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2017.12.31

セナの言葉を体現した究極のロードカー「マクラーレン セナ」がデビュー

マクラーレン・オートモーティブは、伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナの名を冠した、サーキット指向の新型スーパーカー「マクラーレン セナ」を発表しました。

CREDIT :

文/ハラアキラ

公道でも走れる、マクラーレンの究極のサーキット仕様モデル「マクラーレン セナ」
公道でも走れる、マクラーレンの究極のサーキット仕様モデル「マクラーレン セナ」

公道も走れるサーキット仕様モデル

「まったく妥協のないレベルにまで自分を高めるのだ。自分のすべてを、まさにすべてを捧げる」とは、かつてマクラーレンでF1グランプリを戦い、3度のワールドチャンピオンに輝いた故アイルトン•セナの言葉です。これを体現したモデルが新型「マクラーレン セナ」で、開発の目的はただ一つ。「公道でも走れる、マクラーレンの究極のサーキット仕様モデル」というものです。
「P1」、「P1 GTR」に続くアルティメットシリーズ3番目のモデルとなる
「P1」、「P1 GTR」に続くアルティメットシリーズ3番目のモデルとなる
マクラーレン セナ(以下セナ)は、マクラーレンのトップレンジであるアルティメットシリーズの3番目のニューモデル。最初の「P1」が公道とサーキットの両方で最高のドライバーズカーであるようデザインされたのに対し、セナは法的には公道での走行が可能なものの、目指したものはサーキットでの名声であり、そこでの活躍を最優先した機能を搭載したモデルです。

したがって、日常生活でも多様な使い方のできるスーパーカーというマクラーレンのトレードマークからの方向転換が慎重になされており、ドライバーとクルマの一体感をもっとも純粋な形で実現し、他のロードカーでは味わえない強烈なサーキット・エクスペリエンスを与えてくれるといいます。
マクラーレンF1にインスパイアされたディヘドラルドアを採用
マクラーレンF1にインスパイアされたディヘドラルドアを採用
レーシングドライバーでありマクラーレン・アンバサダーでもあるブルーノ・セナ氏は、「私たち家族は、アルティメットシリーズの新モデルに、マクラーレン セナという名前が冠されることをこの上なく誇りに思っています。アイルトンのレーシングスピリットや業績がつながるプロジェクトはこれが初めてです。マクラーレン セナは、叔父に敬意を表したものです」と語っています。
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車重は1,198kgで、パワーウエイトレシオは驚異的な1.49kg/ps
車重は1,198kgで、パワーウエイトレシオは驚異的な1.49kg/ps

800ps、800Nmの4.0リッターV8ツインターボエンジン

セナがミッドシップに搭載するのは、M840TRのコードネームが与えられた4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンです。最高出力800ps、最大トルク800Nmを発生し、マクラーレンのロードカー史上最もパワフルな内燃エンジンです。

車重は1,198kgで、パワーウエイトレシオは驚異的な1.49kg/ps。この数字を見ただけで新モデルの性能の高さが想像できますが、加速性能や最高速度のデータは今のところ公表されていません。
カーボンファイバー製「モノケージIII」シャシーにオールカーボン製のボディパネルが組み合わされる
カーボンファイバー製「モノケージIII」シャシーにオールカーボン製のボディパネルが組み合わされる
モータースポーツ由来のドライサンプ潤滑方式やフラットプレーンクランクシャフトはパワートレインの軽量化に貢献し、超低慣性のツインスクロールターボチャージャーと電子制御式ターボウェイストゲートの組み合わせは、「光のような速さ」のスロットル反応を実現しているとのことです。

セナを運転することができる幸運なドライバーのため、エンジニアたちはインテークから燃焼、排気にいたるエンジン全体が機械的なシンフォニーを奏でるよう設計しました。
2層構造の巨大なカーボンファイバー製リアウイングが迫力のリアビュー
2層構造の巨大なカーボンファイバー製リアウイングが迫力のリアビュー
F1やP1にも採用したルーフ上の「シュノーケル」型インテークから流れ込んだ空気が奏でる高周波サウンドと、エンジンマウントからコックピットに流れ込み、カーボンファイバー製モノケージのダブルウォール式リア構造を振動させる低周波サウンドがミックスされ、V8エンジンがまるでドライバーズシートの横に置かれているような一体感を感じ取ることができるそうです。
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エクステリアは、「Form follows function」というマクラーレンのデザイン哲学を純粋な形で表現
エクステリアは、「Form follows function」というマクラーレンのデザイン哲学を純粋な形で表現

「コンフォート」「スポーツ」「トラック」という3つのドライブモード

トランスミッションは、シームレスシフトを実現したデュアルクラッチ式の7段ギアボックスで、駆動方式はリア駆動。マニュアルシフトを実現するカーボンファイバー製のパドルシフトは、レーシンググローブの着用、非着用に関わらず機械的な一体感を深めてくれる細長い形状が特徴です。

エンジンとトランスミッションの特性は、センターコンソールのアクティブダイナミクスパネルから、「コンフォート」、「スポーツ」、「トラック」の3モードを選択できます。どのモードでも荒々しい性能を実感することができ、瞬間的かつ強烈なスロットルレスポンスにより、ドライバーの背中はシートに張り付いてしまう、とのことです。
F1やP1にも採用したルーフ上の「シュノーケル」型インテーク
F1やP1にも採用したルーフ上の「シュノーケル」型インテーク
足回りには、ダブルウィッシュボーン式のレースアクティブシャシー・コントロールII(RCCII)サスペンションを採用。フロントとリアのアクティブ・エアロダイナミクスとモノケージIIIシャシーと作用し合い、あらゆるスピード域と状況で、ドライバーとの一体感を最大化させるよう設計されています。タイヤは技術パートナーであるピレリの協力で開発した、ビスポークのピレリP ZERO Trofeoを採用しています。
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ボディはエアロダイナミクスが徹底的に追求されている
ボディはエアロダイナミクスが徹底的に追求されている

フルカーボンファイバー製超軽量ボディの採用で車重は1,198キロを実現

セナのコアとなるカーボンファイバー製「モノケージIII」シャシーは、「720S」の基本部分を発展させた公道モデル中最も強固なモノコック構造で、オールカーボン製のボディパネルと組み合わされる。それにより、車重は1993年にデビューした伝説のスーパーロードゴーイングモデル「マクラーレンF1」以来最軽量となる1,198キロを実現しました。

エクステリアは、「Form follows function(フォルムは機能に従う)」というマクラーレンのデザイン哲学を純粋な形で表現したもので、猛々しく有機的な形状は、ダウンフォースとエアロダイナミクスがバランスしている。
ホイールはセンターロック式を採用
ホイールはセンターロック式を採用
フロントのエアロブレードやスプリッター、リアのダブルディフューザーと2層構造の巨大なカーボンファイバー製リアウイングは、新世代のアクティブエアロダイナミクスを採用し、ブレーキ中でも、コーナー中間のスロットル調整でも、またコーナー出口の加速中でも、ダウンフォースと空力制御のバランスが最適化されるよう絶えず調整が行われます。

また、超合金のインコネルとチタンで作られたスラッシュカット仕上げのエキゾーストはリアデッキ最後部に取り付けられ、排気はパイプの角度を利用してリアウイングから排出される設計とされました。
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フルバケットシートがおごられるインテリア。ドアの広い開口部によってヘルメットを着用していても簡単にアクセスできる
フルバケットシートがおごられるインテリア。ドアの広い開口部によってヘルメットを着用していても簡単にアクセスできる

インテリアの収納スペースはシート後方のチェンバーのみ

マクラーレンF1にインスパイアされたディヘドラルドアは、ルーフの一部を伴って上部前方に向かって開くもので、広い開口部によってドライバーはヘルメットやレーシングスーツを着用していても、簡単にコックピットにアクセスできます。ドアには2枚のガラス製サイドウインドーが付いていて、上部のガラスは固定され、下部には小型の開口部があります。

コックピットはカーボンファイバーを多用し、徹底的に無駄を省くとともに、乱雑にならないよう最小限の装備が施されたレーシングライクなものです。ドライバーの頭上にあるカーボンファイバー製コンソールには、エンジンスタートボタンとリリースメカニズム、ウインドスイッチを配置されています。
カーボンファイバーを多用し、徹底的に無駄を省いたコックピット。3本スポークステアリングには、フィードバックを純粋に受け止めるためにボタンもスイッチも設けられていない
カーボンファイバーを多用し、徹底的に無駄を省いたコックピット。3本スポークステアリングには、フィードバックを純粋に受け止めるためにボタンもスイッチも設けられていない
3本スポークステアリングには、フィードバックを純粋に受け止めるためにボタンもスイッチもつけられておらず、必要な情報はすべて、眼前の高解像度の折りたたみ式ドライバー用ディスプレイと、コンソール中央の縦型インフォテインメントスクリーンから得ることになります。

室内はデザイナーが助手席を取り外すことまで考えたほど余分な手荷物への考慮はされておらず、収納スペースはシート後方のチェンバーのみとなります。ただし、2人分のヘルメットとレーシングスーツを入れるには十分なスペースが確保されているようです。
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エンジンスタートボタンとリリースメカニズム、ウインドスイッチが配置されたカーボンファイバー製コンソール
エンジンスタートボタンとリリースメカニズム、ウインドスイッチが配置されたカーボンファイバー製コンソール

生産台数は500台限定で、価格は67万5,000ポンド

アルティメットシリーズ・ビークルライン担当デイレクターのアンディ・パーマー氏は、「セナは、ドライバーが能力を限界まで発揮できるような、本当の性能を提供します。扱いやすく驚異的なパワーウエイトレシオによって性能をフルに発揮することができる一方で、強烈なエクスペリエンスとともに、世界中の優れたドライバーだけが感じることのできる、興奮とチャレンジも与えてくれます」とコメントしています。
ギアポジションは、センターコンソールのスイッチでセレクトする
ギアポジションは、センターコンソールのスイッチでセレクトする
また、マクラーレンのマイク・フルーウィットCEOは「マクラーレン セナは比類なきクルマです。マクラーレンモータスポーツのDNAが具現されており、新モデルに込められたすべての要素が、優れた性能を生みだすための妥協なき姿勢を示しています。サーキットにおける究極のドライビング体験は、まさにマクラーレンならではです」と述べました。

マクラーレン セナは、2018年の第3四半期から英国サリー州ウォーキングのマクラーレン・プロダクションセンターにおいて手作業で組み立てられ、生産台数は500台限定。実車は18年3月の第88回ジュネーブモーターショーで披露される予定です。価格は67万5,000ポンド(邦貨で約1億260万円)からで、すでに全車両のオーナーが決定しているそうです。

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