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2017.10.03

フェラーリ70周年の祝典で落札された、アノ2台の合計は13億?!

我われ男子も女のコたちも、みんな大好きなイタリアのスポーツカー、フェラーリ。2017年9月に本社で70周年を祝うイベントが開かれた。そのなかでも話題を呼んだオークションの模様などをリポートする。

文/小川フミオ

世界に一台?のスーパースポーツカーが登場?!

フェラーリについてここで初歩的なことから書くのはLEONの読者の方々には釈迦に説法だろう。とっくにいろいろ知っているよ!と怒られそうだ。
 
エンツォ・フェラーリという稀代のカリスマが作り上げたスポーツカーメーカー。戦前はアルファロメオを売ったり、みずからレーシングカーを運転していたりしたフェラーリが、自分の名を冠するスポーツカーを手がけはじめたのは戦後すぐだった。
フィアット ジョン・エルカン会長
左はジャンニ・アニエッリの孫にあたるフィアットのジョン・エルカン会長
1947年には優秀なエンジニアとともに作りあげた125Sを発表し、いくつかのレースで勝利をおさめ、きわめつけはローマグランプリで優勝を成し遂げた。
 
同時にすぐ米国での販売もスタート。美しく高性能ということでたちまち大きな人気を得るようになった。あとはご存知のとおり。フェラーリはセレブリティの常備品になった。
365GT 4BB
365GT/4BB(手前は74年モデル)などはいまも魅力を失っていない
少し上の世代にはザ・カーペンターズの「ナウ・アンド・ゼン」のジャケットに登場する365GTB4デイトナなども有名だろう。フェラーリ大好きなリチャード・カーペンターの希望によって大きくフィーチャーされたとか。
 
2017年9月9日と10日の週末を中心に、フェラーリ本社のあるマラネロで開催された70周年記念イベントに行ってきた。実際には隣接するフィオラノというテストコースを使って特設会場が設営されていた。
F40
参加者によるパレードがマラネロの町中で行われた(写真はF40)
本社でのイベントの内容は大きくいうと2つ。ひとつはRMサザビーズによる歴代フェラーリのオークションで、もうひとつは美しいフェラーリを審査員が選びだすコンクールデレガンスである。
 
オークションで大きな話題を呼んだのは、ラフェラーリ・アペルタという限定生産のハイブリッド・スーパースポーツカーの出品。世界に1台という内外装の特別仕様である。こちらは830万ユーロ(約10 億7700万円)で落札された。
ラフェラーリ・アペルタ
この日のために用意された特別仕様のラフェラーリ・アペルタはオークションには画像のみで出品された
この売り上げはフェラーリによって「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付されるそうだ。恵まれない子供たちの支援を目的に世界120カ国以上で活動している国際機関である。
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岐阜で発見されたデイトナはいくらで落札された?!

もうひとつ話題だったのは、日本の岐阜で“見つかった”365GTB4。埃まみれのままの出品だった。この個体は世界でもかなりレアな軽合金ボディ(ほとんどのデイトナはスチールボディ)ということで、こちらも注目を集めた。
GTB4デイトナ
GTB4デイトナは岐阜で20年間置きっ放しになっていたとか
はたして落札価格は180万7000ユーロ。1ユーロ130円としてほぼ2億3490万円だ。“まあ、こんなものか”とついおもったのは、オークションを傍聴していて金銭感覚がまひしてしまったからかもしれない(笑)。
 
コンクールデレガンスもたのしい催しだ。夏の欧米では各地で開かれる、一種の社交の場ともいえる。古いフェラーリを所有するひとの多くは顔見知りで情報交換にも忙しいようで、これもフェラーリのようなスペシャルなクルマならではの世界だろう。
 
ここでベストオブショー(グランプリみたいなもの)を獲得したのは2台。1台は53年のミッレミリア公道レースで優勝するなどの歴史を持つ340MM(1953年)。
340MM テスタロッサ・スパイダー
コンクールデレガンスでベストオブショーに選ばれた340MM(右)とテスタロッサ・スパイダー
もう1台は、テスタロッサのスパイダー(86年)。フェラーリも傘下におさめるフィアットグループの総帥ジャンニ・アニエッリ(2003年没)が特別に注文したスペシャルである。
 
9日(土曜日)はオークションのあと記念セレモニーが開催された。特設スクリーンではエンツォ・フェラーリとフェラーリ社の歴史をイメージで展開。
 
スキー事故で引退を余儀なくされた天才的ドライバー、ミシャエル・シューマッハを応援するメッセージが流れたときは、場内から大きな拍手が沸き起こったのだった。
フェラーリの歴史を振り返るセレモニーのひとコマ
フェラーリの歴史を振り返るセレモニーのひとコマ
しめくくりはジャミロクワイのミニライブというぜいたくさ。かぶりもの大好きなジェイ・ケイは新作「オートマトン」のイメージに出てくるあの輝くキャップをかぶっての登場で、やんやの拍手喝采を浴びていた。
 
もっとも盛り上がるべき土曜日の夜はあいにく大雨にたたられた。それでもフェラーリ関係者は会長からF1ドライバーまでが顔を見せるなど、フェラーリを愛するひとのお祭りとしてはずっと記憶に残るものになったのだった。

●小川フミオ

ライフスタイルジャーナリスト。慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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