春先にぴったりな軽アウターは、意外なモノでできていた!?

地球環境への配慮が叫ばれる昨今、特に環境負荷の高い分野であるファッションにおいて、「サステナブル」はもはや当たり前のキーワードです。2020年春夏のファッションウィークでは、メゾンも若手も関係なく、様々なブランドが多様な取り組みをアピールしていました。そんな中ご紹介したいのが、ヘルノの新ライン「グローブ」でございます。
 
ヘルノは、ご存知の通り70年以上の歴史を持つイタリアの老舗アウターブランド。チェスターコートや薄軽ダウンで知られていますが、いち早くエシカルでサスティナブルな経営方針を表明してきたブランドでもあるんです。
 
今回発表されたスプリングコートは、タマネギ外皮をベースに植物成分で、リサイクルナイロンを染色しているのがポイント。使っているのは、なんとタマネギやオリーブ、竹炭といった身近なものなのだとか。何よりも自然由来の優しい色合いが素敵じゃないですか。
 
そもそもデザインも秀逸で、角度の付いたフラップポケットのアクセントや軽快な丈感は、この春の一軍入り間違いなし。女性に「良い色だね」って褒められたら「これ実はね……」なんて教えてあげると、さらに好感度がアップすること請け合いです。

フード付きのスプリングコートは、風にふわっと舞うほど軽い着心地。生地はタマネギの皮を染色に利用した小松マテーレの「オニベジ」を採用しており、こちらの2色はさらに竹炭で色を付けたもの。草木染めを応用した染色方法で作られています。

ライニングのタグには染料の素材となった植物の絵が描かれています。竹炭を使うので、竹というわけ。

自然由来の染料でしっかり染め上げるというのは高度な技術のいるものだそう。オリーブ色のこちらは、そう、オリーブで染めたものです。ミリタリーな雰囲気ですが、発色とシワ感のある生地の風合いのお陰で無骨さは皆無です。

タグにはもちろんオリーブの絵。ニュアンスのある絵のタッチにも注目です。

様々なシーンで活躍してくれそうなネイビーは、インディゴで染められたもの。ボトムスには同じくインディゴ染めであるデニムを合わせても、素材感の違いを楽しめそうです。中には白いシャツなどを中に着て爽やかに着こなすのが鉄板でしょう。

インディゴ染めは古来からある染色の技法。インダス文明の頃から確認できるとか。

まさにスプリングコートに相応しい明るいイエローのこちらは、タマネギで染め上げているというから驚き。これだけ発色が良ければ、都会の街にも埋もれず、存在感を発揮してくれそう。自然の豊かさが伝わってくる温かみが魅力です。

タマネギの外皮に含まれるポリフェノールの一種、ケルセチンがベース。廃棄物対策にもなりエコなんです。