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2018.02.04

Mercedes-Benz G Class

ゲレンデバーゲンが40年の時を経てついにフルモデルチェンジ!

1979年にデビューしたゲレンデバーゲンことメルセデス・ベンツ「Gクラス」。優れた走破性からNATO軍に軍用車両として正式採用。昨今は唯一無二の質実剛健なたたずまいが都市部の富裕層に受けるなど、今もなお高い人気を誇る。40年ぶりにフルモデルチェンジを最新型はどんなモデルに仕上げられたのか?

CREDIT :

文/大谷達也

初代そのままともいえるボクシーで無骨なエクステリアが最大の特徴
初代そのままともいえるボクシーで無骨なエクステリアが最大の特徴

ボクシーなスタイルは初代そのまま

背後から近づくと、垂直に切り立ったピラー類と平面ガラスを組み合わせた伝統のボクシースタイルが、まず目を惹く。近づいて見比べない限り、これが新型であることに気づかない人もいるのではないかと思えるほど、そのデザインは初代とよく似ている。

初代の特徴だったテールゲート上のスペアタイヤケースを脇目に見ながらボディのかたわらに立つと、こちらもよく見慣れた形状のドアハンドルが目に飛び込んでくる。ちなみにこのドアハンドル、形状がよく似ているだけでなく、前述のスペアタイヤケース同様、旧型のパーツをそのまま流用しているという。

リモコンキーでロックを解錠すると、耳に届くのは、あの懐かしいパシャっという音。この瞬間、いま自分が乗ろうとしているSUVが、40年近くの長きにわたって作り続けられてきたメルセデス・ベンツ「Gクラス」であることを思い知らされる。
ボディサイズは現行型に比べて全長が53mm長く、全幅は121mm広くなった
ボディサイズは現行型に比べて全長が53mm長く、全幅は121mm広くなった
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ドアを閉めた際のカシャンという音も初代を彷彿

どっしりとして握り応えのあるドアハンドルを手前に引いてドアを開け、運転席に滑り込んでドアを閉めると、ここでも聞き覚えのあるカシャンという音が響く。これを聞くだけで、Gクラスに抱いてきた安心感や信頼感まで蘇ってくるようだから不思議なものだ。

運転席から前方に目をやる。大型のデジタルディスプレイを2枚組み合わせたメーターパネルは最新の「Sクラス」と共通するものだが、なぜか不思議な既視感を覚える。

最新モデルであれば、強く傾斜したフロントウィンドウ、それにエアバッグを始めとするさまざまな装備を盛り込んだ影響で、ダッシュボードは奥行きの深い形状となるのが当たり前だが、Gクラスのそれは伝統にのっとって奥行きが浅く、コンパクトな大きさに仕上げられている。
インストルメントパネルの造形も先代を踏襲するが、大型ディプ例を2枚組み合わせたメーターパネルなど、中身は最新型
インストルメントパネルの造形も先代を踏襲するが、大型ディプ例を2枚組み合わせたメーターパネルなど、中身は最新型

奥行きが浅いダッシュボードも初代を踏襲

これは、平面ガラスを用いたフロントウィンドウがほぼ直立していることにくわえ、技術陣が苦心してダッシュボードを薄く仕上げた恩恵といえる。

そこから視線をややセンター寄りに移すと、センターコンソール上に並んだ3つのスイッチに気づくはず。これは、フロント、センター、リアの各ディファレンシャルギアをロックさせるためのもので、初代Gクラスのオフロード性能の高さを示すと同時に、インテリアデザインの象徴ともなっているもの。

その隣に並ぶパッセンジャー用のアシストグリップも、Gクラスで見慣れた装備のひとつ。つまり、Gクラスは新型に切り替わってもあるべきものがあるべきところにとりつけられているのだ。
デトロイトモーターショー2018では、ド派手な演出とともにデビューを果たした
デトロイトモーターショー2018では、ド派手な演出とともにデビューを果たした
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1979年にデビューして以来、初のフルモデルチェンジ

1月に開催されたデトロイトショー2018で、メルセデスベンツの新型Gクラスが発表された。1979年にデビューして以来、今回が初のフルモデルチェンジだ。このライフサイクルはメルセデスとしても異例の長さ。それだけに、Gクラスのイメージはファンのあいだで確立されているといっていい。

このためメルセデスとしても慎重にフルモデルチェンジを行わざるをえなかった。デザインやさまざまな印象は、できれば誰にも気づかれないくらい初代に近く。しかし、走行性能、環境性能、安全性は最新モデルと同じ水準に……。開発陣は極めて困難なチャレンジに立ち向かうことになった。

ちなみに、本稿の前半部分は、私がこれまで取材した内容をもとに、新型Gクラスに乗り込む印象をシミュレーションしたものだ。
フロントサスペンションをダブるウィッシュボーン式とすることで乗り心地や操縦性が大きく向上
フロントサスペンションをダブるウィッシュボーン式とすることで乗り心地や操縦性が大きく向上

乗り心地と操縦性を最新モデル並みにまで一気に進化

ボディ構造は最新モデルによくあるモノコック式ではなく、堅牢なラダーフレーム式を継承。ただし、サスペンション形式は前後リジッド式から前:ダブルウィッシュボーン式、後:リジッド式に改められた。フロントをダブルウィッシュボーン式とすることで乗り心地と操縦性を最新モデル並みまで一気に進化させるとともに、リアサスペンションは大きな負荷がかかることを考慮してリジッド式を踏襲。ただし、トレーリングアームの数を片側1本から片側2本に増やすと同時に、従来と同じようにパナールロッドを装着。フロントのダブルウィッシュボーン化に見合う進化を果たした。
オフロードでの走破性も高められた
オフロードでの走破性も高められた
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さらに磨きがかけられたオフロード性能

そのいっぽうで、Gクラス伝統の傑出したオフロード性能は新型になってさらに磨きがかけられた。一例を挙げれば、ロードクリアランスは現行型より6mm増えて241mmになったほか、デパーチャーアングルは30度、アプローチアングルは31度で、いずれも1度増えているという。

もうひとつ見逃せないのは、足回りのいかにも堅牢な作りが引き継がれたことだ。サスペンション構造が変わっているために一概には比べられないものの、フレーム、サスペンションアーム、ディファレンシャルギアなどは、最新SUVでは滅多に見られないほど太く、大きくて、いかにも頑丈そうだ。
最新の運転支援装置も採用されている
最新の運転支援装置も採用されている

最新の運転支援装置も漏れなく装備

エンジンは、現行G550にも搭載されている最新世代のV8 4.0リッター・ツインターボエンジンを採用。ただし、ギアボックスは7段ATから9段ATの9Gトロニックへと一気にグレードアップされた。

3個のデフを独立してロックできる機構が新型にも採用されていることは前述のとおり。そのほか、新型はダイナミック・セレクトと呼ばれるドライビングモード切り替えを搭載。コンフォート、スポーツ、インディビジュアル、エコのほか、オフロード専用のGモードが用意される。

さらに、自動ブレーキやアクティブレーンキーピングアシストに代表される最新の運転支援装置も新型には漏れなく装備されるといって間違いない。
ボディサイズが大きくなったため車内空間も拡大した
ボディサイズが大きくなったため車内空間も拡大した
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日本では2018年中に発売される予定

ボディサイズは現行型に比べて全長が53mm長く、全幅は121mm広くなった。このため室内スペースはおしなべて拡大。フロントとリアのレッグルームはそれぞれ38mmと150mm、ショルダールームはフロントで38mm、リアで27mm広がった。

見た目はそのままに、中身を一新させた新型Gクラス。日本でも2018年中に発売される模様だ。

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