1. 世界でいちばん複雑な腕時計
世界で最も複雑な機構を持つ腕時計
パテック フィリップ グランドマスター・チャイム Ref.6300 時価
この価格も宝石がセットされていない機械式時計としては、ほぼ間違いなく「今いちばん高価な腕時計」。お値段も究極なのです。
2. 世界でいちばん薄い腕時計
薄型ウォッチといえば、半世紀以上もピアジェの独壇場でした。そこにこの5年あまりで、ブルガリが「オクト」の「フィニッシモ」コレクションによる挑戦的な新製品開発をはじめ、業界が注目するまでに至っているのです。
まずは手巻きのシンプルウォッチでいちばん薄いのが、1960年代から薄型ウォッチの代名詞的存在であるピアジェの「ピアジェ アルティプラノ 900P」。ムーブメントの厚さとケースの厚さは同じ3.65mm。これ、実はケースがムーブメントの地板(歯車などのパーツを取り付けるベース部分)と一体化しているのです。
手巻きモデルで世界最薄
ピアジェ アルティプラノ 900P 307万5000円
そしてこの春、自動巻きで世界最薄の称号を手にしたのが、ブルガリの「オクト フィニッシモ オートマティック」。マイクロローター式と呼ばれる、自動巻きの開店ローターを小型化してムーブメントの中に埋め込んだ「マイクロローター式巻き上げ機構」を搭載。
自動巻きモデルで世界最薄
ブルガリ オクト フィニッシモ オートマティック 144万円
さらにブルガリはこの「オクト フィニッシモ」コレクションで、手巻きミニッツリピーター、手巻きトゥールビヨン、手巻きスケルトントゥールビヨンという3種類の複雑時計でも、現在世界最薄のモデルを開発・発売しています。ケースの厚さはそれぞれ6.85mm、5mm、5mmです。
さらにクォーツのアナログウォッチで今、いちばん薄いのが2016年に発売されたシチズンの「エコ・ドライブ ワン」。ムーブメントの厚さは1mm、ケースの厚さは2.98mm。歴史上、クォーツのアナログ腕時計で最も薄いのはスイスのコンコルドが発表したケース厚0.98mmの「デリリュームⅣ」ですが、シチズンのこのモデルはエコ・ドライブ、つまりソーラー駆動で、フル充電状態にすれば6ヵ月は正確な時を刻み続ける、技術的に格段に進化したモデルです。
クォーツ時計で世界最薄
シチズン エコ・ドライブ ワン(2017年モデル)40万円
● 渋谷ヤスヒト
時計&モノジャーナリスト、編集者、メディアプロデューサー。モノ情報誌の編集者として1995年にスイス2大時計フェアの取材を開始して以来、現在まで一貫して国内外のあらゆる時計ブランドのファクトリー、人、時計業界全体の歴史や動向まで取材を続けている。時計に限らずスマートフォン、PC、家電、カメラ、クルマをはじめあらゆるジャンルが取材対象。雑誌やテレビ、ウエブ等の企画・監修も手がける。
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