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2023.06.04

【カナダ・オンタリオ州の旅(3)】

各国グルメが集結するカナダ・トロントで、世界一周食べ歩き!?

カナダ東部に位置するオンタリオ州。オタワやナイアガラの滝がある州として知られ、スキーにサウナ、アート、ワインetc.大人の遊びが揃う旅先であります。そこでオンタリオ州の楽しみ方を4回に分けてご紹介。第3回はトロントのグルメについてお伝えします。

CREDIT :

文・写真/大石智子

「モーレソース付き ステーキ」約5890円
初回はコチラ。第2回はコチラ

移民の街=各国料理が本格筋

昼食にレバノン料理、おやつはタイスイーツ、夕食に西アフリカ料理、食後はメキシカンのバーへ。これはトロントでのある1日の飲食の記憶。日本では味わえない現地メニューも多くて、気分は歩く世界旅行です。

カナダといえば、国内の労働不足解消のために積極的な移民受け入れ計画を進める国。2025年には過去最多となる50万人の受け入れを目指すと昨年IRCC(移民・難民・市民権省)大臣が発表しています。トロントにおいては人口の約半分が他国出身者。母国の味を求める人も多いから、仕上がりが本格筋なのです。

また、2022年からはカナダ初となる「ミシュランガイド トロント」が発表され、13軒の星付きレストランが誕生しました。ちなみに唯一の2つ星は日本人の齋藤正樹さんが営む「Sushi Masaki Saito」。まだ星の数は少ないですが、ミシュランが生まれたことで業界に火がついたはず。というわけで、ミシュランスターも含む各国レストランを紹介していきます。
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【レバノン】 Amal Toronto

過去最高のフムスを体験! 中東料理をワインと楽しめるのが最高です

3種のディップの盛り合わせ「SAMPLER」約2690円
▲ ディップの3種盛り「SAMPLER」約2690円
「Amal Toronto」はベイルート出身のオーナーが幼少の頃に食べていた味をシェアするべく作ったレストラン。料理長をはじめスタッフの多くがレバノン人です。ここで感動したのがフムスの美味しさ。偶然お会いした日本人スタッフによると、そのフムスは「現地の定食屋で働いているようなお母さんたちが作っている」とのこと。ヨーグルトで作るガーリックラブネも絶品なので、それらを選べるディップの3種盛りをお試しあれ。
エキゾチックかつエレガントな内装も魅力。
▲ エキゾチックかつエレガントな内装も魅力。 HP/https://amaltoronto.com
また、郷土料理をワインやカクテルともに楽しめるのが中東と違ってうれしいところ(現地ではお酒が飲めるお店はローカル感が薄かったりする)。肉の串焼きにマルベックを合わせるなんてことも出来てしまう。レバノンから輸入している家具や食器もお洒落で、土着感とモダンのいいとこどり。こういう店、東京にもあったらなあと思わざるをえません。
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【メキシコ】 QuetzalとEl Rey Mezcal Bar

ライブ感満点の薪焼きメキシカンとメスカルのバーに注目!

「ラムのタコス」約2090円。
▲ 「ラムのタコス」約2090円。
“薪焼きメキシカン”って響きだけでもう小躍りしたくなってしまう。それもミシュラン1つ星獲得店。そんな「Quetzal」の特等席は7m超の焼き場を前にするカウンターです。テキーラを飲みながら眺めるのは、燃え盛る炎で肉を焼く腕っぷしが強そうなシェフ。薫香が酒を進ませ、肉が焼ける間に食べるのもまた肉。ラム肉やサルサソースが入った焼きたてのタコスも必食なのです。

メインの肉は下にモーレソースが敷かれたメキシコ仕様のステーキとして登場。宿に帰って服についた煙の臭いに気づいても、楽しい時間の証拠と思えるでしょう。
「モーレソース付きステーキ」約5890円。
▲ 「モーレソース付きステーキ」約5890円。
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薪焼きグリルの隣にはお洒落なバーエリアもあり。
▲ 薪焼きグリルの隣にはお洒落なバーエリアもあり。 HP/https://www.quetzaltoronto.com
もうひとつのおすすめメキシカンはメスカルが多数揃う「El Rey Mezcal Bar」。いまどきのお洒落バーとは違う、埃っぽい街の夜遊びみたいな空気感がたまりません。赤い照明が妖艶で、レンガの壁もいい味わい。食前にメスカルの飲み比べをして胃を活性化させてみては?
実はタコスも美味しい「El Rey Mezcal Bar」。メスカル1杯約900円〜。
▲ 実はタコスも美味しい「El Rey Mezcal Bar」。メスカル1杯約900円〜。 HP/https://elreybar.com
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【イタリアン】 Trattoria NervosaとOsteria Giulia

街で長く愛されるトラットリアと1つ星を獲得する流行店、どちらもパスタが旨い!

Trattoria NervosaとOsteria Giulia 上は「ラムのリガトーニ」約2490円、下は「ポルチーニクリームのレジネッテ」約2590円。
▲ 上は「ラムのリガトーニ」約2490円、下は「ポルチーニクリームのレジネッテ」約2590円。 HP/https://eatnervosa.com
日本のイタリアンは世界でも最高峰だけれど、たまに食べたくなるのが量も味わいもガツンとした北米系パスタ。1996年にオープンした「Trattoria Nervosa」はまさにその願望が叶う店です。地元民が仲間とお喋りするために集まる一軒家トラットリアで、提供するのは南イタリアの家庭料理。ポルチーニのクリームソースがよく絡むひらひらのレジネッテや、ラムのラグーが穴に入り込んじゃうリガトーニなど、もぐもぐ食べて素直に美味しいパスタが揃います。

代わってミシュラン1つ星をもつ「Osteria Giulia」は、内装や料理がもう少しスタイリッシュ。キャビアと蜂蜜がかかったブラータでフランチャコルタを飲んだり、骨付き肉のステーキをシェアしたり、デートにも申し分なし。
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Trattoria NervosaとOsteria Giulia 前菜のスペシャリテは「ブラータとキャビア」約4490円。
▲ 前菜のスペシャリテは「ブラータとキャビア」約4490円。
Trattoria NervosaとOsteria Giulia 「イカと手打ちリングイネ」約3790円。
▲ 「イカと手打ちリングイネ」約3790円。 HP/https://osteriagiulia.ca
ここでイチ推しなのがイカの入った手打ちリングイネ。イカとパスタが食感も形状もよく似ていて、口内で混同するのがクセになる。もちもち食感の両者の合間にイカの足を食べるのもいい変化。アンチョビがイカの風味を引き出し、ほどよい濃厚さにワインが進みます。
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【西アフリカ】 Afrobeat Kitchen

陽気さとスパイシーさに西アフリカのリズムを感じる!

Afrobeat Kitchen 前店「ESCAPE GOAT」の看板を掲げ、偶然にも山羊のスープを名物とします。
▲ 前店「ESCAPE GOAT」の看板を掲げ、偶然にも山羊のスープを名物とします。
「Afrobeat Kitchen」のオーナーはナイジェリア出身でコロナ禍にナイジェリアの郷土料理をふるまう店を開業しました。外観は元のパブ「Escape Goat」とあるので困惑しますが、その中こそ「Afrobeat Kitchen」。隠れ家のようで、扉を開ければ底抜けに明るいアフリカ系の女性が出迎えてくれます。
Afrobeat Kitchen 舌がヒリヒリするほど辛い「山羊のペッパースープ」約900円。
▲ 舌がヒリヒリするほど辛い「山羊のペッパースープ」約900円。
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Afrobeat Kitchen 「エスギ&グリーンズ(海老とココナッツライス)」約2300円。
▲ 「エスギ&グリーンズ(海老とココナッツライス)」約2300円。 Instagram/https://www.instagram.com/afrobeatkitchen/
最初にいただいたのは山羊のペッパースープ。これがめちゃくちゃ辛いのだけれど2月当時の凍えた身体を一気に温めてくれました。

メインはエグシを使った海老のプレート。エグシとはメロンの一種であるウリ科の植物で、それにチリや豆を足したソースで海老を炒めてココナッツライスのお供とします。いわば“ナイジェリア丼”。極寒のトロントにいながら熱い気候を生き抜くパンチの効いた料理を食べて元気が出たのでした。

【フランス(クラシック)】 Le Sélect Bistro

ステーキタルタルや鴨のコンフィで赤ワインを飲む幸せたるや!

Le Sélect Bistro 白インゲン豆がたっぷり入った「鴨のコンフィ」4390円。
▲ 白インゲン豆がたっぷり入った「鴨のコンフィ」 約4390円。 HP/https://www.leselectbistro.com
まるでパリの街角にあるようなトラディショナルなビストロです。メニュー名はすべてフランス語。ムール貝の白ワイン蒸しやステーキタルタル、鴨のコンフィなど王道のビストロ料理が並びワインはカナダ産もあり。フランス語も聞こえてくる賑やかな店内はカウンター席でさくっとディナーするのも小粋です。
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【フランス(モダン)】 Alo

トロントで最も有名なグループが手掛ける1つ星レストラン

Alo このテーブル席の他、シェフズカウンターやバー席もあり。
▲ このテーブル席の他、シェフズカウンターやバー席もあり。
「Alo」は2020年前後に「Canada’s Best Restaurant」で4年連続1位に輝いたこともある人気店でミシュラン1つ星も獲得。トロント内で計3軒の姉妹店を展開し、カナダのグルメシーンを盛り上げている存在です。
Alo ディナーコース(6皿)は約1万2000円。
▲ ディナーコース(6皿)は約1万2000円。 HP/https://alorestaurant.com
フレンチをベースにした「Alo」の料理は和素材や発酵食品を含んでいて馴染みやすさがありました。衝撃的に美味しかったのはカリフォルニアのソノマの葡萄で作っているオリジナルのワイン。初日に訪れたレストランだったのに、思わず1本買ってしまいました。
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【ハワイ発】 「Matty’s Patty’s」

人気シェフが作ったハイカロリーなド迫力ハンバーガーとは?

「Matty’s Patty’s」 潔く野菜はなしの「トリプルチーズバーガー」約1400円。
▲ 潔く野菜はなしの「トリプルチーズバーガー」約1400円。 HP/https://www.mattyspattysburgerclub.com
「Matty’s Patty’s」はトロントの食堂を皮切りに人気シェフになったマティー・マセソンが作ったハンバーガーショップ。元はハワイで人気を博し、トロントでも成功。ここではシングルパティでは生ぬるい。ダブル、いやトリプルパティのチーズバーガーに特製ソースをかけてお楽しみあれ。こってりソースがはまる肉肉しいバーガーは北米ならでは。

【中華圏】 Sunnys Chinese

何も知らなければ通り過ぎる、隠れ家チャイニーズが大人気

住所が示すのはただの雑居ビル。でもよく見ると扉に「Sunnys Chinese」と書かれた小さなダンボールが貼られていて、「これが看板か〜い!」とツッコミたくなる地味さです。
Sunnys Chinese まったく中華料理店と分からない外観。
▲ まったく中華料理店と分からない外観。
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Sunnys Chinese 適当すぎるダンボール看板!
▲ 適当すぎるダンボール看板!
紫色の照明が灯る怪しい廊下の先には人気店ゆえ行列が。そして中に入ればスタイリッシュなレストランときてギャップは抜群。料理は東南アジアよりな仕上がりで少々大づくり。おつまみとして食べて飲むには十分楽しいので、夜遊びとして訪問あれ。
Sunnys Chinese 不安を覚えつつ廊下を進みます。
▲ 不安を覚えつつ廊下を進みます。
Sunnys Chinese 扉を開ければあらモダン。
▲ 扉を開ければあらモダン。 HP/https://www.sunnyschinese.com
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【カナダ(コンテンポラリー・カナディアン)】 FRILU

新時代のカナダ料理!? 日本人的な繊細さも感じられる注目ガストロノミー

FRILU ペアリング付きシェフズメニューは約2万6000円(サービス・税別)。
▲ ペアリング付きシェフズメニューは約2万6000円(サービス・税別)。
カナダ料理と言われたら何か謎ですが、新時代のカナダ料理とはこういうものなのかなと感じたのが「FRILU」でした。

エグゼクティブ・シェフ兼オーナーのジョン・ヴィンセントさんはイタリア系の家庭で育ち、懐石料理やコペンハーゲン「Noma」、サンフランシスコの3つ星「BENU」で修業したシェフ。各地での経験をふまえ、オンタリオ州の食材を輝かせます。多国籍文化というカナダの個性が美食に着地したようなお店でした。
FRILU 最寄駅のFinch駅からはタクシーで約10分。
▲ 最寄駅のFinch駅からはタクシーで約10分。
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FRILU シェフやスタッフ自ら収穫に行く自家菜園。
▲ シェフやスタッフ自ら収穫に行く自家菜園。
自身の畑をもつゆえ店は中心市街地からクルマで1時間という立地。旬へのこだわりが日本の料理人のようで、私が行った2月は雪解け前ゆえ茶系の料理が多かったのが好印象。意味をもたない飾りはのせません。ここで食べたエルク(カナダに生息する巨大鹿)とデザートは今回のカナダ訪問で一番と言っていい美味しさでした。

また、実は「FRILU」ではヘッドシェフは坂田 壮さん、ソムリエ兼マネージャーは下村侑也さんであり、ふたりの日本人が活躍中。坂田さんはトロント在住10年、イタリアンなどで腕を磨き、下村さんは「ロオジエ」や「INUA」などを経て昨年「FRILU」に参加しました。
FRILU ナイアガラにある「Hidden Bench Estate Winery」のスパークリングは理想の一杯目。
▲ ナイアガラにある「Hidden Bench Estate Winery」のスパークリングは理想の一杯目。 HP/https://www.frilurestaurant.com
下村さんはオンタリオ州のワイナリー巡りにも積極的で、「FRILU」では数あるなかから本当に美味しいナイアガラ産ワインを知ることもできる。同地といえばアイスワインが名産ですが、それだけではないのだと実感。日本やフランスのお酒も上質揃いですが、オンダリオ州同士のマリアージュが旅人には沁み入りました。

以上が各国料理店のリスト。第4回はトロントのおすすめホテルとカフェ&バーについてご紹介します。
※価格は1カナダドル99.62円で計算

■ 取材協力

オンタリオ州政府観光局
HP/https://www.destinationontario.com/ja-jp/japan

カナダ観光局
HP/https://jp-keepexploring.canada.travel/

● 大石智子(おおいし・ともこ)

出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。

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