月鍋を食べるために京都の食通も遠出

「京都のその先に美味いものあり!」というフレーズが一番ふさわしい比良山荘。京都に住む食通たちの間でよく名前が出てくるので、行ってみたいと思うこと早数年。

やっと叶いました。京都市内から滋賀県を目がけてクルマで小1時間。

比良山の山深い曲がりくねった道を走り続けると、左手に琵琶湖を源流とする安曇川が流れる山里に到着。家の前に流れる疎水で野菜を洗うお父さん、そんな里山原風景が似合う一軒屋が「比良山荘」です。

比良山系の裏登山口でもあるため、登山者の宿として昭和34年にでき、その後、鮎を名物とする料理旅館となったそう。
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クリュッグと一緒に月鍋はいかが?/白い花のように盛られた月輪熊の肉(脂身)薄切りを、高島葱を入れた特製出汁に一枚ずつ、しゃぶしゃぶのように入れます。身がすぐにギュッと縮まり、すかさずいただくと、口の中で甘くとろけ、未体験の繊細な食感と濃厚な旨味が広がります。
3代目の伊藤剛治氏は、裏メニューだった熊料理を冬の料理として定番化させ、京都人が雪のなかでも行きたい料理屋として評判を集めたのがはじまり。

ちなみに熊の捕獲量は、なんと猪100頭に対して1頭と言われるほどの稀少ぶり。秋に木の芽を食べ、冬眠のために脂がのっている時期が良いそう。脂身をしゃぶしゃぶのようにいただくのだけれど、そのかつてない美味しさはわざわざ行く価値ありよ。
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左から冬季限定の月鍋、八寸、お造り/ 月鍋は月輪熊の肉であることと、“雪月花”から雪が降って花が咲く間の時期に美味しいことからネーミングされました。八寸には、鮎のなれ寿司、松茸のうま煮、岩魚寿司など。お造りには、庭の池で泳いでいるぷりぷりの鯉、鹿刺し、鰻の焼き霜。すべて比良山荘から歩いて手に入るということをテーマに、作られています。

淑女のトキメキポイント

グルメな友人から聞いていました。熊って食べたことなかったの。噂に違わぬ美味です。雪の日に行くと凄〜く風情があるんですって。でも雪道、危ない?だったらハイヤーで行きましょ。

比良山荘

比良山荘

比良山荘

■客室(左):2階には宿泊できる部屋が4室だけあります。数が少ないので、かなり前からの予約が必須。
■外観(右):安曇川の沿道から路地を曲がると、地主神社の鳥居の手前、疎水が流れる一軒屋が比良山荘。こんなのどかな原風景に出合えますよ。

滋賀県大津市葛川坊村町94
077-599-2058
営業/11:30〜13:30、7:00〜19:00(完全予約制) 無休

●月鍋コース(3月末まで):1万5000円、2万円の2種、ハーフボトルシャンパン6000円〜、◯宿1泊2食3万円〜/人(税・サ別)

滋賀県大津市葛川坊村町94

写真/奥田 高文
ナビゲーション・文/YULI*YULI
2015年03月号より抜粋

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