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2019.08.11

メルセデスベンツの新型Bクラスは最良のハッチバックなのか? 詳細リポート

ハッチバックはおそらくクルマ好きの遍歴のなかで最も多く乗られるクルマだろう。メルセデスベンツBクラスには、そんな大人を納得させる、じわじわとくる良さがあるという。その詳細をリポートする。

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取材・文/小川フミオ

メルセデスベンツのノウハウが詰まった良質なハッチバック

私たちはハッチバックで育った。ミニだったり、プジョー306だったり、アウディA1だったり、フィアット500だったり……。もっと年齢が上にいくと、マツダ・ファミリアや、VWゴルフが身近にあったというひともいるだろう。

メルセデス・ベンツ日本が2019年6月に発表した、新型メルセデス・ベンツBクラスに乗ったら、いまSUVに人気を奪われているというハッチバックも、まだまだ見るべきところがある、と確信させてくれる出来のよさだった。
後席とハッチゲートのウィンドウをプライバシーガラスにするのはオプション
7月に試乗できたのは、1.4リッター4気筒ガソリンエンジン搭載の「B180」だ。先代の2代目では同じ車名で1.6リッター搭載だったが、今回は排気量がダウンサイジングした。でも最高出力は90kW(122ps)から100kW(136ps)に上がっている。

3代目になったBクラスは、ひとことでいうと運転を楽しませてくれるクルマだ。ルノーのホットハッチ(高性能ハッチバック)のように、やたらトンガったスポーツ性とは違う。
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写真のB180はオプションの「AMGライン」装着
全体の印象としてはしっとりしている。操縦性にしても乗り心地にしても、バランスがとれていて、乗っているうちに”いいクルマだなあ”という感覚が強くなり、愛着が増し、ドライビングが楽しくなっていく、そんな感じなのだ。

エンジンは排気量から想像するより活発だ。最大トルクが1460rpmから4000rpmと広いバンドで出る設定だけあって、回転を上げていくと、ぐんぐんと加速していく感覚がいい。

ターボチャージャーを1基備えているだけなんだけれど、下の回転から比較的トルクがあって、ターボの作動域に入るときは感知できないほどナチュラルだ。

ステアリングは適度に重さを与えられていて、切り込んでいくときに独特の慣性をかんじさせるのが、CやEやSといったメルセデス・ベンツの後輪駆動のセダンにとくに強く感じられる伝統的な味つけと共通するものがある。
ウィンドウグラフィクス(サイドウィンドウの輪郭)はGLCを思わせる
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とりわけそのステアリングのフィールがいいなあと思うのは、カーブを曲がるときだ。メルセデス・ベンツはドライバーが落ち着いてクルマをコントロール下におくのが安全につながるという思想を持っているのだろう。

カーブでステアリングホイールを切ると、車体がゆったりと傾いていく。その過渡的領域というか、車両の動きは、他車では体験できないもので、とても強く印象に残る。

今回ひと足さきにフルモデルチェンジしたAクラス(基本プラットフォームを共用)でも似た感覚を味わったが、B180のほうが、エンジンのトルクをしっかり感じさせつつ、同時にしっとりした感触があり、より好ましいと思えた。

最新技術もしっかり搭載された大人の一台

ダイナミックセレクトというドライブモード切り換えが標準装備されている。コンフォート、エコ、スポーツ、それに7段ツインクラッチ式ギアボックスの変速タイミングやステアリングホイールのアシスト量が変えられる。

実際に運転したとき、最初はコンフォートで充分だと思った。だが、途中でスポーツを選んでみたところ、上のほうの回転域でよりしっかりとトルクが出て、パワフルさを感じさせてくれた。これは、エンジンによる楽しさを味わうのに最適だった。

速度が上がると、しっかりと踏ん張るサスペンションシステムと、重めだがダイレクトな感覚を保ちつづけるステアリングホイールとの連けいがたいへんよい。Bクラスは基本的な性能が高いのだと知れる。
全長は4425ミリでAクラスより5ミリだけ長い
全長は4425ミリ(先代は4365ミリ)、全幅は1795ミリ(同1785ミリ)、全高は1565ミリ(同1540ミリ)と少しずつ大きくなっている。ホイールベースは2730ミリで先代より30ミリ伸びた。基本シャシーを共用するAクラスと同一だ。

室内は空間的余裕がたっぷりある。後席はおとな2人に充分な広さだ。前席とのあいだのレッグルームやヘッドルームもたっぷりある。前席は、大きな液晶パネルを使ったMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザーエクスペリエンス)のインフォテイメントシステムをはじめ、新しい機能が斬新な雰囲気をもたらしている。
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ナビゲーションサービスなどで構成されるナビゲーションパッケージはオプション
64色に室内のアクセントカラーが変えられるアンビエントライトもオプションで用意されている。タービン型のエアアウトレットやドアトリムなどを効果的に彩っているのだ。使ってみると、なかなか楽しいものである。

Bクラスが”いまっぽい”クルマだと感じるポイントのひとつは、「メルセデス・ミーコネクト」だ。スマート端末でドアの施錠と解錠が出来ることをはじめ、駐車位置検索、行きたい場所のデータを車載ナビゲーションに送れる「センド2カー」といった機能が使える。
荷室は通常455リッターで後席のシートバックを倒すと1540リッターにまで拡大する(写真の左ハンドルは欧州仕様)
たとえば、ハッチバック入門はファミリアで、そのあと、VWゴルフを経験し、さらに、プジョー205GTIやランチア・デルタインテグラーレを楽しんだなんていう世代が、ゆったりした気分で運転を楽しみたいと思ったら、B180はすごくいいのではないだろうか。

歩行者や飛び出し検知機能つきのアクティブブレーキアシスト、前方にいる歩行者との衝突を避けるためステアリングホイール操作に車両が介入する緊急回避補助システム、渋滞最後尾の車両への衝突を避ける渋滞時緊急ブレーキ機能、車線逸脱を防止するアクティブレーンキーピングアシストといった運転支援システムも(一部はオプションで)用意されている。

価格は、今回試乗したB180が384万円(8パーセントの消費税こみ)、このあと、2019年10月以降に導入されるディーゼルのB200dは422万円(10パーセントの消費税こみ)となる。
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● 小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。いわゆる文化的なことが得意でメカには弱く電球交換がせいぜい。

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