個性が際だった新型アウディA5は模範的な美しいクーペだった
2017年4月に新型が日本でも発売された。このA5じつはA4とA6のあいだに位置するモデル、という単純な存在ではない。

余裕あるサイズと高い居住性という機能性もさることながら、美しさがなによりの個性として際立っている。フルモデルチェンジにあたりラインナップを一新した。いっきにクーペ、スポーツバック、そしてカブリオレという豪華な布陣での展開である。
「(第2世代は)美しさとスポーティな走りと実用性の融合」とはアウディの謳い文句。ここで紹介するクーペをみてもよくわかる。

その上には260kW(354ps)の3リッターV6のS5クーペというスペシャルモデルも用意されるが、A5クーペでもスタイルとパワーのバランスのよさを十分楽しめるはずだ。
運転するとバランスのよさが印象的だったA5クーペ2.0TFSIクワトロ スポーツ
うねるような車体側面のキャラクターラインと、張り出しを強調された前後のフェンダーがひときわ目を惹く。細部を見てもスタイリングのうまさがわかる。リアクォーターピラーが後輪の上にのっかるようなデザインはとくに注目点。美しいクーペのセオリーどおりである。

欧州ではパワーがしっかり出るうえに、すなおな操縦性が印象に残った。日本でも期待は裏切られず、しっとりしてオトナっぽいクルマだというのが第一印象だ。パワーの取り出し方は使い勝手を重視したというかんじだ。最大トルクが1600rpmという低い回転域から発生しはじめる設定により街中では十分速い。
7段ツインクラッチ変速機は、上手にパワーを引き出す設定で細かくギアを選ぶようだ。通常は2000rpmよりすこし上をキープし、アクセルペダルの踏み込みに即座に対応して加速する。

混雑した道で自動ブレーキと自動発進を繰り返すストップ&ゴーや、時速0キロから65キロの範囲で渋滞中に先行車に一定の距離を開けて追尾しハンドル操作も行うトラフィックジャムアシストも備わった。
価格はA5クーペ2.0TFSIクワトロ スポーツが686万円。よりパワーを求めるひと向けのS5クーペが913万円だ。
ちなみに売れ線の4ドア、A5スポーツバック2.0TFSIクワトロ スポーツは686万円、S5スポーツバックは913万円と、上と同価格。A5カブリオレ2.0TFSIクワトロ スポーツは757万円。S5カブリオレは998万円だ。
環境適合型エンジン搭載の前輪駆動、A5スポーツバック2.0TFSI(2.0TFSIが252psのところ190ps)は装備簡略化されたベーシックグレードで546万円からとなる。
太いリアクォーターパネルと比較長いルーフでも躍動感はそこなわれていない
A5クーペ2.0TFSIクワトロ スポーツは全長4690ミリ、全幅1845ミリ、全高1365ミリ
185kW@5000〜6000rpmの最高出力と370Nm@1600〜4500rpmの最大トルクを発揮する2リッターエンジンにクワトロシステムの組み合わせ
各種の新技術をエレガントで品質感の高いインテリアに取り込んでいる
S-line(オプション)用のスポーツシートを装備していた試乗車
操作性の高い7段ツインクラッチギアボックス「Sトロニック」のギアセレクター
ドライブモードが切り替えられるアウディドライブセレクト搭載
水平基調デザインのダッシュボードが適度な広々感をもたらしている
地図も大きく表示できるTFT液晶のバーチャルコクピットはオプション
左側の回転計はアウディドライブセレクトでパワー感を重視したダイナミックモードが選ばれていることを示している
センターディファレンシャルに電子制御のトルクスプリッターを用いたクワトロシステムが搭載されている証し
シートのホールド性は高く質感も十分
リアトランクリッドの前後長が抑えられ躍動感がある
リアシートは2人がけだがおとなにも十分なスペース
メーカー発表の燃費はリッターあたり16.5キロ(JC08モード)
太いリアクォーターパネルと比較長いルーフでも躍動感はそこなわれていない
A5クーペ2.0TFSIクワトロ スポーツは全長4690ミリ、全幅1845ミリ、全高1365ミリ
185kW@5000〜6000rpmの最高出力と370Nm@1600〜4500rpmの最大トルクを発揮する2リッターエンジンにクワトロシステムの組み合わせ
各種の新技術をエレガントで品質感の高いインテリアに取り込んでいる
S-line(オプション)用のスポーツシートを装備していた試乗車
操作性の高い7段ツインクラッチギアボックス「Sトロニック」のギアセレクター
ドライブモードが切り替えられるアウディドライブセレクト搭載
水平基調デザインのダッシュボードが適度な広々感をもたらしている
地図も大きく表示できるTFT液晶のバーチャルコクピットはオプション
左側の回転計はアウディドライブセレクトでパワー感を重視したダイナミックモードが選ばれていることを示している
センターディファレンシャルに電子制御のトルクスプリッターを用いたクワトロシステムが搭載されている証し
シートのホールド性は高く質感も十分
リアトランクリッドの前後長が抑えられ躍動感がある
リアシートは2人がけだがおとなにも十分なスペース
メーカー発表の燃費はリッターあたり16.5キロ(JC08モード)
●小川フミオ
ライフスタイルジャーナリスト。慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。