2026.03.22
【オープン】東京のラピュタ!? 地球にやさしい空中庭園ホテル「1 Hotel Tokyo」に行ってみた!
3月初旬、東京・赤坂にオープンした「1 Hotels Tokyo(ワンホテルズトウキョウ)」は「サステナブル」に特化したラグジュアリーホテル。その徹底した運営姿勢、サービスとともに、自然とアートに囲まれた魅力的なホテルの全貌をご紹介します。
BY :
- 文/長谷川あや
- CREDIT :
編集/森本 泉(Web LEON)
ラグジュアリーと環境配慮(サステナビリティ)が両立した「1 Hotel Tokyo」
また東京に個性的なホテルが誕生しました。3月初旬、東京・赤坂にアメリカ発のサステナブルラグジュアリーホテルブランド「1 Hotels(ワンホテルズ)」が、日本初進出となる「1 Hotel Tokyo(ワンホテルトウキョウ)」を開業したのです。さまざまな特徴を持つホテルですが、真っ先に触れたいのは「サステナブル」に特化していること。
「サステナブル」を大切にしているホテルは、昨今いくつもありますが、「1 Hotel Tokyo」は、その力の入れ方、半端ないんです。そんな「1 Hotel Tokyo」に潜入。ラグジュアリーと環境配慮(サステナビリティ)が両立することを身をもって実感しました。

▲ 赤坂トラストタワーの38階から43階を占める「1 Hotel Tokyo」。客室や38階のロビーからは、皇居外苑や東京タワー、東京湾など、東京のランドマークを一望できます。カテゴリ―は限られますが、愛犬と宿泊できる客室も!
「1 Hotelsが東京に進出する」というニュースに、日本中のホテルラバーは心浮き立ったことでしょう。「1 Hotels」は、スターウッド ホテルズ CEOであり、ホスピタリティ業界を牽引してきたバリー・スタンリヒト氏が、2015年に創設したホテルブランドです。
「世界はたったひとつしかない(1 World)」という思想のもと、サステナブルラグジュアリーをブランドコンセプトに、マイアミ、ニューヨーク、ロンドン、メルボルンなどに展開。「1 Hotel Tokyo」は、アジア初進出であり、同ホテルグループの13軒目のホテルとなります。
というわけで、「1 Hotel Tokyo」の概要をご紹介。「1 Hotel Tokyo」が位置するのは、東京ワールドゲート赤坂内の赤坂トラストタワーの38階から43階。客室は全211室で、うち24室がスイート(3室のペントハウスを含む)です。インテリアは、日本人デザイナーの相﨑準氏がニューヨーク・ブルックリンに設立した建築・デザインスタジオ「CRÈME(クレム)」が担当しました。

▲ ロビーの奥に広がるのは禅の思想から着想を得た石庭。さらに、プリザーブドモスや再生素材を用いたアート、地元職人によるインテリア、こだわりの植栽が随所に。ロビーエリアだけでも、自然とアートに囲まれた心温もるリトリートを満喫できます。
ロビーの奥に広がるのは禅の思想から着想を得た石庭。さらに、プリザーブドモスや再生素材を用いたアート、地元職人によるインテリア、こだわりの植栽が随所に。ロビーエリアだけでも、自然とアートに囲まれた心温もるリトリートを満喫できます。
侘び寂びの美意識を現代的に再解釈し、苔や再生木材、大谷石といった素材を積極的に使用。日本の職人文化と自然のエレメントが見事に融合しています。奥に進むと、禅の思想に着想を得たラウンジと石庭があり、その周辺には再生素材を使ったアートや、地元職人によるインテリアが散りばめられていました。
とにかくどこを切り取っても絵になるんです。開業後、SNSにあがっていた写真のお洒落なこと。それでいて、「サステナブルラグジュアリー」という確固たるテーマが息づいていて、大人の感性を刺激します。

▲ 客室タイプはスタンダードからスイート、ペントハウスまで12カテゴリー。写真は、「パノラミックタワー 1ベッドルーム スイート」(67㎡)。
ダイニングでは地中海に着想を得た料理を提供。ミニマルウェイストを意識した、季節と土地の恵みをストレートに味わう料理が並びます。ロビーラウンジ&バーは、日本のジン文化にフォーカス。50種のジンから好みのボタニカルを選び、自分だけの一杯を仕上げる「シグネチャー・マティーニ・リチュアル」など、デートを盛り上げるメニューも。
話題の新スポット、ぜひ彼女と出かけてみてください。──というのも、「1 Hotel Tokyo」って、行って体感して、その良さが実感できるホテルだと思うのです。どういったかたちでレポートするか悩むところなのですが、筆者が「ここは語るべきところ」「これは体験すべき」と思ったポイントをピックアップしてみました。
赤坂の「空中庭園」で癒される

▲ まるで空中庭園のような38階のロビーラウンジ。総支配人の小南正仁氏は、1 Hotel Tokyoについて「私たちは単なるホテルブランドではなく、変革のためのプラットフォーム」と語っていました。
エレベーターがロビーのある38階に到着し、ドアが開くと、そこには森が広がっていました。──少し大げさかもしれませんが、実際に足を運んだら、この感覚、わかっていただけるのじゃないかと思います(笑)。
ゲストを出迎えるのは、豊かなグリーンウォールや惜しみなく配された植栽と、青々と茂る樹冠(キャノピー)のような空間。客室を含め、館内には1500を超える鉢植えが設えられているそう。「空中庭園のような都会のオアシスを作りたい」という思いを、最高のかたちで具現化しています。知り合いが「ラピュタみたい」と言っていたのですが、なるほどそういう見方もあるかも⁉

▲ 38階のロビーラウンジ。曲線的なデザインのバックバーと、天井の曲線的な木製のパネルが、計算され尽くした照明と相まって、温かな雰囲気を演出しています。お酒が進んじゃいそうですよね(笑)。
天井には気流を表現したディテール、壁面には雲のモチーフと、随所に自然界から着想を得た意匠が。特に印象的なのはブランドのシグネチャーでもある大谷石の壁。皇居の堀の石垣にオマージュを捧げたものだそう。さらに、その向こうには東京の景観が! しつこくてごめんなさい(笑)。赤坂の「空中庭園」、一度、ぜひ体感していただきたいです!
肩ひじを張らずに「サステナブル」な時間を過ごす

▲ チェックアウト時、不要な衣類の上に、「1 Less Thing」と書かれたプレートを乗せておくと、提携するNPO団体を通して必要な人のもとに届くというシステム。自分が愛用していた衣類が誰かの役に立つのはうれしいですよね~。

▲ 客室の壁面の木製のパネルは、ホテル建設時に使われていた足場を解体・加工し、オーナメントに再生したもの。また、すべての客室に、メモ用紙の代わりに使えるミニ黒板を設置。余計な紙の使用は極力控えています。
日常に溢れている「サステナブル」「サステナビリティ」という言葉を意識せずとも、気づけば地球にやさしい時間を過ごせる──。「1 Hotel Tokyo」ではサステナビリティが滞在体験そのものに溶け込んでいます。
それだけに、「1 Hotel Tokyo」のサステナビリティへの取り組みについて紹介すると、キリがないのが実状でして(笑)。今回は、具体的に筆者が「これはすごい」と唸ったことを抜粋して紹介します。

▲ 全客室に備えられた浄水タップ。ろ過した水が出てきます。ペットボトルの出る幕がありません(笑)。
日本の環境性能評価における最高評価「CASBEE Sランク」を取得済。廃棄物の90%再利用という高い目標を掲げた運営方針は、ラグジュアリーの定義を「消費」から「共生」へと転換しようとする意志の表れです。
「おお!」と声をあげるくらいに感心したのは客室に浄水タップが備えられていたこと。公共スペースに、リフィル(給水)ステーションがあるホテルはいくつかありますが、客室にあるのはかなり珍しいはず(私は初めて見ました)。その水をいただくためのグラスはワインボトルを再生したもの。
ドアノブにかける、「Don’t Disturb(起こさないでください)」のサインは、紙やプラスチックではなく石を使用します。聞けば、客室に設えられているほぼすべてのものは、再生素材を利用しているのだとか。本当に⁉

▲ 「Don’t Disturb」のサインは石(Now / Not Now)! これを出口の棚に置いておきます。

▲ アップサイクルした製品を積極的に採用。客室で使用するグラスは、ワインボトルを再利用しています。ハンガーも再生紙や木材などリサイクル素材から作ったもの。ルームキーにもリサイクル木材を使っています。
ゲストが不要になった衣類などを部屋に置いておくと、ホテルが回収して地元のNPO団体に寄付する、「1 Less Thing」という取り組みも実施。滞在しているだけで、ゲストが環境活動の主体になれる仕掛けが随所に散りばめられています。
同ホテルブランドのロイヤリティプログラムへ加入すると、感謝の意味を込めてホテル側が1本植樹を行うそうです。そう聞くと、入りたくなっちゃいますよね、ロイヤリティプログラム。
サステナビリティを具現化するダイニング

▲ 「NiNi」で使用する塩はさまざまな生産者のものを利用したいという思いから、1か月ごとに変更。オープン時は兵庫県産の塩を使用しています。パスタはすべて自家製。セモリナ粉と水を練り上げ、型から押し出して成形する南仏らしい製法を用いながら、日本の旬の食材と組み合わせます。
「1 Hotel Tokyo」らしさに満ち溢れたダイニングもお見逃しなく。シグネチャーレストランの「NiNi(ニニ)」では、南仏リヴィエラのくつろいだエレガンスと日本の洗練を融合させた料理を提供。日本語の「二、二」に由来。“二つの海岸、二つの文化”をテーマにしています。
ヘッドシェフを務めるのは、「Kabi」「茶禅華」などで研鑽を積んだ、ニコ・ポリカーピオ氏。プロヴァンスのハーブ、フレッシュさにこだわったオリーブオイル、魚介と柑橘など、持続可能な生産者のものを積極的に採用しています。
例えば、野菜は、東京近郊の若手農家や再生農地を活用する農家のものを重点的に入荷。そんな野菜を使ったサラダを、オープン時は梅とエシャロットのドレッシングで提供していました。新しいですよね。
日本ではまだ導入例の少ない、スペイン製のジョスパーグリルオーブンの存在も見逃せません。天然炭による調理は、肉や魚介、野菜の繊細さを損なわず、素材の個性を引き出すのだとか。華美な演出はありませんが、「美味しい」とシンプルな言葉がでてくるものばかり。
メインにいただいた、経産牛サーロイン、しみじみと美味しかったなあ。ハーブとシトラスのソースも爽やかでした。「美味しい」だけでなく、心が満たされる食体験、推せます!

▲ カカオ・トレース認証のチョコレートを使用した「NiNiオリジナルチョコレートバー」は「NiNi」の哲学を体現するメニュー。使用したチョコレートの農地に、一部の売り上げが還元されます。ラム酒の代わりに和紅茶のシロップとオレンジのグランマニエを使ったフランスの伝統菓子「オレンジ&アールグレイ・ババ」も同店のシグネチャーデザートです(次はコレを食べよう!)。

▲ 日本の蒸留文化と自然への敬意を表した、バー「Spotted Stone」(スポッテッド ストーン)。昆布やしいたけのうま味、トマトから抽出したエキスなどを使った、オリジナルカクテルもラインアップしています。
バー「Spotted Stone」(スポッテッド ストーン)は、日本のクラフトジンが主役。都内でも屈指の約50種のジンコレクションを誇ります。ボタニカルや蒸留技法ごとに整理された美しい「リビング・ライブラリー」は、1杯のグラスを通じて日本の多層的な表情を探求できるご機嫌な場所。
「Neighbors Café(ネイバーズカフェ)」では、東京・原宿のオーガニック抹茶ブランド「THE MATCHA TOKYO」のメニューも提供するそうです。
天空のウェルネスで心身をクールダウン


▲ 自然光が差し込むインドアプールは18メートル。ライトアップした東京の夜景のなかで泳ぐような気持ちになれる夜のプールも素敵です。
新しいホテルのウェルネスは多くの女性が注目するポイントですが、こちらも期待を裏切りません。「バンフォード ウェルネス スパ」は、オーガニックでサステナブルなライフスタイルの先駆者、キャロル・バンフォードとタッグで実現したもの。指圧、リフレクソロジー、ツボ刺激、アシストストレッチ、ヨガの呼吸法など、古来の知恵と現代のセラピーを融合させたトリートメントを受けることができます。
シグネチャーメニューは、京都産の竹のツールと緑茶オイルで血行を促進する「ジャパニーズ バンブー マッサージ」。 「1 Hotel Tokyo」のオープンを記念して、現在、他の「1 Hotels」でもこちらの施術が期間限定で受けられるそうですよ。彼女にプレゼントしてみては?

▲ スパは英国発のオーガニックライフスタイルブランド「バンフォード」と協業。客室のバスアメニティも同社のものを使用しています。なお、客室のバスルームには砂時計が置かれていて、「水は大切なもの」だという気付きを与えてくれます。
ほかにも24時間利用可能なフィットネスエリア「The Field House」(ザ フィールド ハウス)や、自然光が差し込む屋内プール、屋外デッキへのアクセスも備え、都市の中心にいながら心身を徹底的にリセットできる環境が整っています。
「消費」としてのラグジュアリーから「共生」としてのラグジュアリーへ。「1 Hotel Tokyo」は、そんな言葉を体感する場所です。いえ、難しく考える必要はナッシング。食べて飲んで泊まって泳いでトリートメントを楽しみながら地球を大切にし、さらにはホテルという場所の無限の可能性を感じることができる──、赤坂の空の上が今、盛り上がっています。

■ 1 Hotel Tokyo

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