2026.05.27
【試乗リポート】ボルボのベストセラー「XC60」と代名詞のエステートモデル「V60」の最新PHEVの乗り味とは
ボルボは2030年に向けてEVとPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)の2種類をメインにラインアップを展開していくという。今回は昨年アップデイトされた世界でもっとも売れているボルボである「XC60」と、いまとなっては貴重な存在のエステート「V60」の最新PHEVを試してみた。
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画像/ボルボ・カーズ、藤野太一 編集/森本 泉(Web LEON)
240を追い抜いた、史上もっとも売れたボルボ「XC60」

2021年、ボルボは2030年までに新車のラインナップを全てEVにするという計画を発表した。しかし一昨年、市場環境や需要の変化により目標を修正し、2030年までに世界販売台数の90~100%を電動化車両とすることを目指すとしている。完全なEVメーカーになる目標に変わりはないものの、それまでは基本的にEVとPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)の2本柱で展開していくというものだ。
日本でもすでにEX30やEX40といったコンパクトなEVが発売されている。また欧州ではEX90やEX60といったラージ&ミッドサイズSUVのEV が登場しており、日本にもいずれ上陸することになるはずだ。

▲ ボルボ史上もっとも売れた「240」を超えベストセラーモデルとなったXC60。
そんななか、いま世界でもっとも売れているボルボモデルがミッドサイズSUVの「XC60」。昨年には累計販売台数が270万台を超え、240を抜いて史上もっとも売れたボルボになっている。また2024年には欧州でもっとも売れたPHEVでもある。
2026年モデルのXC60は、内外装のデザインを変更、より応答性の高いインフォテインメント・システムを採用するなど大幅なアップデイトが施されている。今回試乗したPHEVである「Ultra T6 AWD」は、XC60の最上級グレードだ。
直感的な操作が可能な最新のGoogleを車内に

▲ 2方向から伸びる斜線が重なり合う新世代のフロントグリル。
エクステリアでは、フロントグリルが2方向から伸びる斜線が重なり合うXC90とも共通のデザインになった。またテールライトがダークカラーに変更されている。
インテリアでは、レザーフリー素材の採用を拡大。Ultraグレードでは、従来のファインナッパレザーに加え、100%リサイクルポリエステル素材「ネイビー・ヘリンボーンウィーブ」が無償オプションとして設定されている。オレフォス社製クリスタルシフトノブを採用するなど、スカンジナビアンデザインならではの上質な空間となっている。

▲ 11.2インチに拡大したセンターディスプレイに最新のGoogleを搭載。
そしてセンターディスプレイが従来の9インチから11.2インチに大型化、さらに解像度が21%向上。Googleを搭載したインフォテインメントシステムは、Qualcomm Technologies社の次世代のコンピューター基盤Snapdragon Cockpit Platformの導入により、従来と比べて情報処理速度は2倍以上に、グラフィック生成速度は10倍に向上したという。
ボルボは他社にさきがけてGoogleを搭載してきたこともあり新しいインターフェイスでは、マップの拡大やアプリの切り替えなどの操作がこれまで以上にスムーズになり、ドライブモードの選択などをはじめ使い勝手が向上している。
パワーユニットは、最高出力253PSの2リッター直4ターボエンジンと、フロントに最高出力71PSの、リアに最高出力145PSの2つのモーターを組み合わせたもので、総電力量18.8kWhの駆動用バッテリーを搭載し、満充電時のEV走行可能距離は81kmとなっている。

▲ スカンジナビアンデザインの明るく上質なインテリア。スウェーデンのガラスメーカー、オレフォス社製クリスタルシフトノブが美しい。
走行モードは「Hybrid」デフォルトとなっており、バッテリー残量があれば基本的にはEV走行する。市街地ではエンジンが始動するシーンはほぼなかった。またボルボのPHEVがユニークなのはアクセルオフで完全停止する、いわゆるワンペダル走行が選択できること。
シフトを「B」レンジに入れ、ドライビングダイナミクスの設定内にある「クリープ」をオフにするとセット完了。ワンペダルに関しては好みもあるので、こうしてオン/オフの切り替えができるのはありがたい。

▲ 縦長が特徴のテールライトはダークカラーに変更されている。
高速道路にのりアクセルペダルを強く踏み込むとエンジンが始動する。エンジンノイズはそれほど気にならず風切り音やロードノイズも抑えられており、2180kgという車両重量を感じさせないほど力強く加速する。
21インチのピレリ製Pゼロとスポーティなタイヤを履いているが、ゴツゴツ感が伝わってくることもなく乗り心地もいい。試乗後に足元をのぞいてみたら最上級グレードだけあってエアサスペンションが奢られていた。
まさに“フライングブリック”な走りのエステート「V60」

▲ 同じパワートレインとは思えないほどパワフルな走りをみせるV60。
同じパワーユニットを搭載するステーションワゴン、ボルボのいうところの“エステート”の「V60 Ultra T6 AWD」にも試乗した。車両重量が2050kgとXC60に比べて130kg軽いこともあり、満充電時のEV走行可能距離は91kmとなっている。
最新世代のGoogleを搭載したインフォテインメントシステムなどもXC60と同様のもの。試乗車にはXC60と同様に、オプションの1410W、15スピーカーで構成された「Bowers & Wilkinsハイフィデリティ・オーディオシステム」が搭載されていたが、素晴らしい音を奏でる。オプション価格は39万円だが、これはぜひ選びたい。

▲ V60ではセンターディスプレイは9インチのままだが、その中身はアップデイトされている。
市街地をEV走行しているぶんにはとても滑らかで、上質な室内もあいまって洗練された雰囲気が味わえる。驚いたのは箱根のワインディング路を走行した際にみせたそのダイナミクス性能だった。
ボルボはかつて240でレースに参戦していた際に、四角いカタチながらスポーツカー顔負けの走りをみせ、“フライングブリック(空飛ぶレンガ)”という異名をとったが、まさにそれを彷彿とさせるものだった。
世界的なSUV人気のなかで、いまやステーションワゴンは絶滅危惧種とも言われる。EVがメインになっていくなかで、ボルボですらエステートをやめてしまうという噂もある。ボルボのベストセラーであるXC60が売れる理由はよくわかる。しかし、このV60ももっと売れていいと思う。

VOLVO XC60 Ultra T6 AWD Plug-in hybrid
ボディサイズ/全長4710×全幅1915×全高1660mm
ホイールベース/2865mm
車両重量/2180kg
駆動方式/4WD
エンジン/2リッター直列4気筒ターボチャージャー
フロントモーター/交流同期電動機
リアモーター/交流同期電動機
トランスミッション/8速AT
エンジン最高出力/253PS/5500rpm
エンジン最大トルク/350Nm/2500-5000rpm
モーター最高出力(前/後)/71PS/145PS
モーター最大トルク(前/後)/165Nm/309Nm
EV走行換算距離/81km(WLTCモード)
車両本体価格/1029万円
VOLVO V60 Ultra T6 AWD Plug-in hybrid
ボディサイズ/全長4780×全幅1850×全高1430mm
ホイールベース/2870mm
車両重量/2050kg
駆動方式/4WD
エンジン/2リッター直列4気筒ターボチャージャー
フロントモーター/交流同期電動機
リアモーター/交流同期電動機
トランスミッション/8速AT
エンジン最高出力/253PS/5500rpm
エンジン最大トルク/350Nm/2500-5000rpm
モーター最高出力(前/後)/71PS/145PS
EV走行換算距離/91km(WLTCモード)
車両本体価格/919万円

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