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2021.11.07

“しっぽり”だけが温泉旅じゃないんです。隈 研吾氏の仕掛けを楽しむ「界 別府」

大分の別府に2021年7月8日にオープンした「界 別府」は、建築家の隈 研吾氏がレトロな温泉街のイメージを最新施設の中に取り込んで設計・デザインした本格派テーマパークのような温泉旅館。ときには「しっぽり」とか「お忍び」を忘れて温泉旅を明るく楽しんでみませんか。

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文/小野アムスデン道子

▲ 全客室から望める別府湾は、まるで柿渋色の壁にかかった絵のように際立って見える。
朝晩の冷え込みも日増しに強くなり、温泉が恋しい季節がやってきました。LEONでご紹介する温泉と言えば、彼女と「しっぽり」とか「お忍び」というキーワードがおなじみですが、今回ご紹介する星野リゾートの「界  別府」はちょっと異質。ふたりで思い切り温泉を楽しんじゃおうというエンタメ系温泉宿なのです。

「日本一のおんせん県」大分の別府に2021年7月8日にオープンしたこちらは、建築家の隈 研吾氏がレトロな温泉街のイメージを最新施設の中に取り込んで設計・デザインした本格派テーマパークのような温泉旅館。そのコンセプトは「ドラマティック温泉街」。素晴らしい眺望を生かした特徴的な部屋と、館内に巡らされたさまざまな仕掛けは大人のカップルでも楽しめること請け合いです。

ここは旅館の中なの? 温泉街をそぞろ歩く気分で

▲ エレベーターが開くと、赤い壁に照明が下がり、別世界に来たよう。
エントランスから真っ黒なエレベーターに乗り込んで、ロビー階に着くと、そこは打って変わって赤い壁に囲まれた華やかな空間。いくつもぶら下がった和紙のちょうちんは、どことなく夜店の裸電球と傘を思わせて艶っぽい感じが漂います。フロントの前に広がるのは人々が集う広場をイメージした「湯の広場」。温泉で使う湯桶をモチーフにした「手湯」や、別府湾に面した窓の外には素晴らしい眺望の「足湯」もあり、スタートから温泉気分を盛り上げてくれます。
▲ 人々が集う広場をイメージした「湯の広場」。
▲ 別府湾を眺めながらの足湯が心地いい。
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館内なのに温泉街の入り口のような雰囲気を醸し出すこのアプローチ。隈氏は「温泉ではお風呂に入るのも素晴らしい体験だが、実はその前後に温泉街をそぞろ歩きできるというのが温泉旅館の本質」と、設計の狙いを語っています。この宿にはふたりでぶらぶら温泉街を楽しむような仕掛けがいっぱいあるのです。
フロントから廊下にそって奥に進むと、赤い暖簾のかかった「ラボ」というスペースが。別府の街中にある温泉の配管をモチーフに温泉街の夜店をイメージしたというユニークなインテリアに目が留まります。こちらでは、源泉とアロマオイルを使った「温泉ミスト作り」や、温泉の泉質や入浴法を学ぶ「温泉いろは」など、別府温泉にちなんださまざなま体験ができます。
▲ 「ラボ」の「温泉ミスト作り」では、アロマオイルを計量してブレンド。作った温泉ミストはお持ち帰り可。
お食事処や大浴場に向かう途中には、屋外に出る通路があり、あえて外の庭を楽しみながら目的地へと向かう趣向となっています。このように屋外・半屋外の空間をうまく利用することで、単なる廊下ではなく、温泉街を歩いて回っているような感覚を生み出しているのです。
▲ 建物から中庭で急に空が見えるのにもびっくり。奥には大浴場があり、湯上がりはここで一休みも。
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別府湾の眺めに目を見張る客室とまったり楽しむ温泉

肝心の客室は全70室が別府湾を望むオーシャンビュー。そんな眺望を生かした隈氏のドラマティックな仕掛けが、部屋を彩る真っ赤な壁と特大の窓です。別府名所の「血の池地獄」の赤から発想を得た古代色である“柿渋色”の鮮やかな壁は、日本一の源泉数と湧出量を誇る別府温泉の熱気や、温泉が湧きだす溶岩台地を表現しているそう。

そして目の前の別府湾の眺めがまるで一枚の絵のように楽しめる「ピクチャーウィンドウ」からは、時間帯ごとに美しく色が変わる"ドラマティック"な空や海を存分に楽しむことができます。
一方、インテリアはナチュラルな素材で、ソファは落ち着いてくつろげる雰囲気。ヘッドボードや照明には、大分県の伝統工芸である豊後絞りという絞り染めがとてもモダンに生かされています。
温泉大浴場へはエレベーターで地下へ。実はこれも、別府で一番の砂湯として知られる「竹瓦温泉」の温泉場が階段を降りた地下にあるのに倣ってイメージしたそうで、知っている人には楽しい仕掛け。地下に降りると地の奥から沸き起こる温泉のパワーがより強く感じられます。
温泉大浴場は、湯温の異なる2つの湯船がある内風呂と、四季折々の花や紅葉が楽しめる露天風呂を備えています。内風呂は、源泉かけ流しの「あつ湯」で身体が活性化するようなすっきり気分を、ゆったり浸かれる「ぬる湯」では温泉成分を体になじませるようなリラックス気分が味わえます。
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大分名産の数々を味わった後は賑やかな夜を楽しもう

お食事処に降りていく吹き抜け空間には、いっぱい竹蜻蛉が飛びかうようなアートが。大分の伝統工芸である竹細工を使って、館内に自然と季節の雰囲気を呼び込んでいます。食事は、ご当地の味にこだわる「界」らしく、大分の名産品“かぼす”をふんだんに使って、近海で獲れた新鮮な魚介などを活かした料理が次々に出てきます。
器も大分県の伝統工芸品である小鹿田焼きや竹細工が使われるなど郷土へのこだわりを見せつつ、料理の演出もまた魅力的。例えば、笹の葉に包まれた器で出てくる先付けは、かぼすを添えるだけでなく練り込んだ麺に雲丹のジュレを載せ、香り高い柑橘と磯の香りがぐっと食欲を高めています。

特別会席のメインの台の物は、別府八湯にちなんで牛肉や近海で採れたさば、野菜など8種の具材をかぼすをくぐらせた出汁で食べる「豊後なべ」。かぼすおろしをたっぷりかけて、ぴりっとしたかぼす胡椒を添えれば、具材のうま味がさらに引き立ちます。かぼすは本当に万能のおいしさ調味料!
▲ 特別会席 「豊後なべ」。別府八湯にちなんで魚介や自家製団子麺など8種の具を入れる豊後なべを中心に豪華な会席。
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夕食を終えた夜の時間は、表情を変えた「湯の広場」と「ラボ」へ。広場には、ギターを片手にリクエストに応える流しの歌手が現れ、ヨーヨー釣りや輪投げなどの屋台が出て、浴衣姿でまさに温泉街をそぞろ歩く気分が楽しめます。ラボでは、色鮮やかな血の池地獄や海地獄をイメージした「温泉モクテル」がふるまわれ、スマートボールに興じることもできます。

夜もふけると、広場では「界」が土地の伝統文化に触れる体験を提供するご当地楽「湯治ジャグバンド」が登場。舞台に並ぶのは湯桶!?  法被を着たスタッフが桶から湯を汲んでは流し、時には打楽器のように桶を打ち鳴らし、見事な演奏を聞かせてくれます。賑やかでいろんなお楽しみがつまった夜の温泉街。時間を忘れて楽しめます。
翌朝は、夜の賑やかさとはうって変わって静かでゆったりした時間が流れる「湯の広場」へ。ふたりで足湯につかりながら別府湾に上る日の出を眺めて、旅の終わりを感傷的に楽しむのもまた一興かと。

隈氏の仕掛けで、館内にいながら1日を通してドラマティックに移り変わる温泉街への逗留体験を楽しむことができる「界  別府」。訪れて元気になれるこんな宿も時には新鮮な思い出となるのではないでしょうか。

●界  別府(かい  べっぷ)

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