2016.12.09
Hipに磨きをかけて…Vol. 02
すれ違った女性の後ろ姿が忘れられない――。それはクルマも同じことかと。
運転席から見る前を行くクルマ、走り去るクルマ……。私たちが見ているのは実はクルマのリヤ部分が一番多いのかもしれません。そんなクルマの、後ろ姿へのこだわりとは。
筋肉質なリヤデザインでミッドシップスポーツの力強さを表現
Honda ホンダ
ヒップの張り出し具合で美しい力強さを表現
ボディサイドとの間に生まれた空間からエンジンの冷却などに必要な空気を取り込む機能性と、ほかにあまり例を見ないデザイン面の個性を両立させた。さらに両サイドに大きく張り出したリヤフェンダーを設けることで、どっしりとした見た目を生み出すことにも成功している。
初代NSXのリヤデザインも左右に長く伸びたテールライトが未来的な雰囲気を醸し出していたが、新型はぎゅっと濃縮された筋肉質の造形美が表現されているように思う。
どこか宇宙船を思わせる未来的リヤデザインの初代NSX
どこか宇宙船を思わせる未来的リヤデザインの初代NSX
カプセル状のリヤウインドゥ、左右に長く伸びたテールライトで未来的なイメージを醸し出す初代NSX。荷室容量を拡大するため開発途中でリヤオーバーハングを延長したとか。
独創的なリヤエンジン・レイアウトを視覚面でも表現
RENAULT ルノー
数えて3世代目となったトゥインゴは、最近のファミリーカーとしては少数派のリアエンジン・リアドライブ・レイアウトを採用している。そうすることでフロントフードの長さを切り詰めてフロントウィンドウの位置を前方に移動。これによってキャビンを前方向に引き伸ばし、優れたスペースユーティリティを実現したのだ。
さらに、パワーユニットをリヤに搭載したことを視覚的に訴えるため、リヤフェンダーを幅広く張り出した形状にデザインしたが、これが大地を力強く踏みしめるスタンスを連想させるとともに、従来のコンパクトカーにはあまり見られなかったある種のボリューム感を盛り込むことに成功している。
新型トゥインゴのデザインは1972年に誕生したルノー5(サンク)にインスパイアされているが、なかでもリヤの張り出しは、同じ5でもターボエンジンをミッドシップしたモンスターマシンの5ターボを彷彿させる。単なるコンパクトカーを超えた力強さが新型トゥインゴに宿っている理由は、こんなところにもあるようだ。
コンパクトボディながら安定感ある後ろ姿
コンパクトボディながら安定感ある後ろ姿
エンジンをキャビン後方に搭載していることを主張するため、リアフェンダーをワイドに張り出した造形が施された新型トゥインゴ。往年の5ターボがモチーフ。
"アストンマーティン第2新世紀"がテーマのDBシリーズ最新作
ASTON MARTIN アストンマーティン
アストンマーティンのDNAとでもいうべき張りのあるふくよかな曲線を基本としながら、それらをシャープなエッジで縁取ることによって先進性を表現。
そしてテールエンドにはデザインモチーフであるブーメラン形をした極薄のLEDライトを設け、気高さとスポーティさを併せ持つ造形に仕上げた。
ご存知のとおり、長い伝統を誇るDBシリーズは同社の基幹モデルのひとつ。1913年に設立されたアストンマーティンにとって、DB11は“新世紀”を迎えて最初に世に送り出すDBシリーズとなった。
つまり、彼らの次の100年を占うモデルともいえるのがDB11なのだ。伝統と革新と――。そんな“次の100年”をも占えるクルマのリヤデザインからますます目が離せない。
次なる100年"を予感させる新しいカタチ
次なる100年"を予感させる新しいカタチ
極めて幅の狭いブーメラン形LEDリヤライトを比較的高い位置に埋め込むことで先進性と強い疾走感が表現されたDB11のリヤデザイン。
※本特集は2016年12月号で掲載した企画の抜粋です。