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2016.06.10

ますます時計がお洒落になってきた!Vol.2

4人のスペシャリストが語る今年の時計

S.I.H.H.やバーゼルワールドで発表されたさまざまな新作時計たち。もちろんそれらを発表するにいたるにはさまざまな開発ストーリーや時代背景、ブランディング戦略があるのが事実。

で、こちらではそんな裏話をご紹介。来年の話なんかもチラホラ!?

Person01 IWC

ハネス A. パントリ/IWCボードメンバー

ハネス・A・パントリ氏は1972年からIWCに務める大ベテラン。ゆえブランドの全史を熟知しており、IWCのさまざまな逸話と今後の展開を話してくれました。
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私が日本を最初に訪れたのは75年。まだディストリビューションが確立されておらず、その整備が私の仕事でした。

そして70年代のIWCといえば、時計好きならご存知のポルシェデザインとのパートナーシップがあります。

70年代後半から20年間でしたね。そこで生まれたひとつが時計界初のチタンケース。IWCにとって大変意義深いモデルでした。

そしてその後、原点回帰してパイロット・ウォッチの『マーク11』の進化版『マーク15』で大成功を収めました。時計は男性が身に付けることのできる唯一のアクセサリーだと思うので、そこに歴史や物語があることがとても大切なんです


今年は、その歴史的名作パイロット・ウォッチのコレクションが全面刷新されました。

90年代以降『ポルトギーゼ』や『ポートフィノ』『インヂュニア』など各コレクションをリニューアルしています。IWCはそういう歴史的モデルをもっているのが強み。これからも歴史を大切にして、あっと驚く進化をしていくと思います

Person02 Richard Mille

ティム・マラシャール/マーケティングディレクター

ティム・マラシャール氏は生産計画や各国への出荷本数の配分のほか、提携するアスリート=パートナーの人選まで行っています。

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リシャール・ミルの一番の特徴は常に新しいことに挑戦し続けていること。通常は技術が先にあり、その技術の範囲内で実現可能なモデルを作ります。

しかしリシャール・ミルは新しい機能や性能を考え、それを実現するために技術開発をする。航空宇宙産業やF1で使用される最先端素材に着目するのもそのためなんです。つまり、ほかのブランドとはまったくアプローチが違います。そこがまさしく革新的で独創的なのです。


そしてリシャール・ミルが、いま、力を入れているのが認定中古。

2年前から始めたのですが、これは単なるビジネス以上の意味があります。まず、下取りや買い取りをすることで、中古の市場をコントロールすることができる。それはブランドイメージのコントロールであり、顧客サービスでもある。

また、リシャール・ミルは自社製品の修理を永続的に行っていきたいと思っています。50年後にも書類があれば修理し動くようにする。そんな価値あるブランドにしていくこと。それを目指し、実現させていきます
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Person03 Roger Dubuis

アルヴァロ・マッジーニ/クリエイティブディレクター

ロジェ・デュブイのクリエイティブディレクターのアルヴァロ・マッジーニ氏は広告やコーポレートアイデンティティなどブランドイメージ全般を手がけるキーパーソンです。

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私の仕事は、いうなれば、時計づくり以外のすべて。S.I.H.H.のブースも、毎年私がデザインしています。今年はカンヌ映画祭がモチーフ。レディスウォッチの新作『ベルベット』の発表の場として、女性が一番美しく輝けるステージを用意したんです。

ピラミッドのような階段のステージにはオートクチュールのドレスを着たマネキンが立つ。ドレスのセレクトも、もちろん、マッジーニ氏が行ったそう。

例えば、日本の茶道は、ただお茶を味わうだけではない、様式が美しいもの。それと同じように、時計をただショーケースから出すだけでなく、より美しく見せるのが私の仕事なのです
また、今年の新作の特別モデルであるマサロとのコラボレーションもマッジーニさんのアイデアだという。

ロジェ・デュブイらしいリッチでエクスクルーシブな作品になったと思います。とにかく、名刺からショップまで、すべてのデザインが私の仕事。近々、日本にブティックをオープンしますので楽しみにしていてください

Person04 OMEGA

ジャン=クロード・モナション/プロダクト開発担当副社長

時計の精度に影響を及ぼす磁場は目に見えないため、自覚しにくいのですが、実は身の回りに溢れています。例えばハンドバッグの開閉の磁石も影響するんです。それだけ日常的な問題であり、誰もが必要としているにもかかわらず、高耐磁性はどのブランドもやりませんでした。だからオメガがやったということです
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オメガは1万5000ガウスの高耐磁性をはじめ、その品質を保証するために、スイス連邦計量・認定局(METAS)と共同でマスター クロノメーターの認定制度を制定。現在の技術レベルでは従来のクロノメーターではもう不十分であり、それを自社ではなく、第三者の認定にすることでより公平かつ信頼性が高まると判断しました。

今後認定モデルをさらに拡充し、2020年にはコーアクシャル脱進機での認定80%以上を目指します。そのためにはレディスや中型ムーブメントを想定した審査カテゴリーを増やすことも検討しています」。

2016年のバーゼルワールドではクロノグラフ、スモールセコンドキャリバーも発表され、さらなるマスター クロノメーター搭載モデルが拡大しているオメガ。マスター クロノメーターがスタンダードな認定となる日は遠くない。
写真/堀 応樹 取材・文/柴田 充、福田 豊

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