とすることに。
そこから導き出されたコンセプトは「チーム感があること」、「プロフェッショナル感があること」、そして「メカニックとしての誇りを持てること」の3本。
いずれも世界一のクルマを扱う販売店のメカニックにふさわしい要素。そうしてプロジェクトは本格的に動き始めたのでした。
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新メカニックスーツのデザイン案が完成。提案へ

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ヒアリングをもとに相澤氏が用意したデザインは3案。
1ヶ月後、相澤氏とLEONチームは3つのデザイン案を手に今回のプロジェクトで全国トヨペット店を取りまとめるトヨタ自動車へ再び向かった。そのデザインはトヨタ自動車の要望、トヨペット店でのヒアリング結果をふまえているのはもちろんのこと、実際に製作を手掛けるメーカー、イワタフクソー(株)との話し合いで得たリアルな課題もクリアされたもの。
相澤氏はイワタフクソー(株)との打ち合わせで、機能面における必須要素と自由度のある箇所も確認済み。例えば、メカニックスーツの前面にはジッパーやボタンを含めた一切の突起物があってはならないこと、ポケットは汗をかいても中身が濡れにくいようパッチポケット(外側から貼り付けたポケット)でなければならないこと、ヒップポケットにはキャップを折り畳んで入れることができるサイズを確保すること、などなど。
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現在のメカニックスーツのポイントを確認しながら新デザインを説明する相澤氏。
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新たなメカニックスーツのデザイン案を提案。3案が用意されたデザインは、いずれもトヨペット店のチャネルカラーである深いグリーンと、トップクルー用スーツのスペシャル感が強く印象に残るもの。
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相澤氏のデザインワークで興味深いのは、それらの要素をデザイン上の制約と捉えるのではなく、むしろそうした機能をデザインに昇華する方法を模索していく点。“見せる”というソフト面の機能、クルマの点検や整備に不可欠なハード面の機能、さらにはコスト面をも考え合わせたすべての留意点を高次元で組み合わせながら感度の高いデザインを構築していくテクニックはさすがの一言。
 
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どの案も魅力的で、さっそく会議にも熱がこもる。
さらに相澤氏は、3つのデザイン案に順位を付けずに提案。最も革新的なデザインから保守的なデザインへ、グラデーションを付けて提案するといったありがちなA、B、C案ではなく、すべての案に同じ意味と機能を盛り込み、違うのはただ表現の違いだけ。それでも明確にイメージの違う、3つの方向性を提示する。そうすることで実際に着る側がどのイメージを選びとっても、同じ効能を獲得できる。目に見える表現だけがデザインにあらず、というわけです。
 
提案した瞬間、会議室の温度がぐっと上がるほどの盛り上がりを見せた、メカニックスーツのデザイン。さてさてどんなモノだったのか?! についてはまた次回!
● 新メカニックスーツのデザインについて、詳しくはこちら

● 相澤陽介(ホワイトマウンテニアリング デザイナー)
 
1977年生まれ。多摩美術大学染織科を卒業後、コム・デ・ギャルソンを経て、2006年にホワイトマウンテニアリングを設立する。これまで「モンクレール」、「バートン」、「バブアー」といった世界的なブランドでスペシャルラインのディレクションを担当したほか、「ホワイトマウンテニアリング」と「アディダス オリジナルス」とのカプセルコレクションを発表。2018年春夏シーズンには「ハンティング・ワールド」のクリエイティブディレクターに就任。

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