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2021.04.09

【第8回】瀧内公美(俳優)

瀧内公美「裸は見せなくていいものだけど、別に見えてもいいもの」

世のオヤジを代表して作家の樋口毅宏さんが今どきの才能溢れる美人に接近遭遇! その素顔に舌鋒鋭く迫る連載。第8回目のゲストは、俳優の瀧内公美さん。2019年度のキネマ旬報ベスト・テンで主演女優賞に輝いた『火口のふたり』での体当たり演技など、話題作に次々出演する期待の女優さんです。

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写真/トヨダリョウ 文/井上真規子

『さらば雑司が谷』『タモリ論』などの著書で知られる作家の樋口毅宏さんが、才能のある美しい女性の魅力を掘り出す連載対談企画「樋口毅宏の手玉にとられたい!」。

第8回のゲストは、俳優の瀧内公美さん。2014年公開の映画『グレイトフルデッド』で主役に抜擢されると、その後も『彼女の人生は間違いじゃない』(2017年)、『火口のふたり』(2019年)などの作品で、難しい役どころに次々と挑戦しながら、実力派俳優としての道を着実に歩んでいます。今年の4月に公開となった主演映画『裏アカ』の制作秘話と合わせて、樋口さんが瀧内さんの魅力に迫ります。

「もしかしたら『ここは私がいる場所じゃないな〜』みたいに感じていた?」(樋口)

樋口毅宏(以下:樋口)
初めまして、樋口と申します。今日は楽しみにして参りました。よろしくお願いします。

瀧内公美(以下:瀧内)
こちらこそ、よろしくお願いします。

樋口 いきなり自分の話で恐縮なのですが、僕は東京生まれ東京育ちで、そのことにアドバンテージがあると知ったのはずいぶん後です。瀧内さんは富山県出身ですよね。どんな所ですか?

瀧内 私が育ったのは、1時間に1本しか電車が通らないような田舎町です。クルマがないと生活ができないので、ちょっぴり不便かもなんて(笑)。でも水やお米、お酒とか食べ物は何でも新鮮で本当に美味しいです。
樋口 もしかして、「ここは私がいる場所じゃない」と感じてたりしていましたか?

瀧内 退屈だな、と感じることはありましたね(笑)。

樋口 『ここは退屈迎えに来て』(※)みたいな?
(※地方都市に暮らす女性たちの心情を描いた山内マリコの小説。瀧内さんは2017年の映画化作品に出演)

瀧内 そう!(笑)  まさに山内先生が描いた世界観の通り。

樋口 でも外国に住んでいた時期もあるんですよね?

瀧内 私が子供の頃、仕事の関係で父がインドネシアに滞在していた時期があって、私はインドネシアと富山を行き来してました。現地では、大量のTシャツを持った少年が「これ買ってくれ」と思いっきりクルマの窓を叩いてきたりして。同い年くらいの子供が必死に商売をしないと生きていけないという現実にショックを受けたのを覚えています。
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樋口 それは、なかなかの経験ですね……。富山にいながら、俳優を志したきっかけはなんなのでしょう?

瀧内 俳優を目指すという意味では中学3年の時に観た『赤い月』という映画です。

樋口 なかにし礼さん原作の……。
(※戦前・戦中の満州を舞台に愛に生きたひとりの女性の人生を描いた作品。なかにし礼の実母をモデルにした自伝的小説が原作)

瀧内 あ、そうです。その劇中での主演の常盤貴子さんと伊勢谷友介さんが、役柄もあると思いますが凄まじくて、中学生だったというのもあるのですが、結構な衝撃を受けたんです。一方、この作品の宣伝をやられている時のおふたりの笑顔とのギャップを目の当たりにして、役者ってすごいなって思ったんですよね。あと、夢を見るのことの素晴らしさを知ったのは、高校の時に観た『ドリームガールズ』。

樋口 『ドリームガールズ』ですか! 感覚的に最近の映画です。やっぱり若い!

瀧内 ふふふ。初めて出させていただいた映画『グレイトフルデッド』のクランクインの日に、『ドリームガールズ』のサントラを聴いて、ついに夢が叶う日が来たんだな〜とうれしくて泣いちゃいましたネ。アハハ。

樋口 でも瀧内さんが東京に来たのは大学からで、事務所に入ったのも4年生の時。本格的に女優を始めたのは卒業後と、遅いスタートです。なのに、そこから半年後には、映画の主役に抜擢されたんですよね。本当にすごいです。

瀧内 ありがとうございます。でもCMやテレビのオーディションとかは全然受からなかったんですよ!(笑)  映画だけは受かったので、自分が表現できる居場所はここなのかなぁって漠然とですが思いました。だから、とんとん拍子っていう感じでもないんですよ。

樋口 挫折を感じていらしたんですね。

瀧内 それはもう。「なんでダメなんだろう?」ってループに入っちゃって、通っていたスーパー銭湯まで自転車を思いっきり漕ぎながら、ブワ〜って涙を流したこともありました(笑)。
樋口 スーパー銭湯! いいですね(笑)。とはいえ、そこから『グレイトフルデッド』(※)でいきなり主演ですもんね。この映画はベテラン俳優の笹野高史さんと壮絶なバトルを繰り広げるという内容で。
(※孤独ウォッチングを趣味とする孤独な女が、孤独な老人を監視。ところがあるきっかけで女は老人を監禁。ふたりの関係は複雑にねじれていく)

瀧内 やりがいのある作品でした。高齢化社会やネグレクトなど社会問題を扱う作品で、内容も衝撃的だと思います。

樋口 これまで出演作の役は、オーディションで選ばれんたんですか?

瀧内 そうですね。『彼女の人生は間違いじゃない』(廣喜隆一監督)『火口のふたり』(荒井晴彦監督)『裏アカ』(加藤卓哉監督)は、面談でした。

樋口 面談というと?

滝内 例えば子供の頃から東京に出てくるまでのお話をしたりとか、パーソナルな部分を監督とお話して、役との相性を見てもらうと言いますか。荒井監督には、「瀧内は何考えているか本当にわからないから起用した」って言われました。「笑ってるのか、怒ってるのか、悲しいのかわからない感じが君のいいところだ」って(笑)。

樋口 そうなんだ(笑)。僕がすごいと思ったのは、瀧内さんは作品ごとに役を完璧に演じ分けられるところ。4作とも全部顔が違うんですよ。本当に違う人に見える。

瀧内 うれしいです。ありがとうございます。
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「役になるとか、役から抜けるという感覚はない」(瀧内)

樋口 すごく良かったのが、2017年公開の『彼女の人生は間違いじゃない』。福島で被災して、夜行バスに揺られて東京へ出て、デリヘルしているっていう女性の主人公を演じていますね。こういう人、いるだろうなって思う反面、こんな綺麗な人がいるだろうか?って思って見てました。

瀧内 アハハ。廣木監督の作品では、女優さんはみんな美しく撮ってもらっていると思います。廣木さんが描く女性ってなんだか痛々しい瞬間もあるんですけど、それすらも美しいというか、抱きしめたくなっちゃう人ばっかり。醜さも可愛く思えちゃうんですよね。

樋口 確かに。それにしても、撮影中はさぞ辛かっただろうと思いました。

瀧内 福島の仮設住宅を借りて撮影したのですが、酷に感じてしまって。住む人たちにとっては命を繋ぐ場所なのに、東京から来た私たちは一瞬の撮影のためだけにお借りして帰るわけだし。自分自身に対して他所者であると考え過ぎてしまって。

樋口 うん……。

瀧内 でも、色々と考えさせられる環境に身を置いたことで、そういう過酷さを知ったからこそ丁寧に演じなくてはと思いました。彼女は何がしたくて、どうなりたいのかをずっと考えさせられた日々でした。

樋口 そうやって役になりきってしまったら、自分自身も自然と追い込まれてしまうんじゃないですか? よく俳優さんが、撮影後も役から抜けられないとか言ったりするじゃないですか。

瀧内 それが、私はないんです。役になるとか、抜けるという感覚はなくて、今日このシーンとこのシーンを表現した、という感じ。どこまでも自分自身と地続きなんです。撮影が終わってメイクを落としている時には、「今日なんのビール飲もう」とか、そんなことを考えています。

樋口 ワハハハ!(拍手)  それ、カッコいい!
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「SNSで悩んでしまったら“沼”(笑)真知子は、ハマっちゃった人だなと思って演じていました」(瀧内)

口 僕が瀧内さんを初めて知ったのは『火口のふたり』(※)。原作を書いた白石一文さんは、僕のお師匠さんなんです。
(※結婚を10日後に控えた女性が8年ぶりに再会した元恋人と抑えようのない情動に駆られて束の間、激しく体を重ねていく)

瀧内 そうなんですね!!

樋口 白石さんは作中に様々な社会的要素を入れつつ、ギリギリまで削ぎ落としていく人。東日本大震災や富士山の噴火が背景にある『火口のふたり』は、白石作品のなかでも難しい題材ですよね。僕的には、あの荒井晴彦監督の映画はスタンリー・キューブリック監督の『アイズ ワイド シャット』みたいな、お年を召した人が性に対してある種の憧憬的なものを込めて作っているな、と勝手に思って見ていました(笑)。演じるのは、難しかったのでは?

瀧内 撮影期間がすごく短かったんです。出演が柄本佑さんと私の2人だけということもあって、お祭りと劇中に出てくる写真だけ先に撮影をして、あとは12日間ですべてを撮影しました。裸のシーンをまとめて撮って、別で服を着ているシーンを分けて撮るという感じ。

樋口 12日ですか! 

瀧内 2人の関係性がハマれば、そこからはうまく進んでいくんですけど、それまで腹の探り合いをしてしまった時間は大変でした。

樋口 柄本さんと歯車があってきたと感じたのは何日目ぐらいですか? 

瀧内 2、3日目ぐらいだと思いますが、1日の撮影量がすごく多かったので徐々にでしたね。2人の会話を中心に進んでいく物語で、1つの掛け合いがすごく長いんです。話しだすと止まらなくてワンシーンで12ページ分撮影したこともありました。
樋口 荒井監督はいかがでしたか?

瀧内 一見怖そうですが、本当に優しい方だなと。言葉も巧みでお話していると面白くってついつい喋りすぎちゃうんです。その反面、“言わない怖さ”もありました(笑)。撮影中に“いま撮ってるけど、OKじゃなさそう”と思わされることが多くて、そういう時は荒井さんに「どうですか?」って直接聞きに行ってました。

樋口 なるほど(笑)。アドリブも入れたりしたんですか?

瀧内 いえ。荒井さんの撮影では脚本通りやるのが基本で、一字一句間違えずに。芝居が良くても、接続詞が一文字でも違ったら撮り直しなんてこともありました。あと脚本のト書きも細かく書かれていて、例えばある脚本なら「手を繋ぐ」で終わるところを、荒井さんのホンだと手のつなぎ方から指の絡ませ方まで書いてあります。まるで指南書のよう。だからその通りに演じるのに必死で、アドリブは出るなんてことがないくらい緻密に練られていますので。

樋口 うわ〜! それはさぞや、テイクを重ねたでしょうね……。そして新たに公開となった『裏アカ』。原宿のショップに勤めているバイヤーがネットに承認欲求を求めてしまうという、今回も現代を切り取ったような等身大の女性の役でしたね。毎回、背負わされている人の役ばかりで大変だなと(笑)。

瀧内 どんな作品でも描かれるものって、主人公の葛藤や苦悩の積み重ねだと思うんです。作品ごとに、その深度の程度が違ってくるだけで。ただ今回は、答えがないと思って演じました。SNS上に答えはないし、自分のことは自分でしか解決できないものなので。その考えに辿り着くまで、いや辿り着いたのか? ぐらいで終わるので、積み重ねは丁寧にやらせてもらったつもりです。

樋口 なるほど。本当にそうですね。
瀧内 現代人は、SNSにある種の依存や支えを求めていて、自立できなくなっている部分もあるのでは? と思うんです。SNSって、そのものに価値はないのに、価値があるように見えてしまうものだなって。でもそこで悩んでしまったら“沼”(笑)。真知子(主人公)は、沼にハマっちゃった人だなって思って演じていましたね。

樋口 ご自身はネットはあまり利用しない方ですか?

瀧内 いえ、そんなことはないです。情報を集めるには便利ですし。ただ、距離感ですかね。そこに書いてあることがすべてではないというか。そういう考え方もあるんだな、なぜそういう風になっているのかなとか。そういうことは、逆に考えさせられることはありますね。基本的には映画情報とかそういうために扱うくらいの距離感でしょうか。

樋口 エゴサーチだけはしないでくださいね……。落ち込むだけで何にもいいことありませんから。

瀧内 はい、気をつけます(笑)。
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「私の中では、脱ぐ、脱がないが大事じゃない」(瀧内)

樋口 ところで瀧内さんの裸の美しさには驚きました! 作品によって体重調整などで、裸を微妙に変えていらっしゃるのかなとも思いました。

瀧内 映画の『火口のふたり』は、主人公が秋田出身で自然豊かな町で暮らしているので、自然な普通体型を意識しました。今回の『裏アカ』の主人公は洋服の店員なので、洋服が綺麗に見えるようなスリムな体型を意識したつもりです。実際にショップ店員の方に取材して、マネキン的な役割もあると伺って。

樋口 ジムやエステには行きますか?

瀧内 最近は、区民プールに行ってます!

樋口 く、区民プールに瀧内さん!?(笑) 異常な目立ち方じゃないですか! でも、水泳だとそこまで体絞れなくないですか?

瀧内 そんなことないです(笑)。あ、でも体型のことではないんですけど、水の中を泳いでいると頭がスッキリしていく感じで気持ちがいいんです。あのホン読まなきゃ、あの映画見なきゃ、とかひとときお仕事のことを忘れられるので。

樋口 わかります。あの、意地悪な質問に聞こえてしまったらごめんなさい! もしお付き合いしているパートナーが『公美、脱がないで』と言ったら、どうしますか?

瀧内 う~ん、どうですかねぇ。どっちかになるならば脱ぐかも!(笑)  私の中では、脱ぐ、脱がないは大事じゃなくて。裸は見せなくていいものだけど、別に見えてもいいもの。海外の映画だと“たまたま写った”っていう見え方もある反面、日本映画は隠すような感じが匂ってくるんですよね。私はそれが嫌で、見ると冷めてしまう。自分自身の考え方も持っているつもりですので、そういうシーンがあって必要性を感じればキチンとやらせてもらうかな。もちろんホンを読ませていただいた段階を踏んでのことですけれども。

樋口 潔い!! ちなみに僕も、妻(弁護士でタレントの三輪記子さん)の出産後のグラビアを快諾しましたよ。その企画の打ち合わせ中、僕が赤ん坊の面倒見ながら『な〜んだ乳首出さないんだ、つまんないの!』って言いましたから!

瀧内 え~! 素敵!(笑)
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樋口 こんなことを聞いたあとで矛盾するようですけど、脱がない瀧内さんも見たいんです。観客って本当に欲張りで、無い物ねだりなんですけど。

瀧内 9月に公開予定の『由宇子の天秤』では、ご覧いただけますね。社会派な作品です。

樋口 おお〜!また、大変そうな(笑)。

瀧内 はい、大変でした。ドキュメンタリー作家が真実をあぶり出していこうとする反面、一方で自分が加害者になる出来事が起きてしまって、心の揺れ動く様が描かれています。報道のあり方を問う描写もあり、監督の作家性が強い作品ですね。

樋口 大島渚監督も生前、カメラは加害者だって言っていましたけど、こちらもまた、難しそうな役ですね。

瀧内 でも私、そういう考えさせられる題材はやりたいなと思って。今回の『裏アカ』もSNSを題材にしていますけど、なんでこういう風になっていくのかなって実態を知りたくて。

樋口 そういうことを楽しみながら仕事にできるんですね、それはすごい。

瀧内 作品に取り組むたびに新しい勉強ができて、面白い仕事だなと感じています。自分は探究心が強いんだと思います。一方、飽き性でもあるので、共演者が毎回違うのも新鮮だし、一定期間一つの作品に集中してそれで終わり、というのも向いていると思いますね。

樋口 なるほど。
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「ココロとカラダがきちんと動いて、セリフをきちんと覚え、遅刻はしない。そういう俳優でありたい」(瀧内)

樋口 実は僕、瀧内さんって永遠の処女と言われた原節子さんに似てるなって思ってたんです。

瀧内 え~! うれしいです。こんなこと言うのも厚かましいのですが、そう仰っていただいた方がもうおひと方いるんですよ。

樋口 そうでしょ。絶対そうだと思った!

瀧内 以前、映画監督の武正晴さんに、右の横顔がモニター越しで見ていると原節子さんに似てますねって言われたことがあって。だいぶ昔なんですけどね、すごくうれしかったんです。

樋口 原節子と言えば、小津、成瀬、黒澤と仕事をしている人ですからね(※)。
(※小津安二郎監督の『東京物語』、成瀬巳喜男監督の『めし』、黒澤明監督の『我が青春に悔いなし』など名だたる名作に主演)

瀧内 遠すぎる存在で口にするのもおこがましく恐れ多いけど、本当にうれしい。

樋口 これ、僕の最大の賛辞です!

瀧内 ありがとうございます。でも 私がいただく役は、原節子さんが演じていた役のイメージとはほど遠いんですよ。どちらかと言うと一癖二癖あるような役だったり、一筋縄ではいかない環境の中にいたり、影を感じさせる役柄が多いんです(笑)。ほんとうはもっとほのぼのとした、日常を切り取るような温かみのある作品もやってみたいんですけどね。
樋口 なるほど、それも似合いそうですね。では最後に、そんな瀧内さんの今後の夢や野望がありましたら教えてください。

瀧内 ココロとカラダがきちんと動いて、セリフをきちんと覚え、遅刻はしない。そういう俳優でありたいです(笑)。続けていくこと、成長し続けること、楽しむこと、面白がること、そしてこの仕事をしながら、きちんと生活していけたらと思います。収入が安定しない仕事なので、驕ってはダメだなと。

樋口 浮かれないですね〜。地に足がついていて本当にいい! ちゃんと自分を客観的に見ることができるし、ベタベタしてないし。もしかして、今まで暗い男ばっかり寄ってきませんでした?  瀧内さんのさっぱりした部分に引き寄せられてきちゃう男がいそう(笑)。

瀧内 あ、どうですかね、確かにそうかも。しかも、付き合うと長いんですよ。

樋口 わかるような気がします!  依存されちゃうタイプだと思う。

瀧内 でも、気づいたら自分だって依存してるんですよね。だからこそ、自分のことはしっかり管理しないとなって思っています。
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樋口 瀧内さんはいい意味で現代的な女性像ですよ。相手に依存しないようにするっていうのは、大切ですよね。

瀧内 周りは皆、他者ですから、自分の考えを押し付けることはできないですよね。対話することは、すごく大事だと思いますけど。

樋口 いや〜、面談で瀧内さんを役に抜擢した監督さんたちの気持ちがよくわかりましたね〜。惚れ込むのがわかります。こうやって掴まれちゃうんだ!

瀧内 うれしいです(笑)。この連載、『手玉に取られたい』ってタイトルだったから、今日は樋口さんを手玉に取らなきゃって必死できましたから。アハハ。

樋口 僕、見事に取られちゃってるじゃないですか!(笑) ありがとうございました!

【対談を終えて】

お話をしながら目が覚めていくような思いでした。なんて頭がいいんだ! 作品を通してこちらが勝手に抱いていたイメージをいい意味で壊してくれる。常に自分に客観性を持ち、何にも依存せず、自然体。こんなに「賢い人」がいるんだと、現代における女性の理想像を見た感じ。いくつかの作品に面談で決まったというのも素直に頷けました。「この人に出てもらおう」と思った監督の気持ちがわかる気がしました。人と話をしてこんなに「得した感」もなかったです。あと、ここだけの話、瀧内さんがむかしの彼女に似ていて、ちょっと懐かしい気がしました!

●瀧内公美(たきうち・くみ)

1989年10月21日、富山県生まれ。2012年、本格的に女優としての活動を開始。オーディションにて映画『グレイトフルデッド』(2014年公開/内田英治監督)の主演を射止める。 2017年、廣木隆一監督「彼女の人生は間違いじゃない」にて主演。2019年、荒井晴彦監督『火口のふたり』ではキネマ旬報ベスト・テンで主演女優賞に輝く。主演映画『裏アカ』(加藤卓哉監督)が公開中。また9月に主演映画『由宇子の天秤』(春本雄二郎監督)が公開予定。
HP/瀧内公美 プロフィール|吉住モータース (y-motors.net)

● 樋口毅宏 (ひぐち・たけひろ)

1971年、東京都豊島区雑司が谷生まれ。出版社勤務の後、2009年『さらば雑司ケ谷』で作家デビュー。11年『民宿雪国』で第24回山本周五郎賞候補および第2回山田風太郎賞候補、12年『テロルのすべて』で第14回大藪春彦賞候補に。著書に『日本のセックス』『二十五の瞳』『愛される資格』『東京パパ友ラブストーリー』など。妻は弁護士でタレントの三輪記子さん。最新作は月刊『散歩の達人』で連載中の「失われた東京を求めて」をまとめたエッセイ集『大江千里と渡辺美里って結婚するんだとばかり思ってた』
公式twitter https://mobile.twitter.com/byezoushigaya/

『裏アカ』

SNSの裏アカウントを通して出会う男女の姿から、人間の葛藤や欲望、性への衝動を赤裸々に描いた人間ドラマ。行き場のない気持ちを抱えSNSの裏アカウントにのめり込んでいく女性を『火口のふたり』の瀧内公美が、表の顔と裏の顔を使い分ける相手役の年下の男を『私がモテてどうすんだ』の神尾楓珠が演じる。木村大作、降旗康男、原田眞人、成島出といった監督の下で助監督を務めてきた加藤卓哉の長編監督デビュー作。4月2日(金)より新宿武蔵野館、池袋HUMAXシネマズ、渋谷シネクイントほか全国にて公開中。
公式HP/映画『裏アカ』公式サイト (uraaka.jp)

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