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2018.02.26

大人の男が時計について知っておくべき10のコト【前編】

時刻を知るという本来の目的が薄れて、持ち主のステイタスとライフスタイルを表す記号として機能する高級腕時計。なぜ男たちは時計に惹かれ高価な腕時計を持とうとするのか?  

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文/福田 豊 イラスト/桑原 節

男にとって腕時計とは特別な意味をもつ嗜好品です。時刻を知るための装置として誕生した時計は、小型化して腕を飾るようになることで、本来の機能以上に持ち主のステイタスやライフスタイルを表す特別なアイテムとなりました。男たちを魅了してやまない高級時計を着ける意味とは? どんな時計をどこで購入して、どうつきあうべきか? など、男として腕時計について知っておくべき10項目をまとめてみました。まず前編では5項目をご紹介。

【1】男が腕時計を着けるべき理由 
~そもそも腕時計はルールでマナーでエチケット

いま、腕時計が「必要だ」という人は、ほとんどいないでしょう。腕時計が必要なのは、いうまでもなく、時間を知りたいとき。でも、時間を知りたければ携帯電話で事足りるし、PCでも時間はわかる。駅や公園、ショッピングセンター、ホテルなど、街のいたるところにも時計はあります。

ですが、かつての携帯電話が存在せず、街にさほど時計がなかった時代には、腕時計は時間を知るためのほぼ唯一のものだった。そしてそのため腕時計は大人の男にとって特別な意味をもつものとなったのです。

時間を知るための必需品である腕時計を着けていることは、つまりは「私は時間を守ります」という意思表示。すなわち、腕時計は「社会の一員」の証。腕時計を着けるのは、大人の男の常識であるのです。

そしてそれは実際にそのとおり。たとえば、映画『イージー・ライダー』の冒頭で、ピーター・フォンダ演じる主人公のキャプテン・アメリカが、腕時計を腕から外して道端に投げ捨てるシーンがあります。

それは「社会の一員であることをやめた」ということ。1969年に公開された『イージー・ライダー』は、当時の「反社会的」とされた若者の姿を描き社会現象にもなった、アメリカンニューシネマの名作。まさにこのとき主人公は、社会と完全に決別し、アウトローになったのです。

さて。ということで、それは時代の経った現代でもいえること。休日やリゾート地でならともかく、日常で大人の男が腕時計を着けていないのは、どこか不自然。社会からはみ出した、アウトローのように見えます。

ですからネクタイを締めるのと同じように、たとえ実際での必要性や実用性はなくても、腕時計を着けるのが社会人としての常識。大人の男のルールでマナーでエチケットなのです。
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【2】腕時計は男のステイタスシンボル 
~腕時計は、どこが、なぜ、ラグジュアリーなのか

前項「1」で述べたように、腕時計が必要なのは時間を知りたいとき。でも、時間を知りたければ携帯電話で事足りるし、PCでも時間はわかる。街のいたるところでも時計を見つけることができます。

ですから、いま、腕時計が「必要だ」という人はほとんどいない。腕時計は「必要ないもの」なのです。

ではそれなのに、なぜいま、腕時計は世界的に人気なのか。しかも、伝統的な機械式の超複雑機構など高級なモデルほど人気が高いのは、いったいどうしてなのか。機械式はいまのクォーツ式や電波時計やGPS時計などに精度も信頼性も遙かに及ばない旧式のもの。なのに機械式にこだわり、ましてや超複雑機構にするなんて、まったく無意味。まさしく必要ないものです。

そしてその答えをいうと、「必要ないものだから」。必要ないものだからこそ、腕時計は世界的人気なのです。

というのは、必要ないものをわざわざ選び手に入れるのは、とても贅沢なことだから。それはいうなれば、一般道では決して性能を出し切れないのに、それでもスーパースポーツカーを選んで乗るのと同じこと。洒脱で遊び心のある、ラグジュアリーな行為だからです。

つまり必要ない腕時計を着けるのはラグジュアリー。だから大人の男であれば、腕時計を着けるべき。そして超複雑機構などの高級腕時計ほど、よりいっそうラグジュアリー。腕時計は男のステイタスシンボルなのです。
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【3】腕時計は最高の自己表現
~静謐なドレスウォッチ、躍動感あるダイバーズ

「人を見かけで判断しないのは子どもと愚か者だけだ」というのは、かのオスカー・ワイルドの至言。「ボロは着てても心は錦」なぁんいうのもありますが、でも、人は人を見かけで判断するものです。

そしてそれだからこそ、腕時計は重要。慎重に選ばなければならないのです。

繰り返しますが、いま、腕時計が「必要だ」という人はほとんどいない。誰もが携帯電話を持つのが当たり前である今日では、もはや腕時計はまったく「必要ないもの」になっています。

しかしそれだから、腕時計を着けることは、大きな意味をもちます。なぜなら、必要ないのに選び着けているのは、それは「わざわざ」ということにほかならない。だからそこには持ち主の強固な意志があるとみなされる。すなわち「私の腕時計を見て下さい」という、自己表現とみなされる。腕時計が持ち主を判断する、格好の材料とされるのです。

それに、実際、腕時計はとても雄弁なものでもあります。タフなスポーツモデルであれば持ち主も精悍なスポーツマンに見える。精緻な複雑機構であればメカに強い技術派の男に思われる。瀟洒なドレスウォッチならば洗練された雰囲気になる。そんな風に、腕時計は持ち主のことを巧みに物語ってくれる。まさに最高の自己表現のツールになるのです。

だから、ドレスウォッチで静謐に、とか。ダイバーズでアクティブに、とか。腕時計を選ぶとき、どんな男に見せたいか、というのも重要。時計選びの大切な条件なのです。
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【4】高級腕時計が高価なわけ 
~高価な機械式、安価なクォーツ式

腕時計で、もっとも驚くのは、高級腕時計の高価さでしょう。なにしろ、1億円を超すものも珍しくないのですから。

しかもさらに驚くべきは、安価なものは数百円しかしないこと。クルマも1億円超はありますが、しかしいちばん安価な軽自動車でも数十万円はする。宝石だって、数百円はありえない。腕時計の価格の幅広さは、本当に驚くべきこと。こんな商品はほかにありません。

では腕時計は、なぜそんなに価格が幅広いのか。

まず、安価な腕時計の代表はクォーツ式です。クォーツ式は1969年に初めて商品化された、数世紀を超える歴史と伝統をもつ時計のなかでは、比較的新しいもの。それまでの機械式を進化させたもので、最初期は生産が難しく、それゆえに元々は機械式にも勝る高価なものでした。

ところがクォーツ式は、電子部品を多用するのが工業生産に向いていた。そのため技術が進むと、クォーツ式は大量生産されるようになった。つまり機械式より性能は優れていても、安価に作ることができる。結果現在に至っては修理するより使い捨てにするほうがリーズナブルな、数百円のものを作ることもできるようになったのです。

一方、1億円を超すのは、機械式。それも歴史と伝統を守り、かつてと同じ手作業で丁寧に作られる、超複雑機構のモデルなどです。

それが高価なのは、時間と手間がかかるから。手作業で超複雑機構を作るのは、技術の発達した今日でも、かつてと同じ時間と手間がかかる。

それに超複雑機構をつくることができるのは、熟達した技術をもつ、ごく限られた時計師だけ。そしてそんなごく限られた時計師が、時間と手間をかけて作った超複雑機構は、当然、高価です。

ですから、腕時計の価格が幅広いのは、そういうこと。価格の安い腕時計には理由がある。高級腕時計が高価なのにも正しい理由があるのです。
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【5】よい腕時計選びは、よいショップ選びから 
~正規販売店の意味と意義

よい腕時計は「一生もの」と、よくいいます。

事実、名門ブランドの腕時計は、一生涯使うことができる。それどころか、パテック フィリップの広告のように「父から子へ、世代から世代へ」と受け継ぐことだってできます。

では、そんな一生ものの腕時計を、どこで買うべきか。

名門ブランドの一生ものだから、当然、高価。だから「できるだけ安く買いたい」と思うのは人情。そこで頭をよぎるのは、ディスカウント系のショップ。並行輸入などで価格を抑えた、いわゆる非正規店です。

しかし、一生ものだからこそ、正価で販売する正規販売店で買うべき。それが正解なのです。

なぜなら、一生ものの腕時計は、一生の思い出になる。ですから非正規店で買って、「中古だったのかしら」とか「不良品だったのかも」などと、ちょっとでも思ってしまってはすべてが台無し。そんな疑惑や戸惑いと一生付き合わなければならないからです。

それともうひとつ、正規店で買うのには、さらに大きな意味があります。

正規販売店とは、その名のとおりに、時計ブランドが正規に認めたショップのこと。そのため正規店はブランドとの密接な関係がある。取り扱いの注意点や、故障したときの対応など、さまざまな情報を知らされているのです。

対して、非正規店は、そういう情報がない。だから間違いや事故が起きかねない。つまり正規店で買うのが「安心」なのです。

さらに正規店の正規な価格には、時計を修理するための工房を設けるなど、そういう費用が含まれているのも重要な点。ディスカウント価格は、つまりそれを無視したものなのです。

ですから腕時計を愛する者であれば、必ず正規販売店で買うべき。すなわち、よい腕時計選びは、よいショップ選びから。それが鉄則なのです。

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