2026.06.20
星ではなく“鳥”を語る男に! 「星のや軽井沢」で見つけたモテる知性の磨き方
「彼は鳥に詳しかった。物知りで素敵だと思ったわ」。ある時、銀幕の大女優が夫との馴れ初めをそう明かしてくれました。星を語る男はロマンチストと呼ばれますが、日常の解像度をさりげなく高めてくれる男性もまた格好いい。そんな知的でモテるオヤジさんになれるプログラムを、「星のや軽井沢」で見つけましたよ。
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文/甘利美緒
軽井沢の森には、100年かけて育まれた“鳥愛”がありました

旅先で得た知識というのは不思議なもので、その後の人生をちょっぴり豊かにしてくれます。冒頭で過去に大女優をインタビューした時のエピソードを引用しましたが、あの言葉を思い出したのも、まさに「星のや軽井沢」での体験がきっかけ。この春、私が軽井沢で出会ったのは、ワインでもなく、アートでもなく、ずばり"鳥"です。

▲ 春になると南国から渡ってくる夏鳥のひとつ「キビタキ」。
しかも、その学びは、図鑑を開いて覚えるような堅苦しいものではありません。森を歩き、鳥の声に耳を澄まし、カクテルを片手に物語を聞く。その体験の積み重ねによって、気づけば鳥について語りたくなっている。そんな大人のためのプログラムが、「星のや軽井沢」の『軽井沢バードウォッチングステイ』。

▲ 日本屈指の探鳥地である国設「軽井沢野鳥の森」を、野生動植物のエコツアー専門家集団の「ピッキオ」に案内してもらう、1日1組限定のアドベンチャーツーリズム「軽井沢バードウォッチングステイ」。
でも、なぜ「星のや軽井沢」がバードウォッチングに力を入れるのでしょう。実はこちらには、その歴史が100年以上前から脈々と続いています。
1914年に開業した「星野温泉旅館」二代目当主・星野嘉政氏は、日本野鳥の会創設者・中西悟堂氏との出会いを機に鳥の保護活動を開始。やがて軽井沢野鳥の森の保全へとつながり、その精神は現在の「ピッキオ」へと受け継がれています。
そんな背景があってこそのユニークな体験が、軽井沢バードウォッチングステイにおける「バードタイムトラベラー」。なんと、その嘉政氏が録音したとされる半世紀前の秘蔵レコードと、現代のさえずりを客室で聴き比べることができるのです。

▲ アナログのレコードが奏でる鳥の声や、背景の雑音が、デジタル時代の今、やけに心地が良いのです。
50年という時間を経て、軽井沢の森の環境がどう変わったかを耳で感じる、知的な体験──鳥の保護に情熱を注いだ先人の記録が、現代の森のさえずりと重なり合います。なんとも粋ではありませんか。

▲ 窓から「軽井沢野鳥の森」の緑が望める客室「山路地の部屋」。
鳥のさえずりがこだまする、黄昏の森に抱かれて
軽井沢バードウォッチングステイで体験できる非日常のひとつが、夕暮れ時に行われる「黄昏のバードコンサート」です。スタッフの方に案内されて野鳥の森を進んでいくと、池のほとりにリクライニングチェアが。森をコンサートホールに見立て、様々な鳥たちのさえずりに包まれる、という趣向です。ちなみに、米国科学アカデミーの研究によると、鳥のさえずりには、苛立ちやストレスを抑え、ポジティブな感情を高める効果があるのだとか。

▲ 森の中に設えられた“バードコンサート”の会場。ハーブティーとクッキーをいただきながら、鳥たちの合唱を楽しみます。
そして、夜は野鳥の森の入り口にたたずむ「森のほとりCafe & Bar」へ。ここで供されるのは、鳥にまつわる物語とともに味わう“ストーリーカクテル”です。

▲ 「森のほとりCafe & Bar」。ライトアップされた幻想的な森の中で味わうお酒は格別の味わいです。
春の軽井沢を代表する渡り鳥「オオルリ」は、その名の通り瑠璃色の羽が美しい鳥で、幸せの青い鳥とも呼ばれますが、このオオルリにちなんだ一杯を、スタッフの方が語るストーリーとともにいただきます。すると、バーを出る頃には「明日の朝、あの青い鳥を探しに行くんだ」という気持ちが高まる。つまり、夜の物語が翌朝の感動の伏線になるんですね。そういう仕掛けがこのプログラムにはさりげなく用意されているので、オヤジさんが工夫を凝らさなくとも、彼女の感動を積み重ねることができます。

▲ 野鳥をイメージした美しい“ストーリーカクテル”。
バードウォッチングはグローバルな紳士淑女の嗜み、なんですね
翌朝は4時半に起床。客室のテラスで特製スープを味わい体の芯からじんわり温まったところで、このプログラムのハイライトであるバードウォッチングへと出発しました。

▲ 案内してくださったのは、ピッキオ歴34年のベテランガイド・小口幸子さん。
この方のガイドがとっても面白い! どこかから鳴き声が聞こえてくると、その鳥が何かを教えてくれるのはもちろん、様々な豆知識を澱みなく披露してくださるのですが、それがヨコシマ……いや、実に知的でありまして、例えば、近年の遺伝子研究によって、鳥も“浮気”をすることが判明した、ヒナの血液を調べると、本来の父親とは別のオスの遺伝子が含まれていることがあった、とか。一夫一婦制に見えて、実は複雑な愛の事情を抱えている鳥もいるのですね〜。

▲ 「SWAROVSKI OPTIK」の双眼鏡の精度にも感激!
森を散策している時に双眼鏡を手にする欧米人のグループに遭遇したのも、印象的です。イギリスではバードウォッチングが紳士の趣味として定着していることは知識として知っていましたが、実際、鳥を観る行為はグローバルに通用する「知的な遊び」なのだと、腑に落ちました。

▲ 欧米ではバードウォッチングが旅の目的にもなるそうですよ。
記憶に残る旅の“ダメ押し”として、唯一無二のかき氷とスパを
さて、夏の「星のや軽井沢」には、まだまだモテる過ごし方が用意されています。

▲ 「星のや軽井沢」のランドスケープを象徴する棚田に臨む特等席「棚田ラウンジ」。
7月1日からは棚田ラウンジにて「軽井沢白樺かき氷」が提供されます。雪解け時期の約1カ月間しか採取できないという白樺の樹液を用いた特製シロップで味わうソレは、見た目も味わいも涼感満点。提供開始に先駆けて試させてもらったのですが、“白樺ジン”のアイスクリームが添えられており、これまた“こんなのはじめて”の美味しさです。

▲ かき氷の中には軽やかな口当たりのムースが隠れていて、最後まで食べ飽きることがありません。
そして、スパのオイルトリートメントも強くおすすめしたい! 約3時間の森歩きの後に体験したのですが、ツボにピタッとハマる手技にスキルの高さが伺えました。カップルルームもあるので、ぜひ、ふたりで心身ともにとろけるひと時を味わってください。記憶に刻まれる軽井沢の旅となるはずです。

▲ 緑に包まれた水辺で受けるトリートメントは、まさに至福です。
2026年の「軽井沢バードウォッチングステイ」は5月末に終了してしまいましたが、ピッキオでは四季を通じて野鳥の森を散策するツアーを実施しています。ワインの産地を知るように、アートの背景を知るように、鳥を知ることで、森の景色は驚くほど豊かになります。
次に軽井沢を訪れる時、アナタは星ではなく鳥を探しているかもしれません。そんな変化こそ、「星のや軽井沢」が与えてくれる、いちばん贅沢なおみやげなのです。
■ 星のや軽井沢
住所/長野県軽井沢町星野
TEL/050-3134-8091(星のや総合予約)
HP/https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyakaruizawa
ピッキオ
TEL/0267-45-7777
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