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2021.05.08

【第45回】

いまの父親は4人目。「どの家もお父さんは変わるものなんだよ」って教わってました

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

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取材/林伸次 写真・構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。第43回目のゲストは、脚本のお仕事をされているみなみさん(25歳)です。

お父さんも学校も、次々と変わる子供時代

── ようこそいらっしゃいませ、林です。

「こんにちは。よろしくお願いします」

── ここではニックネームでお呼びするために、似ている芸能人を聞くことになっているんですが、誰に似てるって言われますか。

「あ、そうなんですね。ん〜、峯岸みなみさんとか、平愛梨さんとか言われることがあります」

── 目がクリクリしてて、明るい雰囲気があるところも似ていますね! それでは、今日はみなみさんと呼ばせてください。そういう雰囲気だときっと、幼少の頃から可愛い可愛いって言われてたんじゃないですか。

「わりと保育園くらいから、先生とか、男の子たちとか親御さんとかにもてはやされてたと思います。ただ私、母の都合で引越しばかりしていたので……」

── お母さんの都合で、というとお仕事か何かで?

「いえ、そうではなく、母は4回結婚しているんです(笑)。私が小学2年生の時に最後の結婚をして、そこからは落ち着いていますけど」

── あれれ、それはなんか大変そうな……。え〜っと、そうするとお母さんは子連れで恋愛してる状態だったと思うんですが、それは子供からするとどんな感じなんですか。

「小さい時には当たり前に思っていましたね。『どの家庭もお父さんは変わるものなんだよ』って教わってたから、また今回も変わったんだって思っていました(笑)」

── あ〜(苦笑)。僕もステップファーザーというか、妻の方に娘がいて、再婚しているんです。お母さんが恋愛しているのは受け入れることができましたか?

「いや、全然出来てなかったです。今となっては母も大変だったんだなって思っていますけど、嫌でしたよ。被害を被っているから。お父さんも小学校もまた変わるの?って」

── そっか、子供の頃はその衝撃大きいですよね。

「そうですね。母の元カレにストーカーされたことが原因で転校したこともありました。それでも、転校先の学校で待ち伏せされたりして、学校でも腫れ物扱い。いじめもされたし」

── それをネタにいじめられるんですか。

「はい。転校して早々に大人の男性に待ち伏せされてたら、子どもでもさすがに変に思うわけです。転校の時期も5月とかだから、ワケあり感満載ですよ(笑)。でも、私は勉強もできた方で、足も速かったから、男の子たちはチヤホヤしてくれて。だから、女の子からすると余計に面白くないんですよね」
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地元から抜け出すための武器が勉強だった

── 目立つし、男の子からも人気があると、同性に妬まれちゃうんですよね。そういう時って何か対策とかしました?

「そうなったらもう諦めていました。保育園の頃からそんな感じだったから。今回失敗したわ〜って思うくらいで、あまり学校にも行ってませんでした。でも、小学校最後の転校先に、たまたま保育園が一緒だった子がいて、『みなみちゃん、お父さん変わってない?』って言われたんです。で、『え? え? 逆になんでみんな変わってないの? 別に普通でしょ』って言い返しました」

── おお、言い返せると、もう余裕が生まれそうですね。

「そうそう。その時は転校が成功してて、学級委員もやっていたし、リレーの選手もして、確固たる地位を築いていましたから。小学生ってそういうの強いですよね。それで、あなたに言われる筋合いないわって思えました」

── 女性の場合って、ヒエラルキーの一番上になったら大丈夫ってよく聞くんですよね。そこに行けないと大変って。

「そう、微妙な位置にいると、その辺のしょうもない女がいじめてくるんですよ(笑)。でも自分が一番上になれば、いじめが起きないって分かったんです。それからは小中高全部そうやって来ましたね」

── そこからは一番上に行くって決めてたんだ。

「はい、そうじゃないと泣く子が出てくるから」

── みなみさん、凄く強いですね。自分の環境が不安定で、どちらかというとマイノリティ側の気持ちがわかるから、いじめられる子の気持ちもわかると。で、一番上に行って、いじめをさせないようにするんだ。

「そう。中学で転校したらちょっと田舎に行くことになっちゃって、ヤンキーばかりだったんですね。そこでは多少派手にしないとトップは取れなくなるから、そうしてました」

── その頃はお付き合いしている人はいましたか? そういう環境だったら、みんな恋愛もセックスもガンガンしてるのかなって思うんですが。

「いえ、なんか別世界というか、馬鹿みたいって思ってました。母は16歳で結婚してお兄ちゃんを産んでるんです。でも、育児放棄して祖母が育てていました。子供が子供を産んで失敗してるから、こうはなりたくないって」

── あ〜、そんな早くにお母さんは結婚したんだ。

「はい。地元で深夜まで遊んでると、先輩とかが来るじゃないですか。みんなね、シングルマザーばっかりだったんです。私はずっとここにいたらダメだなって」

── その時期にそう思えたんだ。偉かったですね。

「はい、そう思ってた。でもいじめたくも、いじめられたくもないから、これをキープしながら、私ができることはなんだろうって思って、頑張って勉強して」
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優しくて頭のいいイケメンなんて、それまで周りにいなかった

── それは本当に良かったです。そうすると、最初の恋愛はいつですか?

「高校2年の時。相手は3歳上の大学生、予備校のチューターさんだったんです。私、一目惚れしちゃって(笑)」

── おお〜、カッコよかったんですか。

「はい、優しくてカッコいい慶應生。たまたま家が近くて、模試の対策とかを聞きに行くと、全部教えてくれるんです。オススメの参考書とかも聞いて、もうすごく好きになっちゃって(笑)」

── ワハハ!

「だって、こんなにカッコよくて優しくて、頭が良い人なんて周りにいなかったから!」

── なるほど〜。

「仲良くなってから半年くらいは、公園に行って遊んだりしてたんですけど、その後、彼が告白してくれて、塾には内緒でこっそり付き合いました。でも高2の大事な時期、受験がありますから、やっぱりあまり会えないと思うって言って別れちゃったんですけど」

── 受験があるからって離れたってことは、彼も相当真面目に考えてくれてたんですね。

「うん、応援してくれた。でも私、受験失敗しちゃったんですよ。一橋に行きたかったんですけど、センターで滑っちゃって……。他の大学も受験したんですけど、どこか舐めていたんでしょうね。対策もせずに受けて、やっぱり落ちて、浪人しました」

── そうだったんですか。でもこれだけ受験の話を真剣にするって、本当に頑張ったんですね。それで1年間浪人して?

「浪人も途中で折れました。それでセンター試験の1カ月前に、国立の受験料だけ持って家出したんですよ(笑)」

── え〜〜!! ちょっと待って、凄い展開。えっと、その時のお父さんは3人目?

「いや、4人目です。私が小2の時の、最後の結婚から変わらず」

── じゃあ、最後の結婚のお父さんが一番ちゃんとしている人だったんですね。

「ん〜、お母さんにとってはそうでしょうけど〜、ん〜、そうね……」
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大学の受験料だけ持って家出して……

── 何かあるんですか。

「お金にだらしない人って思ってます。多分、出会う順番を間違っちゃったんでしょうけど、自分に奥さんと子供が3人いる状態で、隣の職場だった母にひと目惚れしちゃったんです。当時のお父さんがDVする人で、お母さんが暴力を振るわれてて」

── えええええ〜。本当に大変!

「それを助けてくれたのが、今のお父さん」

── じゃあ、お父さん、やっぱり良い人だ。

「良いけど、慰謝料とかが凄いことになってて。子供ながらに、順番を守れって思いましたもん」

── そうか〜、金銭的な問題は発生しますよね。

「しかも勝手に、離婚もしていないのに一緒に暮らすとか言い出しちゃって。夜逃げみたいな感じで、その前のお父さんから逃げるために、一緒に…….」

── そんなこと小学生の子供に経験させるって、お母さん……。

「夜逃げは、私がおばあちゃんたちと旅行している時に決行されてました。旅行から帰ったら、え? 家変わってない? みたいな(笑)」

── アハハハ。

「で、そこから4年後くらいに、そのDV男がストーカーしに来たんですよ。やっと平和な生活を手に入れたと思ったのに……。それで、家族会議をして、また遠くに引っ越すことになっちゃったんです」

── そんなことになっちゃったんですね。じゃあ家出はなぜ?

「私ね、高校で3年間奨学金をもらってたんです。学年に2人だけのその枠を取り続けるのに、毎日必死だったんですよ。勉強もするし、ボランティアだの生徒会だのもして。私立の大学だったら推薦で入れたんですけど、学費が払えないから、お母さんが国立にしなさいって」

── もう。お母さん……。

「もうよくわかんないんでしょうね。で、その浪人中の秋に、お父さんに、『入学金っていくらかかるんだっけ? お金ないや』って言われたんです。私はず~っと前から何度も何度も伝えているんですよ。全部紙に書いて渡しているのに、その調子だから、もうダメだって……」

── それはもうね、ダメです。こんなこと他人の僕が言ってごめんなさい。でも、僕も同じステップファーザーなので言わせてもらう。それは本当にいけない。

「うん、大丈夫。で、全部嫌になっちゃって、お家を出ちゃったの……」

── そうか。それで受験料持って家出して、どこに行きましたか。

この続きは次回!

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。最新刊「なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか」(旭屋出版)は、林さんが「このお店はすごい! 」と感じた飲食店のオーナーに自らインタビュー取材。繁盛店の秘密に迫ったドラマティックなビジネス書です。

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