2016.10.14

その価値を決めるのはあなたの耳 Vol. 02

Brand01

Bulgari[ブルガリ]

音色と造形美の両方を極める

数百というパーツを組み込むミニッツリピーターは当然ながらムーブメントも大きくなります。しかしブルガリは、エレガンスを忘れてはいません。

優れた設計思想と優れた美意識の融合

ブルガリ ミニッツ
カットアウトされたインデックスの隙間から出てきた音は、ダイヤルと風防ガラスの間にある空間で反響し、理想の音色を奏でる。
ミニッツリピーターモデルの弱点は、ケースの大きさにあります。パーツ点数が多いためムーブメントは大きく厚くなりがちですし、ハンマーやゴングというほかにはない大型のパーツもあります。

しかも音を美しく響かせるためには、反響させる空間も必要となる。そのため理想の音を追求するということは、どうしてもサイズ面で制約が生まれてしまうのです。しかしそこに一切の妥協を許さなかったのがブルガリでした。
オクト フィニッシモミニッツリピーター
オクト フィニッシモミニッツリピーター1900万円
自社製ムーブメントキャリバー フィニッシモ ミニッツリピーターの厚みは3.12㎜で、ケースの厚みは6.85㎜しかない薄型ミニッツリピーター。デザイン面でも妥協せず、ファセットカットのケースに合わせて、ミニッツリピーターを起動させるボタンを9時位置側にセット。シンメトリーな姿が美しい。世界限定50本。手巻き、Tiケース(46㎜)、アリゲーターストラップ/ブルガリ(ブルガリ ジャパン)
『オクト フィニッシモ ミニッツリピーター』は、110面体で構成される美しいオクトのケースを6.8‌5㎜に抑えた超薄型のミニッツリピーターです。このモデルの最大の特徴はインデックスと数字を切り抜いたダイヤルにあります。

なんとこの隙間を使って音をダイヤル側に逃がして反響させることで、薄型ケースでありながら音色にも妥協しない画期的なミニッツリピーターが完成したのです。美と技の融合にこだわるブルガリらしい一本です。
キャリバー フィニッシモミニッツリピーター
丁寧な仕上げも必見 / キャリバー フィニッシモミニッツリピーターは薄いだけでなく、仕上げにも力を入れている。メインテナンス性に優れた分割ブリッジの上にはコート・ド・ジュネーブと呼ばれるストライプ柄が入り、人工ルビーの穴石も大きい。
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Brand02

Ulysse Nardin[ユリス・ナルダン]

目には見えない音を華やかに演出する

音は空気の振動なので、目で見ることはできない。しかしユリス・ナルダンは、古典技法を使って美しい音色を演出してしまいました。

驚くべき超複雑機構

ジャズ ミニッツ リピーター
ジャズ ミニッツ リピーター 6200万円
ブラックオニキス製ダイヤルの上に、ホワイトゴールドで仕上げた4名のジャズマンを配置。ミニッツリピーター機構を作動させると、彼らが演奏を始めるという目と耳の両方で楽しむ時計。これだけの複雑機構を製造可能なブランドは少ない。手巻き、Ptケース(42㎜)、アリゲーターストラップ/ユリス・ナルダン(ソーウインド ジャパン)
そもそもミニッツリピーター機構が考案された理由は、時計の針が見えないほど暗い室内や馬車の中でも現在時刻を確認できるように、鐘の音で時刻を表現したもの。

つまり古式ゆかしい機構であり、“時計文化の奥深さ”を表現しているのです。その特色を強く意識しているのが、ユリス・ナルダンの『ジャズ ミニッツリピーター』。

ミニッツリピーター同様に時計業界における古典機構であるオートマタ(からくり時計)を利用しており、サイドのスライダーを操作すると、時刻を表す音に合わせて4名のジャズマンたちも動く仕組み。古典的な複雑機構を使って、目と耳の両方を楽しませてくれるのです。
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Brand03

Breguet[ブレゲ]

ミニッツリピーターを次の時代へと進化させる

先に音色を決め、それに合わせて時計を開発するという先進的アプローチにより、限りなく透明感のある響きをもったリピーターが実現しました。

古典機構にハイテク技術を取り入れた

ブレゲ トラディション ミニッツリピーター トゥールビヨン 7087
ブレゲ トラディション ミニッツリピーター トゥールビヨン 7087/4988万円
効果的な音色の広がりを科学的に解析し、下から上へとハンマーを動かすという独自機構を考案。さらにハンマーの打刻スピードの調整には、部品同士が接触しないように磁力を利用しているので、雑音が入ることもありません。手巻き、18KRGケース(44㎜)、アリゲーターストラップ。年内入荷予定/ブレゲ(ブレゲ ブティック銀座)
その一方で、古典機構を進化させているのがブレゲ。初代ブレゲが“時計の歴史を2世紀は進めた”人物であったように、現代のブレゲも時計の進化に余念がありません。

『ブレゲ トラディション ミニッツリピーター トゥールビヨン 7087』は、理想の音を奏でるためにゴングの形状を変更。さらにハンマーを下から上へと垂直移動させて、強く効果的にゴングを鳴らすことができるようにしました。光が溢れる現代社会においては、“音で時刻を知る”という機能は不要です。

しかし、その不要で余剰な行為を楽しむのが文化というもの。どんどんスピードを増していく現代社会において、ミニッツリピーター機構が奏でる音に耳を傾けるというひと時は、特別な価値をもつことでしょう。
写真/鈴木泰之 文/篠田哲生

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