今年もまたトゥールビヨンの革新的な新作が登場。そしてそんな新しいトゥールビヨンは"モダンクラシコ"の代表となるものである。というのの、その理由と今年の最新モデルとをご紹介いたします。
ところで、ここ数年、トゥールビヨンの魅力的な新作が数多く誕生している、というのも度々述べていること。それを選び付けこなす「トゥールビヨニスタ」になることを大オススメしてもいますよね。各ブランドが各自各様の個性を活かした、多種多様なトゥールビヨンを開発しているのです。そしてそういう新しいトゥールビヨンもまた“モダンクラシコ”の代表となるものであるのです。なぜならトゥールビヨンは機械式時計の技術の最高峰に位置する、つまりは時計の歴史と伝統の頂点のものだから。だからトゥールビヨンを各自各様に仕立てることは、古典=クラシックを大切にしながらも革新=モダンなアプローチをしている時計である、ということだからです。
さて。ここに挙げたのは、今年のジュネーブで発表されたトゥールビヨンの最新のモデルたち。ジャガー・ルクルトは独自の多軸トゥールビヨンに、さらに新たに開発をした超高精度のムーンフェイズを併載した、マニュファクチュールの真骨頂となるモデル。同じく技巧派マニュファクチュールであるロジェ・デュブイも、十八番のスケルトン加工のフライングトゥールビヨンモデルを、新開発の革新的ダイヤベゼル仕様にした作。リシャール・ミルは超複雑機構であるトゥールビヨンに、さらに超複雑なオートマタの機構を取り入れた、驚異的な超大作モデル。
つまりこれらはまさしく古典=クラシックを革新=モダンに進化させたもの。やはりLEONがいま一番気になり大オススメしたい“モダンクラシコ”の大代表なのです。
Richard Mille [リシャール・ミル]
RM 19-02 トゥールビヨン フルール
トゥールビヨンにオートマタを組み合わせた超大作
ダイヤルの左下の花びらが5分ごとに開きフライングトゥールビヨンが現れるオートマタ機構の新作。ケース左のプッシュボタンでもその動きを楽しむことができます。手巻き、18KWGケース(45.4×38.3㎜)、アリゲーターストラップ。世界限定30本。今秋発売予定。1億2000万円/リシャール・ミル(リシャールミルジャパン)
上のモデルに合わせて、このような花を飾ったドレスを着た女性がブースに常駐。来場者の目を大いに楽しませたのです。
Jaeger-LeCoultre [ジャガー・ルクルト]
デュオメトル・スフェロトゥールビヨン・ムーン
新開発の超高精度ムーンフェイズを併載
秀でた高精度を誇る多軸トゥールビヨンに、3887年に1日の誤差しか生じない超高性能ムーンフェイズを併載した新作。スモールセコンドにフライバック機構をもたせ、秒単位での調整ができるのも特徴。手巻き、Ptケース(42㎜)、アリゲーターストラップ。世界限定75本。発売時期未定。23万6000ユーロ(予価)/ジャガー・ルクルト
Roger Dubuis [ロジェ・デュブイ]
エクスカリバー スパイダー フライングトゥール ビヨン スケルトン ジェムセット ラバーベゼル
世界初の革新的技術のトゥールビヨンモデル
ラバーベゼルにバゲットカットのダイヤモンドを直にセッティングした技術は世界初。まさしく伝統的なトゥールビヨンに最新テクノロジーを加えた“モダンクラシコ”です。手巻き、ブラックDLCTiケース(45㎜)、ラバーストラップ。世界限定88本。今冬発売予定。2220万円(予価)/ロジェ・デュブイ
写真/堀 応樹(てるうちスタジオ) 文/福田 豊
2015年4月号より抜粋