2025.02.26
Gクラス、ジープのいいとこ取り⁉ 「ジムニー・ノマド」に人々が熱中する納得の理由とは?
2025年1月30日、ジムニーの生みの親であり前社長である、故・鈴木修氏の誕生日でもあるこの日、ジムニーの5ドア版の「ジムニー・ノマド」が発表された。そのわずか4日後、“注文停止”のプレスリリースが配信された。週末のディーラーには順番待ちの長蛇の列ができ、販売計画を大幅に超える約5万台の注文が入ったという。どうしてそれほどまでにジムニーは人気なのか考察してみる。
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文/藤野太一

このジムニー&シエラはデビュー直後から大ヒットとなり、デビューからおよそ7年が経過したいまもグレードや仕様によっては納車1年待ちとも言われている。
そもそもジムニーとはどんなクルマなのか。ひとことでいえば、ラダーフレーム構造をもつ本格オフローダーであり、軽自動車としては唯一無二の存在。1970年の初代誕生以来50年以上にわたってそれを貫いており、林業関係者やオフロード走行愛好家、競技者などいわばプロのツールとしてのニーズに支えられてきた。よりマニアックにいうならば、ジムニーとは「FRレイアウト」、「副変速機付パートタイム4WD」、「リジッドアクスル式サスペンション」を求める人たちのクルマだった。



実はこれらのモデルにはもうひとつ共通する点がある。それは3ドアだけでなく5ドアモデルを設定していることだ。国内でジープラングラーがヒットしたのは5ドアのアンリミテッドの導入がきっかけだった。Gクラスでは、かつて存在した3ドアモデルは生産終了となっており、いまは5ドアのみの設定だ。
こうした流れを鑑みれば、ジムニーは本格オフローダーとして従来からのユーザーに支持されているだけでなく、現行型のジープとGクラスのエッセンスを取り込んだデザインによって認知を広め、ファッションアイテムとして使う新たなユーザー層を獲得したと考えられるわけだ。さらにもうひとつジムニーが人気の理由に手頃な価格がある。軽自動車のジムニーなら車両価格は165万4400円〜。比較するのももうしわけないが、ジープラングラーなら約800万円、Gクラスなら約2000万円がスタートプライスになる。




ちなみにこの「ジムニー・ノマド」はインドで生産されており(ジムニーは静岡県の湖西工場製)、現地では2023年から先行して販売されていた。そのため日本にも並行輸入されプレミアム価格で販売されている車両も多く存在する。スズキでは今後生産調整に追われることになるが、せっかく増えたジムニーファンのためにも1日も早い受注再開に期待したい。