2018.11.25

客の8割がリピーター！谷川岳を望む元祖和モダンなラグジュアリーリゾート

創業38年の老舗温泉宿「旅館たにがわ」の姉妹館、「別邸仙寿庵（せんじゅあん）」。日本の意匠ともいえるモダンデザインをふんだんに取り入れた内装、静謐な澄んだ空気がいっぱいの自然。まさに、最上のリゾートホテルです。

CREDIT :: 文／福田豊

今回、向かったのは、群馬県の水上温泉にある「別邸仙寿庵(せんじゅあん)」というところ。ご存知の方もいらっしゃるかもしれないですね。同地で名高い老舗旅館「たにがわ」の別邸として平成9年に開業した、老舗旅館の進化系。「和モダン」の先駆けです。

たった2時間で1日中いても飽きないリゾートに到着

約2時間ちょっとの、ちょうど良いドライブで到着。まず目を奪われるのが、山間の立地の素晴らしさです。豊かな自然に囲まれた敷地は、静謐な澄んだ空気がいっぱいで、それが目に耳に、そして胸にも心にも清々しい。

チェックインをすると、眼前には庭園が広がります。四季折々の草花が咲き、小鳥たちがさえずり、時にはカモシカや野うさぎも訪れるとか。奥には、離れの「読書ルーム」や谷川の辺の水遊び場などもあり、谷川の清冽な流れが心地よい水音をたてている。美しい景観と清らかな空気に包まれた敷地内だけで、1日中充分に愉しめます。

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ロビーから出ることができる広々とした庭園。秋は美しい紅葉が楽しめる。
冬、雪が降り積もった庭園も見どころのひとつ。静けさが心を癒す。
茅葺の門。この門をくぐった瞬間から、ラグジュアリーなリゾートタイムが始まる。
高さ8mのガラス張り、開放感に溢れた曲面廊下。ライトアップされた庭園もみごと。

ロビーから出ることができる広々とした庭園。秋は美しい紅葉が楽しめる。
冬、雪が降り積もった庭園も見どころのひとつ。静けさが心を癒す。
茅葺の門。この門をくぐった瞬間から、ラグジュアリーなリゾートタイムが始まる。
高さ8mのガラス張り、開放感に溢れた曲面廊下。ライトアップされた庭園もみごと。

もちろん、魅力は、それだけじゃあ、ありません。まず挙げられるのが、傑出したラグジュアリー感。約千坪の広大な敷地に、客室がたったの18部屋。全室の窓外に谷川岳の雄大な姿が望め、窓を開ければ谷川の流れが聞こえる。それを愉しみつつゆったりと寛げる露天温泉も各部屋にある。そんな高級リゾートの造りなのです。

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温泉は自家源泉を3本ももち、湯量は素晴らしく豊富。各個室に備わっている露天風呂の他、檜の香りの大浴場や大きな露天風呂もある。ミストサウナや塩サウナ、エステルームも完備しており、温泉を使用したオリジナルの施術を受けられるなど、まさに至れり尽くせり、です。

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大浴場は露天風呂と内風呂がふたつずつの計4つ。写真は、谷川渓谷を望む露天風呂「ほたるの湯」。
大浴場「仙の蔵」。低音のミストサウナを併設。同じく大浴場の「一の蔵」には、高温の塩サウナがある。
エステルームでは、温泉を利用したオリジナルの施術が受けられる。また、エステルーム横には、夏季限定だが、歩行湯がある。

大浴場は露天風呂と内風呂がふたつずつの計4つ。写真は、谷川渓谷を望む露天風呂「ほたるの湯」。
大浴場「仙の蔵」。低音のミストサウナを併設。同じく大浴場の「一の蔵」には、高温の塩サウナがある。
エステルームでは、温泉を利用したオリジナルの施術が受けられる。また、エステルーム横には、夏季限定だが、歩行湯がある。

和モダンの造りも大きな魅力です。壁や床、天上の材質を日本風にしつつ、各所の幅を広く天井を高くした空間ボリュームが西洋風。建物の基本は和で、ガラス張りの渡り廊下は洋。エントランスや通路などには、日本の意匠ともいえるモダンなデザインがふんだんに取り入れられている。客室もそれぞれ個性的で、和もあれば、完全な洋室もある。つまり、何度訪れても、毎回新鮮な感動で過ごせるというわけです。

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客室「和室102さざんか」は、12.5畳の和室に広縁、専用露天風呂のついた部屋。広縁からの眺めに心癒される。
客室「和洋室301舞雪」は、ツインベッドルームに8畳の和室、専用露天風呂のついた部屋。大きな窓と露天風呂から美しい自然が楽しめる。
ガラス張りの曲面廊下は、室内にいながら自然の中を歩いているかのような開放感に溢れている。

客室「和室102さざんか」は、12.5畳の和室に広縁、専用露天風呂のついた部屋。広縁からの眺めに心癒される。
客室「和洋室301舞雪」は、ツインベッドルームに8畳の和室、専用露天風呂のついた部屋。大きな窓と露天風呂から美しい自然が楽しめる。
ガラス張りの曲面廊下は、室内にいながら自然の中を歩いているかのような開放感に溢れている。

そして、このガラス張りの廊下を渡るのが、また心地よいのです。まるで自然の中を歩いているよう。それに朝、昼、晩で廊下と庭の光が徐々に変わっていくので、都会とはまったく違った「静かな時間の流れ」というのを感じることができる。つまり本当にリゾート地でのリラックス感が、たっぷりと味わえます。

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老舗の"新しさ"がふんだんに溢れた料理とおもてなし

というふうに、いろいろ見聞し愉しみ、さて、夕食。それぞれに趣の異なる18室の食事処のなかから選んで、そこで食すのですが、これがまた素晴らしく贅沢な空間です。

料理は、地元の滋味三昧で、野菜や上州牛や豚……。ことに、岩魚や鮎といった川魚が美味。量も味も絶品です。

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前菜から始まり、山の幸、川の幸、上州牛など旬の食材の料理が次々と提供される夕食は、味も量も大満足。
季節ごとの旬を愉しめる料理は、彩の美しさ、器の華やかなど、目にも美味しい。
食事は趣の異なる18室の食事処の中から選ぶ。写真は、そんな食事処のひとつ「響」。京土壁の意匠に心惹かれる。

前菜から始まり、山の幸、川の幸、上州牛など旬の食材の料理が次々と提供される夕食は、味も量も大満足。
季節ごとの旬を愉しめる料理は、彩の美しさ、器の華やかなど、目にも美味しい。
食事は趣の異なる18室の食事処の中から選ぶ。写真は、そんな食事処のひとつ「響」。京土壁の意匠に心惹かれる。

ゆったりと夕食を味わって部屋に帰ると、布団が延べられている。そしてこれがまた贅沢で、事前に枕と敷布団が選べるのです、硬さとか素材とか。

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庭園から読書ルームに向かう途中にあるガーデンテラス。地場野菜や飲み物を提供してくれ、のんびりとした時間が楽しめる。
庭園奥にある木々に囲まれた読書ルーム。読書を楽しんだり、庭園散策の途中に休憩したり、思い思いの時間を。
食事処のエントランスや客室のエントランスなどには、組子障子（くみこしょうじ）が使われている。みごとな細工に目を奪われる。

庭園から読書ルームに向かう途中にあるガーデンテラス。地場野菜や飲み物を提供してくれ、のんびりとした時間が楽しめる。
庭園奥にある木々に囲まれた読書ルーム。読書を楽しんだり、庭園散策の途中に休憩したり、思い思いの時間を。
食事処のエントランスや客室のエントランスなどには、組子障子（くみこしょうじ）が使われている。みごとな細工に目を奪われる。

と、まぁ、「別邸仙寿庵」というのは、古きよき日本の温泉宿の伝統を継承し、最新のリゾートホテルのラグジュアリー感も併せもつ、つまりは「今日の最高の宿」ということですね。やはり年輪重ねた老舗というのは素晴らしい、というのを改めて実感。いや、感動しちゃいましたよ、本当に。で、そんな感動をもつ人も多いようで、宿泊客のほぼ8割がリピーターなのだとか。……納得です。