2018.12.18
銀座にオープンした2つの新しいホテル。どこがスゴイか?
11月9日に「ザ・スクエアホテル銀座」、12月14日に「ザ・ゲートホテル東京 by HULIC」と、いま、銀座は新ホテルのオープンラッシュ。ますます選択枝が増えていく、銀座の最新ホテルシーンをお伝えします。
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文/古関千恵子
【ザ・ゲートホテル東京 by HULIC】
一等地に堂々デビュー、ザ・銀座な夜景をとことん味わう

“大人のためのホテル”を目指し、デザインコンセプトは“華と粋”。華やかさと銀座の粋が随所にちりばめられています。たとえば、4階にある天井高7.5メートルの開放的なロビーフロア。花吹雪をイメージしたアートワークと、床から天井までのガラス窓に広がる数寄屋橋交差点の風景に迎えられます。館内に緑を配置し、テラスにはリゾート気分のパラソルとソファを用意。屋内と屋外がシームレスにつながり、もうひとつのコンセプトである“街との一体感”をなしています。

レストランは23時、バーは24時まで営業。夜遅くまで利用できるのもメリットでしょう。さらに宿泊すれば、バーとロビーラウンジは24時間利用できます。「もうちょっと飲みたいね、泊まってく?」的な会話の流れも自然な感じがしませんか。
たとえばレストランのメニューはシャルキュトリやカルパッチョに加え、おすすめはスモークサーモン。食べ応えのある1センチほどの厚切りです。そして、メニューにないものも、「今日、シーフード系で何かできない?」とお願いすれば、できるかぎり対応をしてくれるとのこと。


【ザ・スクエアホテル銀座】
ディテールにこだわった、コスパなライフスタイルホテル


「黒、白、ネイビーを使った大胆な配色、“銀座”からインスピレーションを受けたデザイン。そしてジーンズブランドの『Lee』とコラボしたベッドスローやスタッフのユニフォームなど、さまざまな工夫を凝らしています。客室の照明からオリジナルのマグカップまで、随所にホテルのこだわりが感じられます」。

「銀座はもともと大きな需要が見込めるだけあって、どうしてもターゲットを絞り切らない無難なホテル開発が続いていました。背景的にはバブル崩壊以降、長らくホテル業は儲かりづらく、ターゲットを絞るリスクを負ってまでチャレンジするプレイヤーがほとんどいなかった、というのもあります。それがザ・スクエアホテル銀座では、あえてターゲットを絞りこむ勇気ある作りをしている、と感じています。外資系のような大手ではないホテルグループがこのようなスタイルで成功すれば、追随する他社も出てくるかもしれません」

銀座のホテルシーン、今後はどう変わる?

伝説のホテリエ、イアン・シュレーガーが仕掛ける「エディション」が2020年に日本初上陸。エッジの立ったデザインと“本物であること”を追求した世界観が特徴。中央通りからすぐそばにあり、銀座一丁目駅近く。13階建て80室。虎ノ門にも同系列ホテルが同じく2020年に誕生予定。
URL/http://www.editionhotels.com
イタリアの高級ジュエラー、ブルガリのホテルが2022年末、銀座にほど近い東京駅前に登場予定。伝統的なデザインとドラマティックなイタリア建築とが融合。真のラグジュアリーなサービスを提供。これまでミラノやバリ、ドバイなどに6軒、今後、パリやモスクワにもお目見え。39~45階、98室。
URL/https://www.bulgarihotels.com/ja_JP/tokyo
シンガポール資本のフレイザーズ・ホスピタリティの“カプリ・ブランド”が初進出。デジタル世代に向けてスタイリッシュなソーシャルスペースを提案。チェックインからプール、バーへ至るレイアウトも斬新。木材を多用し、折り紙を思わせる、隈研吾のデザインも秀逸。190室。
URL/https://www.frasershospitality.com/ja

岩本大輝(いわもと・ひろき)
1966年創刊のホテル・レストラン業界の専門誌「週刊ホテルレストラン」編集長。緻密な取材と幅広いネットワーク、そして鋭い分析力を武器に、ホテル・レストランシーンの今を伝える。防衛大学校を卒業後、バーテンダーを経た、ユニークな経歴の持ち主。