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2020.01.25

メルセデス・ベンツ「4代目Aクラス」発売1年後の通信簿

第4世代となったベンツ新型「Aクラス」のデビューは昨年10月。デリバリー開始からは昨年末でほぼ1年が経った。この1年の販売動向や顧客層の変化などをレポートした。

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文/鈴木 ケンイチ(モータージャーナリスト)

記事提供/東洋経済ONLINE
▲2018年10月に登場した新型「Aクラス」。価格は「A 180」の334万円から(写真:メルセデス・ベンツ)
メルセデス・ベンツ「Aクラス」の新型モデルが日本市場で発売されたのは、2018年10月18日のこと。
同日より受注を開始し、デリバリーは12月ごろから開始された。新型Aクラス導入から1年の販売動向や顧客層の変化などをレポートしたい。

「話題づくし」だった初代

1880年代に現代の自動車の祖である「ベンツ・パテントモーターカー」を発明したルーツを持つメルセデス・ベンツ。その長い歴史を鑑みれば、Aクラスは比較的、新しいモデルだ。

初代Aクラスの登場は1997年(本国発表、以下同じ)。このクルマは、世界中から大きな注目を浴びた。高級車ブランドとして中~大型車ばかりであったメルセデス・ベンツの中で、いわゆるBセグメントのAクラスは飛びぬけて小さく、しかもブランド初のFF(フロント・エンジンの前輪駆動)車であったからだ。
さらにAクラスは、もともとプラットフォームと車室内の間に燃料電池や二次電池などを搭載する電動車として開発されていたため、フロアが二重になっており、その結果、全高の高い奇妙なスタイルのクルマとなっていた。メルセデス・ベンツとして“初めてづくし”の話題のクルマであったのだ。

しかもAクラスは、価格の手頃さもあったため、販売は好調に推移する。このAクラスで、初めてメルセデス・ベンツのオーナーになったというユーザーが、世界のあちこちで生まれた。メルセデス・ベンツはAクラスによって、FFコンパクトカーというジャンルへの参入を成功させ、これまでにない新しいユーザー層の獲得につなげたのだ。

それらの新しいユーザー層は、「Cクラス」など、より上位のメルセデス・ベンツを購入する未来のユーザー予備軍にもなった。

そして、2004年にはキープコンセプトの第2世代が登場。さらに2005年には、同じプラットフォームを使った兄弟モデルの「Bクラス」も発売された。AクラスとBクラスという2台のFFモデルで、メルセデス・ベンツはブランドの入口の間口を、より大きなものとした。
ブランドの入口という役割はそのまま、さらに狙いを若年層にまで拡大したのが2012年に発表された第3代目のAクラスだ。フロアの二重構造を廃し、一般的なハッチバックとして、Cセグメントにサイズアップ。ルックスはスポーティーなものとして、若年層に強烈にアピールする存在となった。

そして2018年に登場し、同年10月に国内発売されたのが、第4世代の新型Aクラスだ。先代のコンセプトを継承し、アグレッシブで若々しいイメージと、先進技術を満載したスポーツコンパクトモデルとして登場した。2019年3月にはクリーン・ディーゼル・エンジンを搭載する「A200d」を追加。7月には「Aクラスセダン」も発売し、ラインナップを強化している。

ちなみに現在のAクラスは、コンパクトクラスを受け持つ1モデルというだけではなく、同じFFプラットフォームを採用するAクラス・セダン、Bクラス、「CLA」「CLAシューティングブレーク」「GLA」といったFFラインナップの代表モデルという重責を担うことにもなっている。
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新時代のHMI「MBUX」を搭載

先代モデルのコンセプトを踏襲し、スポーティーなルックスを持つCセグメントのハッチバックとなったAクラスだが、その最大の特徴は新世代HMI(ヒューマンマシンインターフェース)である「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」を採用したことだ。

MBUXは、「ハイ! メルセデス」をキートリガーとする対話式でのボイスコントロールが話題となったが、その実はクルマの操作全体となるHMIをまったく新しくするものであった。
▲「MBUX」は普段の会話のように話しかけて操作する自然対話式音声認識を採用(写真:メルセデス・ベンツ)
ドライバーの前のメーターを大きな液晶モニターに一新し、ステアリングとセンターコンソールに操作スイッチを集中させる。一般的にセンターコンソールの一番使いやすい場所はシフトノブが占領しているものだが、メルセデス・ベンツは以前よりシフトレバーをステアリングコラムへ移動させている。センターコンソールの一等地には、すでにモニター操作用のスイッチが設置されていた。

そうしたHMIの挑戦の先にあるものがMBUXなのだ。Aクラスで採用が開始されたMBUXは、その後、他モデルにも波及。今ではほとんどのモデルの操作系が、MBUXに変更されている。

安全運転支援システムの充実も、注目点の1つ。衝突被害軽減自動ブレーキを含む先進運転支援システムは、メルセデス・ベンツのフラッグシップとなる「Sクラス」と同等。高速道路での走行レーン維持のステアリング・アシストだけでなく、レーンチェンジもアシストしてくれる。自動運転レベルでいえばレベル2に相当する機能が備わっている。

Aクラスはエントリーという存在ながらも、MBUX導入というブランドの一大事の先陣を切るという重要な役割も与えられたモデルでもあったのだ。
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販売台数は旧モデルの3倍以上

そんなAクラスの実際の販売状況は、どのようなものであったのだろうか。その数字をメルセデス・ベンツ日本に尋ねてみると、「新型Aクラスの登録が始まったのが、2018年12月からとなりますので、2018年12月~2019年10月で約1万2000台(セダン含む)となります。2018年の旧型Aクラスと比較すると3倍以上となります」と言う。

ちなみに、同時期のメルセデス・ベンツの乗用車全体の販売数は約6万1300台となる。2019年になってからは、新型「GLE」、新型Bクラス、新型CLAの販売が始まっている。そうした中であって、全体の20%を新型Aクラスが占めるという結果だ。

続いて、メルセデス・ベンツのブランド全体の月別の販売数をチェックしてみると、新型Aクラスの納車がスタートした2018年12月の販売数は、8527台。年間販売台数が6万6000台程度で、月平均5000台強のメルセデス・ベンツとしてみれば、2018年12月の数字は飛びぬけて大きなものであった。
▲2019年7月に発売が開始された「Aクラスセダン」(写真:メルセデス・ベンツ)
また、Aクラスセダンの導入後の2019年9月も、7926台という大きな数字を記録した。新型Aクラスの人気の大きさを数字からも感じることができる。

売れ筋グレードを聞くと「『A 180 Style』が最多販売のグレードで、『A 200 d(ディーゼル)』も人気がございます」とのこと。「A 180 Style」も「A 200d」もベーシックなグレードではない。安さだけが人気の理由ではないということだろう。

購買層を聞けば「既存のオーナーの乗り換えももちろんございますが、若いお客様や新しいお客様(今まで車を所有していない)にもご選択いただいております」という答え。

若々しいデザインと最先端の技術により、新しい顧客を開拓する。そんなAクラスに期待されるミッションを、新型モデルはしっかりとクリアしている。新型Aクラスの発売1年の通信簿は、「文句なし、上々のモノであった」といえるだろう。
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です

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