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2021.01.09

光る時計がめちゃ進化しているって知ってました?

2020年に登場した腕時計を振り返ってみて、面白い進化を見せたのが「光る時計」。そもそもは暗闇の環境でもミッションを滞りなく遂行するために始まった夜光時計ですが、最近ではデザインの一部として個性をアピールするようになりました。

CREDIT :

文/鈴木裕之 

新しい「光る時計」は、“暗闇での見やすさ”から“デザイン”へ

腕時計が発明され、一般に広まっていく初期段階で、大きな需要を占めたものにミリタリーウォッチがありました。戦場でミッションタイムを正確に把握するツールとして使われた腕時計において、暗い場所での見やすさを高めることは大きな課題でした。時分針やインデックスに暗所で光る塗料(自発光塗料、蓄光塗料など)を塗布して、判読性を高める手法が使われ始めたのは、1910年代の頃です。
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▲ 1938年に生産された、パネライの「ラジオミール」。ラジウムベースの発光塗料がダイアルに塗布されている。第二次世界大戦を目前に控えた1936年に試作品が10点ほど作られ、その特徴を強く受け継いでいる。
その初期に用いられたのが、20世紀初頭に発見された新元素「ラジウム」。キュリー夫人が発見したと、歴史や物理の授業で教わるあの元素です。α波を放出する放射性元素であるラジウムに蛍光物質を混ぜた塗料は、蛍光物質がα波を受けることで自発光します。こうした自発光塗料は、体積が大きいほど力強く発光するため、厚く盛り上げるように塗ることが重要でした。

1938年にパネライが開発した2代目の「ラジオミール」は、その名の通りラジウムを使ったダイアルに大きな特徴がありましたが、ベースダイアルいっぱいにラジウムを塗り、インデックスの形状をくり抜いたメインダイアルを被せるサンドイッチ構造を採ることで、力強い自発光を実現させていました。

一方、1910年代後半から20年代にかけてのアメリカでは軍需の高まりを受けて、夜光時計の生産量が増加。それに伴い、ラジウムペインターたちの放射線による健康被害が深刻化してきました。こうした事情から、1960年頃にはラジウムの使用が禁止され、同じ放射性元素である「トリチウム」が主流となります。このトリチウムは、1990年代頃まではロレックスでも使われています。

その後、1993年に日本の根本特殊化学が、「N夜光」という放射性物質を含まない蓄光性の顔料を開発すると、「スーパールミノバ」の商標で一気に一般化します。また近年では、ロレックスが開発した「クロマライト」など、新しい蓄光塗料も登場。夜光時計は、暗闇での視認性を高めるとともに、さらなる安全性も求めて進化してきたのです。

光る時計は自発光塗料から蓄光塗料へと移り変わりましたが、その変遷は長いこと時分針とインデックスの上だけに留まっていました。しかし2020年には、光る塗料をデザインへと昇華させた、興味深いモデルが数多く登場。昼と夜で様変わりする印象は目を飽きさせず、暗闇でも時計をポップに楽しめるようになったことでナイトアウトを一層充実させてくれることでしょう。
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◆パネライ  『ルミノール マリーナ DMLS-44mm』

光る時計の伝統を踏まえ、新たなアイコンへ

トリチウムをベースとした自発光物質「ルミノール」を用いたミッションタイマーを約70年前に開発していたパネライ。特徴的なリュウズプロテクターと共に、光る時計はパネライのアイデンティティとなってきました。

2020年に発表された「ルミノール マリーナ DMLS-44mm」では、近年の主流となっているスーパールミノバX1を、インデックスや針以外の部分にも盛り込み、より明確に個性を主張しています。
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◆ ベル&ロス  『BR 03-92 ダイバー フル ラム』

マットブラックと光の強烈なコントラスト

四角いダイバーズウォッチという逆転の発想で人気を呼んだベル&ロスの「BR 03-92 ダイバー」。新作の「ダイバー フル ラム」では、ダイアル全体にスーパールミノバC5を塗布。インデックスと針のルミノバと色味を変えることで、通常時の判読性を確保しています。

海中を含む暗所では、ダイアル全体が爆発的な光を発し、強烈なアイデンティティを主張。光り方のコントラストが異なるため、判読性の高さは驚くほどです。
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◆ ゼニス 『デファイ エル・プリメロ 21 カール コックス エディション』

ランダムパターンのカーボン目に発光をプラス

2020年初頭に発表されたゼニスの限定モデル「デファイ エル・プリメロ 21 カール コックス エディション」は、圧縮焼成される前のフォージドカーボンにスーパールミノバを混ぜ込むことで、ランダムパターンを持った光るベゼルを実現。

ブラックルテニウム加工が施された針とインデックスにはスーパールミノバC1を塗布することで、明確な視認性を確保しています。コーデュラエフェクトが施された赤いストラップにも、ルミノバのステッチが施されています。
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◆ ロジェ・デュブイ 『エクスカリバー ブラックライト』

腕元が華やぐカラフルなネオンカラー

2020年末に発表されたロジェ・デュブイの「エクスカリバー ブラックライト」は、光る時計の最新作。様々な色を再現できるサファイアマイクロチューブを、スケルトナイズされたムーブメントに盛り込んでいます。

香港最後の手作りネオン職人とのコラボレーションから生まれたネオンに見立てたデザインは、アジア特有の熱気を表現。ストラップにもルミネッサント加工を施すことで、全身が光る時計となっています。
※掲載商品はすべて税抜き価格です

■ お問い合わせ

オフィチーネ パネライ 0120-18-7110
ゼニス 03-3575-5861
ベル&ロス ジャパン 03-5977-7759
ロジェ・デュブイ 03-4461-8040

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