2026.09.13
第19回 ファーストサマーウイカ【vol.03】
美しい人、ファーストサマーウイカ。「私が美しいと思うのは、何かを突き詰めてたどり着いた人の丁寧さ、“静”の美しさ」
大人の女性の美しさに迫るグラビア連載「美しい人」。今回ご登場いただいたのはファーストサマーウイカさんです。生まれ育った大阪での劇団員を経て東京でアイドルに。その後は映画やドラマ、バラエティ番組でも大活躍。いつもは歯切れのよいトークと快活な笑顔が印象的ですが、今回は匂い立つような大人の色気を纏った美しさを演じてくれました。その第3回です。
- CREDIT :
写真/野口貴司 スタイリング/近藤伊代 ヘアメイク/吉田真妃 文/渡邉朋子 編集/森本 泉(Web LEON) プロデューサー/Kaori Oguri






【Interview03】
今は全部がレベル10かもしれないけど、100を目指して少しずつ底上げしていくのが私の戦い方
── 今日の撮影はいかがでしたか?
ファーストサマーウイカさん(以下、ウイカ) 私は積極的にクリエイションをする人間ではないですけど、こういう撮影も、みんなで作り上げるという私の好きな“文化祭系”なので、自分でメイクをしたり服をどうするかとかを考えながらできて楽しかったです(笑)。
── ウイカさんはとてもフォトジェニックで、今回の写真を見て新しいオファーをしたいと思う監督もいるのじゃないかと思いました。
ウイカ 本当ですか? よかった! 団地妻系ですかね(笑)。確かに憂いみたいなところはバラエティでは決して出ないものだし、ナチュラル系も意外とまだやれるかなと思って(笑)。「美しい人」という看板が大きいから、見た人から「おい!」と言われないように、ちゃんとボーダーラインは超えたいなと思っていたので本当によかったです。

── 撮られること自体は好きですか?
ウイカ これも自分の中に客観視するところがある分、どこを撮ってもOKということではなく、ちょっと顔が前に出すぎてるなとか、重箱の隅を突きたがるというか、自分にもうるさい感じなんですね。だから、P(プロデューサー)みたいな位置で「もうちょっと顔を右に……はい、オッケー! ナイスナイス!」みたいなことを、他人を撮る時にやいやい言うのも撮られるのと同じぐらい好きです(笑)。
── ウイカさんが思う「美しい人」とはどういう人でしょうか?
ウイカ う~ん、こういう時、今まで人が言っていないことを言いたいですね。時間をかければかけるほど大喜利みたいになってきちゃうな……(笑)。でも、自分が美しい人でありたいと思った時に一番足りないもので言うと、やっぱり丁寧さですかね。例えば、最近のお芝居の仕事でも、医者であったり寿司職人であったり、いろんな専門的な職業ものの作品に参加する時に、講師の先生を見ていると、プロフェッショナルの方って仕事が早いのに、とてつもなく丁寧なんです。その丁寧さの中には、正確さ、冷静さ、愛情の深さ、己を律する真面目さのようなものも含まれていると感じます。それらを考えても、やっぱり自分は丁寧さに欠けていると思います。

── 自分に足りないものから「美しさ」を導き出された方は初めてです。
ウイカ 私のような広く浅くのマルチなタイプは、丁寧さよりも効率であったり好奇心やフットワークの軽さみたいなことに意識がいきがちで、飽きっぽさもあったり、“静か動”で言うと、すごく“動”寄りの働き方なんですよね。でも私が美しいなと思うのは、何かを突き詰めてたどり着いた人の丁寧さ、“静”の美しさだと思います。
── その“動”というのは言い換えれば「勢い」でもあると思うんですけど、そことは違う“静”の丁寧さに対しての憧れがあるんでしょうか?
ウイカ そうですね。自分と同じタイプの人を見て、共に走りたくなるようなカッコよさを感じることはあっても、息を飲むような惚れ惚れする美しさを感じることはないので。やっぱり美しいものって、時が止まるような感動があると思うんです。でも今回、そういう瞬間を写真でたくさん切り取っていただいたので、自分がほんの一瞬でも、“静”の美しさに手をかけられたような気がして、プロのお力を借りたらできるじゃん! と思って、非常にうれしかったです(笑)。

── ウイカさんは個々のお仕事に対してものすごく集中してパワーをかけていらっしゃるように感じますが、マルチではなく活動の範囲を絞ることは考えたりしないですか?
ウイカ 絞りたいですけど、そういう人間じゃないのでできないです(笑)。私は「ファイナルファンタジーⅤ」というゲームが好きなんですけど、このRPGは、基本で初期設定で変えられないことが多い「職業」や「わざ」を好きに選択できるんですね。剣士のレベルが上がったから次は魔導士のレベルを上げて魔法を覚えよう、みたいな。
その時々になりたい職業に変えられるスタイルが画期的だったし、私もそんなふうになれたらと思って、いろんな人生を生きられる役者を目指したんです。結果、それに近い感じでいろんな業種のお仕事をさせてもらえていてありがたいです。今はまだ俳優業、歌手業、タレント業など、全部がレベル10かもしれないですけど、それが全部レベル100になったら最高じゃないかと思うんです。
どれか一つに特化している人のほうが経験値も増えるし、100に到達するのも早いとは思いますけど、私は100にする根気強さがないから(笑)。だったら速度は遅いかもしれないけど、いつか100を目指して全部をちょっとずつ底上げしていくのが私の戦い方なのかなと思っています。

▲ ジャケット11万円/end vintage、ワンピース3万8000円/pays des fées(Limclothes)、その他はスタイリストの私物
── 例えば俳優のお仕事だと、「この作品でのウイカさんのお芝居は100点だった」などと言ってもらえることもきっとありますよね。
ウイカ そう評価してもらえることもあるかもしれないですけど、その評価軸って結局バラバラじゃないですか。ライブだったら、今日来てくれたお客さんの100点を取りたいけれども、ドラマや映画は撮影して何カ月か後に見てくれた人にどう響くかわからないし、それぞれに評価軸も違いますよね。
例えば今日みたいな撮影では、ここにいるスタッフの皆さんの100点を目指したいし、「最高だったよ、100点だったよ!」と言ってもらえたら、万々歳。自分は自分でまた別途評価するから、スタッフさんたちはリップサービスだったとしても、そこは遠慮なく額面通り受け取ります(笑)。
お芝居も、映像なら監督のOKがすべてだし、舞台ならその日のお客さんの笑いで演出家から追加の指示が来たりもする。仕事によって基準もジャッジも違ってきますし、自己満足でもいい時もある。どこに評価軸を置くかはその都度、変わってくんじゃないかなと思います。あと、レベル1の100点と、レベルMAXでの100点はクオリティも価値も違うとも思います。可能不可能は置いといて、後者を目指したいですよね。
── 昔は1日に50回エゴサしていたそうですが、今はどうですか?
ウイカ 昔はネット上の知らない人の評価を重んじた時もあるけど、今は良い評価はほどほどに受け取り、ひどいディスは「はいはい、ミュート、ミュート!」ってできるようになりました(笑)。やっぱり、どんな時代、どんなシーンであっても、まず自分で評価して、それに対して他人はどう評価しているかという主観と客観は常に持っていたいです。

── 人の評価とは関係なく、仕事で失敗して落ち込むことなどはありますか?
ウイカ 日によって、バラエティですべった、ドラマでセリフが飛んだというのはあるけど、それで士気が下がることはないというか。どんな名選手でも3割打てたらいいわけじゃないですか。そう思って自分を慰める日もあれば、あれは決まったな〜! と自画自賛する日もあります(笑)。それはどの仕事でもそうで、自己満足だけじゃなく、その場にいる皆さんにも喜んでもらえたら、このためにやってきたんだと思えるし、そこに喜びを感じられるからこの仕事を続けていられるんだと思います。

● ファーストサマーウイカ
1990年6月4日、大阪府生まれ。高校卒業後、地元の劇団で活動。2013年にアイドルグループ「BiS」に加入しメジャーデビュー。2014年、横浜アリーナ公演で解散。翌年には「BILLIE IDLE®️」を結成し、2019年に解散。2021年には『カメレオン』でソロデビュー。一方でバラエティ番組や、俳優としても活躍の場を広げ、ドラマ「凪のお暇」、「おちょやん」、「ファーストペンギン!」、「光る君へ」、「不適切にもほどがある!」、「フォレスト」、「ESCAPE それは誘拐のはずだった」、「時すでにおスシ!?」、映画『禁じられた遊び』、『花まんま』など話題作に出演。現在は「上田と女が吠える夜」、「トークィーンズ」、「超超音波」などのバラエティ番組や音楽番組、ラジオ番組「ファーストサマーウイカのとん・じん・ち!」とレギュラー多数。また、映画『バナ穴BANA_ANA』、が一部劇場にて公開中のほか、9月25日には『シャドウワーク』、10月2日には『ファーストボイス』が公開予定。
※掲載商品はすべて税込み価格です
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Limclothes 03-5318-9439
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